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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_163

『国マニア~世界の珍国、奇妙な地域へ!』(吉田一郎、ちくま文庫:2010、7、10)

2010読書日記163 

著者は埼玉県大宮市出身のさいたま市議。それにしてもよくこれだけ詳しく、小さな国や地域の歴史と現状を...。国、という概念をなんとなく、あって当たり前のように我々日本人は享受しているが、実は近現代社会において国を成立させることが、いかに困難であるかということ、逆に規模は小さくともいとも簡単に国を作ろうとする人たちがいるということを、この本は教えてくれる。国の成立条件は、領土、国民、政府、外交能力と言われる。が、一つにまとまる条件は民族、宗教、地理的条件、歴史といったものが浮かび上がってくる。振り返って、地方分権は、小さな独立とも言えるのではないか。この本に出てくるのは国々の歴史から学ぶところも多いのではないか。イギリスの植民地支配の基本は分割統治。片方をえこひいきして憎悪感をあおり、調停役に名乗り出る。いやらしいな。でも分割統治で各階級間の対立をという形は、江戸時代の士農工商と同じだし、カースト制度にも宗教面だけでなくそういった面があるのではないか。

 

 


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(2010、9、2読了)

2010年9月 3日 20:00 | コメント (2)

コメント

そういえば、昭和35年(?)頃に、1県1市化(全県1市化)構想というものを実現しようとした人がいましたな・・・。彼は、実現するための手段として、県内全域に根付いた「浄土真宗的な考え方(組織的に・・・ではなく個々に染み付いた意識)」を利用したけれど・・・結局・・・失敗したという出来事を思い出しました。

投稿者: (・e・) 日時:2010年09月04日(土) at 01:00

著者の吉田さんのサイトはこちらです。面白いですよ。
・野次馬的アジア研究中心
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/9613/

投稿者: かくた 日時:2010年09月05日(日) at 16:41