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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_179

『アリアドネの弾丸』(海堂尊、宝島社:2010、9、24)

 

オレンジ色の派手な表紙が目印。宝島社の海堂シリーズは、黄色・赤・緑と派手な表紙で、構図もよく似ている。

グチ外来の田口先生とロジカルモンスター・白鳥氏のコンビが戻ってきた!のみならず、オールスター・キャストと言ってもいい海堂ワールドが展開!海堂さんも「本家」の宝島社の単行本だと、スピン・オフ的作品よりも気合が入るのかな?タイムリミットのあるストーリーなのでスリルもあり、大変スピード感のある面白い作品に仕上がっている!

特に(・・・まあ、ちょっとネタ晴らししてもいいと思うけど)次の記述は、リアルワールドで展開された厚生労働省の村木局長を巡る事件を髣髴させる。

「俺は背筋が寒くなった。警察がそういう風に情報を使えば、そうなってしまうものだ。市警の連中も、自分を守るためには小さな虚偽を平気で言うかもしれない。」

「捜査や司法は、真実よりも、真実らしく見える方を重視する。真実をつきとめるより、過去の事象を自分たちのストーリーに当てはめ、それに合わせて事実を改変する。もっともこうしたことは、社会科の教科書には一行も書かれてはいないのだが。」

まさに村木局長を巡る証拠品・フロッピーディスク改ざん事件ではないか!

うーん、フィクションとは思えないリアルさが伝わってくる。AIセンター設立を巡る今回のお話も、実は、海堂さんが実社会で面しているのとパラレルの実体験ではないかとさえ思わせる。

 


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(2010、9、29読了)

2010年9月30日 21:47 | コメント (0)

新・ことば事情

4164「休煙」

 

101日(もう、あす!)からのたばこの値上げを前に、買いだめをする人たちがたくさんいるようです。またこれを機に、タバコをやめる人もいるようです。

「ミヤネ屋」火曜日のコメンテーター・高野孟さん愛煙家ですが、悩んでらっしゃるよう。928日の放送で、司会の宮根誠司さんから、

「高野さんも禁煙されるんですか?」

と聞かれた時の答えは、

「休煙する」

でした。「キューエン」。初めて聞きました。「救援」ではありません。もちろん「休演」でも「球宴=プロ野球オールスター戦」でもありません。一時、

「吸うの(煙)を『休む』」

のですね。ホホウ、おもしろい。初めて聞いた言葉、Google検索すると(929日)、

「休煙」=3万7700

でした。結構、お仲間がいらっしゃるのかもしれませんね。

「禁」という言葉を使うとキツイ感じがしてなかなか踏み切れないかもしれませんが、「休」だと踏み切りやすい感じがしますもんね。私も「禁酒」はしませんが「休肝日」は設けていますし。

しかしこの値上げ、というか税の引き上げ、ちょっと不公平な感じはしますねえ。タバコを吸わない私の"懐"は痛まないのですが、それでもちょっと、"心"は痛みます。

(2010、9、30)

2010年9月30日 13:15 | コメント (1)

新・ことば事情

4163「鳥人間、ゾーリンゲン、マイセン」

 

「鳥人間コンテスト」2年ぶりに開催され、9月24日にその模様が放送されました。画面を見ていて、

「ああ、夏だったんだなぁ」

と思いました。行われえたのは2か月前、7月下旬でしたからね。今は・・・今年はあれだけ「暑い暑い」と言っていたけど、やっぱり・・・秋ですねえ。

さて、「鳥人間」=「トリニンゲン」で思い出したのは、ドイツの「刃物」の町として知られる、

「ゾーリンゲン」

って、音がちょっと似ているだけですが。「ゾーリンゲン」と言えば「ヘンケル」ですね。で、後輩の五十嵐アナウンサー「ゾーリンゲン」について聞いたら、

「???知りません」

「ほら、その町の名前=特産品の名前になってるってのがあるじゃない、愛知県の『瀬戸=瀬戸物(陶磁器)』とかさ。ドイツの『マイセン』とか」

「はあ・・・」

と手ごたえがない。そこで、

「マイセンは何が特産品か、知ってる?」

と聞くと、目を輝かせて、

「はい、カツサンド!」

と答えるではないですか・・・。たしかに、とんかつの「まい泉(せん)」のカツサンドは、うまいけどさ。

念のため、『広辞苑』で。

「ゾーリンゲン」=「ドイツ西部、ノルトラインーヴェストファーレン州の工業都市。刃物の製造で世界的に有名。人口16万6千(1999)」

ほら、五十嵐君、「世界的に有名」なんだよ。

「マイセン」=「ドイツ東部、ザクセン州の都市。エルベ川沿い、ドレスデンの北西方になり、1710年ヨーロッパ最古の磁器製造所が設立された。」

「まい泉」は、まだ(?)『広辞苑』には載っていません。

(2010、9、26)

2010年9月29日 20:49 | コメント (0)

新・ことば事情

4162「イチオシの漢字表記」

 

9月22日の「ミヤネ屋」の放送の準備中(結局、放送はされなかったのですが)、AKB48のじゃんけん大会の話題があり、その字幕スーパーに、

「イチオシ」

という表現が出てきました。「一番オススメ(応援)する」という意味ですね。これを漢字で書いた時に、これまでは、

「一押し」

だと、なんの疑念もなく思っていました。しかしこのときのスーパーは、

「イチ推し」

だったのです。あ、確かにこの場合の「おし」は「推薦する」という意味の「オシ」だから「押す」ではなく「推す」だな。だとすれば「イチ推し」あるいは「一推し」が正しいのだと、初めて気付いたんです。

ネットで検索してみると、(Google検索・926日)

「イチオシ」=4150万件

ええ、4150万件!すごいあなあ、「イチオシ」!

「一推し」 = 89400

「イチ推し」= 36800

「イチ押し」=1020000

「一押し」 =9760000

でした。うーん、ネット上では圧倒的に、

「推し < 押し」

ですねえ。「押す」方が「プッシュする」なんて言ったりしてイメージが強いからでしょうか?『広辞苑』を引くと(最近はこんな言葉も載せてるんだ)

「一押し・一推し」

の順で、両方「見出し」に掲げていました。『明鏡国語辞典』は、

「一押し」

のみ。『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』には載っていません。『三省堂国語辞典』は、

「一推し・一押し」(「イチ押し」とも書く)

の順で「イチ押し」も載せるなど、丁寧でした。どうやら何種類もの表記法があって、確定していないような感じですね。

(2010、9、26)

2010年9月28日 12:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4161「パンダの死を"悼む"」

先日、神戸の王子動物園でパンダが死んだ時、報道デスクから、

「道浦さん、パンダに"死亡"は使えないんですよね!?」

という問い合わせがありました。これまでの例を出して、

「『死亡』『「亡くなる」は、人間にしか使わない』

と答えました。

その翌日、今度は、

「パンダの死を"悼む"と原稿に書いたら、アナウンサーから『"悼む"はパンダには使えないのではないか?』と言われましたが、どうなんでしょうか?」

と聞かれました。たしかに、ちょっと違和感があります。

なぜ、「パンダの死を"悼む"」には違和感を覚えるのでしょうか?

思うに、「悼む」のは(人間の)同等かそれ以上の存在である者の場合に使うのではないでしょうか?その意味で、「人間様」より「下位」に置かれている「動物」には本来、使いにくい。しかし最近は、「人間と同等かそれ以上」の扱いで「動物」を可愛がる人が増えたために、使いたがるのではないか?また、それほど違和感がなくなってきているのではないか?という気がしました。

ここまで考えてから、辞書で「悼む」を引きましょう。

『精選版日本国語大辞典』=「二・3(悼)人の死を嘆き悲しむ」

あ、答えが出ていた。やっぱり「人の死」なんだ。

『デジタル大辞泉』=「(「痛む」と同語源)人の死を悲しみ嘆く」

『明鏡国語辞典』=「人の死を嘆き悲しむ。哀悼する。」

『広辞苑』=「ニ・2(悼)人の死を悲しみなげく。」

『三省堂国語辞典』=「人の死などを悲しみ、おしむ。」

『新明解国語辞典』=「人の死を悲しみ惜しむ」

と、ここまですべて「悼む」のは「人の死」で、「悼む」の用例も「友」「恩師」などで「パンダ」はありませんでした。

人間以上に可愛がる「ペット」に餌を「あげる」と同じようなことかもしれません。

(2010、9、26)

2010年9月27日 22:02 | コメント (0)

新・ことば事情

4160「ふくどくぼん」

9月16日の日本テレビ『スッキリ!!』で、大竹真さん(夏休み中らしい)のピンチヒッターの青木さんという男性(アナウンサーか?)が、

「副読本」

のことを、

「ふ/くどくん」

「本」を濁ってしゃべっていたので、びっくりしました。普通は、

「ふ/くど\くん」

なのではないでしょうか?『NHK日本語発音アクセント辞典』にもそう載っています。(読み方もアクセントも)

「副読本」の語構成は、

「副・読本」

であり、連濁がなければ、本来は、

「ふく・とくほん」

この「本」を「ぼん」と読むのは、語構成を、

「副読・本」

だと思っているからでしょう。

学校で「副読本」を使わなかったのかもしれません。また「○○本」という言葉の読み方は「平板アクセント」だと思い込んでいることも、あるのかもしれません。

あとでスタッフから絞られているかも・・・。

(ネット検索したら、どうやら青木源太君という2006年入社の日本テレビのアナウンサーらしい。1983年生まれかあ。「副読本」、知らないのかな、その世代は。)

(2010、9、26)

2010年9月27日 18:01 | コメント (0)

新・ことば事情

4159「初となります」

922日の読売テレビのお昼のニュースで、奈良で開催されるAPEC観光大臣会議について伝えていました。その中の原稿(ナレーション)の表現で、

「日本での開催は初となります」

という表現がありました。もちろん、間違っているわけではないですが、硬い表現です。普通、話し言葉であれば、

「日本での開催は初めてです」

となるでしょう。OA(オン・エアー)後に、報道のデスクにその旨を伝えました。

その日、「ミヤネ屋」の原稿を下読みしていたら・・・なんとこちらにも別の話題で、

「初となる」

が出てきました。すぐに、

「初めての」

に直しましたが、この「初となる○○」という表現は(これまで私が気付かなかっただけで)、結構、蔓延しているのかもしれません。

 

(2010、9、26)

2010年9月27日 12:00 | コメント (0)

新・ことば事情

4158「蝶・葉・鰈」

 

ああ、何の本だったんだろう・・・忘れてしまいました・・・・

内容は、安西冬衛さんの有名な詩

「てふてふが一匹 韃靼海峡を越えていった」

を紹介して、はたして「蝶」が「海峡」を越えるなんて事があるのか?と疑問に思ったが、その後、屋久島・種子島から薩摩半島の間の海で、雲かと見まごうばかりの蝶の大群が海を渡っていく様子を見たという記述を読んだことが書いてあって、それを読んで「韃靼海峡」を渡る「蝶」の存在を信じるようになったというものでした。蝶は疲れると、海の水の上に浮いて、片方の羽根をヨットの帆のように立てて、休むのだそうです。本当かなあ!すごいなあ。

で、漢字表記「蝶」について。この「つくり」の部分は、

「薄い・ひらひら」

という意味があるんだそうです。蝶の羽根は、確かに薄いですからね。

なるほどそうすると、

「草」で薄いものが「葉」、

「魚」で薄いものが「鰈(カレイ)」

納得がいきました。『新潮日本語漢字字典』にも「薄くてひらひらしたもの」を指すと書いてありました。この部首を持つ漢字には、このほか、

「牒」「諜」「喋」「蹀」「渫」「鍱」「楪」「惵」「碟」「揲」「媟」

などがありました。「媟」以外、全部音読みに「チョウ」という読み方がありました「最後通」「報部員」「おり」「浚ぐらいかな、私が知ってたのは。「渫」は「セツ」という読み方の方が通りますね。

 

 

(2010、9、26)

2010年9月27日 10:37 | コメント (0)

新・ことば事情

4157「体調をこわして」

9月23日のお昼のニュース「NNNニュースダッシュ」名古屋の中京テレビから、岐阜県中津川市の自宅に火を付けて次女を殺害したとして逮捕された男が入院先から姿を消した事件で、男を中津川市内の公園で発見、身柄を5日ぶりに確保したというニュースを伝えていました。その中で、

「体調をこわして」

という表現が。あれ?と思いました。「体調」は「こわさない」ですよね。正しくは、

「体調を崩す」

です。「調子を崩す」ですから。「こわす」を使うのは、

「おなかをこわす」「からだをこわす」

でしょう。他の使い方だと、

「ゲームをこわす」

のように、「こわす」は、整備・治療・補修を必要とするケース。これに対して「(体調を)崩す」は、いったん休めば補修・治療までは必要としない状態でしょう。

「おなかをこわす」+「体調を崩す」の混交表現として、「体調をこわす」が出てきたのではないかと想像します。Google検索では(9月26日)、

「体調を崩す」 =19万7000件

「体調をくずす」= 8万1900件

「体調を壊す」 =13万3000件

「体調をこわす」= 3万5600件

「おなかをこわす」=6万7500件

「おなかを壊す」 =4万7700件

「おなかを崩す」 =     4件

「おなかをくずす」=0件

でした。思いのほか、「体調を壊す」「体調をこわす」という誤用は多く使われているようで、それに関して書かれたサイトもありました。逆に「おなかをくずす」はありませんでした。一方通行で間違いやすい表現のようですね。

(2010、9、26)

2010年9月26日 23:01 | コメント (0)

新・ことば事情

4156「植木やん」

クレージーキャッツの谷啓さん死去に関連して・・・。

「スッキリ!!」で9月13日に放送していた、植木等さんの告別式の時の「谷さんの弔辞」にかぶせた字幕スーパーに

「植木やん、谷だあ」

というものがありました。この、

「植木やん」

に関して、「おや?」と思いました「植木」に「やん」という敬称(のちょっと訛ったようなもの)が付くんだろうか?と疑問が。「おてもやん」のようです。何か腑に落ちないものを感じていたのです。

その日、家に帰ってから小林信彦さん日本テレビOBの井原高忠さんの著作を読んでいたら、その中に、「植木等さんの仲間内でのニックネーム」が、

「植木屋」

だったと書いてあるのを見つけたのです!

とすると、谷さんが弔辞で言った呼びかけは、

「『植木やん』ではなく、『植木屋』だったのではないか?」

ということです。

実は、クレージキャッツの全盛期は、私が物心がつく少し前だったので、当時の詳しい様子はリアルタイムでは知らないのですが、こうやって同時代の人の記述を読むことで分かることもあるという話でした。

 

(2010、9、26)

2010年9月26日 18:56 | コメント (0)

新・読書日記 2010_178

『日本の恐ろしい真実』(辛坊治郎、角川SSC新書:2010、9、25)

「真実」シリーズ第3弾、かな?すごいペースで本を書いています、シンボウさん。

これは、本人からもらう前に、地下鉄・淀屋橋の近くの本屋さんで見つけて購入。すぐに読みました。すぐに読めました。

前のお兄さんとの共著で30万部のベストセラーになった本よりも読みやすい、納得できる!そう思って感想をシンボウさんに伝えたら、

「引っかかりが少ないと、売れないんだよねえ・・・」

と言っていました。うーん、本末転倒では?

中に私のエピソードも2つ出てきます。名前は出てこないけど。シンボウさん本人は、

「え?あれは他のアナウンサーじゃなかったっけ?」

と勘違いをされていたようですが。間違いなく私のエピソードです。

ずいぶん「す・またん」で宣伝しているらしいです。でも、前回ほど話題にならないのは、本人が言うとおり、「ひっかかりが少ない」からなのかなあ・・・。

「ひっかかり」が少ないかどうかは、是非、ご自分で買って読んでみてください!以上、<<宣伝>>でした!


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(2010、9、12読了)

2010年9月26日 12:36 | コメント (1)

新・読書日記 2010_177

『そうか、もう君はいないのか』(城山三郎、新潮文庫:2010、8、1)

 

単行本は20081月、2年半前に出てる。出ているのは知っていたが、「単行本を買って読むのはなあ」と思っているうちに、文庫本が出た。すぐに買って読んだ。

うーん、あの城山三郎が、ここまであからさまに、自らの「恋愛」について語るとは。あまりに素朴で正直な記述に、こちらが戸惑いを覚えるほど。それは「あとがき」で娘さんも書いているが、本当にそんな感じだ。そのぐらい、連れ合いを亡くしたショックは大きく、また連れ合いを愛していた、慈しんでいたんだなあと思うと、感動すらする。

これは読むべき本ですね。

 


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(2010、8、28読了)

2010年9月25日 12:35 | コメント (0)

新・読書日記 2010_176

『最前線(フォワード)は蛮族たれ』(釜本邦茂、集英社新書:2010、8、22)

いやあ、釜本さんらしいタイトルと内容。

私などは釜本さんの現役時代を知っている世代だから(引退試合は取材に行った。ぎりぎり取材者として間に合った)、そのあたりを感じつつ読んだが、「知らない世代」が読むと、また感じ方が違うのでしょうね。

本書を読むと、天才の本能だけで進んできたように見える釜本さんだが、実はかなり緻密なことも考えていたことがわかる。また、方向性に関しては、天才の感性で大きく舵取りをする、細かいことよりも大きな方針をしっかり持つということの大切さについても語っている。それが、それがタイトルに現れているのでしょうね。「蛮族」ですからねえ・・・。

読む前に思っていたよりは、ずっといい本でした。

 


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(2010、9、17読了)

2010年9月24日 18:34 | コメント (0)

新・ことば事情

4155「多種多彩」

9月14日の民主党代表選での、菅さんの演説の内容で、

「民主党には"タシュタサイな"議員がいる」

というのがあったのですが、

「タシュタサイ」

という四字熟語は『広辞苑』には載っていません。パソコン(ワープロ)を変換すると、

「多種多彩」

と出てきますが。似たような四字熟語には、

「タシュタヨウ(多種多様)」「タシセイセイ(多士済々)」

というのはあります。これが「混用」されたのではないか?

菅さんはそう言ったので、「四字熟語」としてではなく、

「多種・多才」

という2語に分けて書くということにしたと、Kデスクから報告がありました。読売新聞OBのOさんにも確認をしてということでした。それで「結果OK」だと思いますが、念のため『広辞苑』よりも詳しい『精選版日本国語大辞典』で「タシュタヨウ」を引くと、なんと、

「多種多彩」

載っていました。意味は、

「物事の種類が多く、変化に富んでいること。美しいものが数多くあること。また、そのさま。多種多様」

とあり、用例としては、堀田善衛の『記念碑』(1955という作品から、

「戦争は<略>ますます多種多彩なタブーをつくり」

というものが挙げられていました。

とすると「多種多彩」で出しても「間違いではない」ということでしたね。どっちもOK。漢字表記も「多種多彩」ということで・・・。

 

(2010、9、21)

2010年9月24日 12:01 | コメント (0)

新・読書日記 2010_172

『死刑』(森達也、朝日出版社:2008、1、20)

 

先日、「刑場」が公開された。それで思い出して読む気になったのが本書。出てすぐに買ったけど2年以上「積んどく」になっていました。

著者は「死刑廃止」にくみする。その視点で「死刑」について、色々な人の話を聴き、「刑場」にも近づいた。(見られなかったけど)ノンフィクションだが、彼の書き方はフィクション、私小説のようなにおいが立ち上る。そこが魅力でもあり、ちょっと鼻に付くところでもあるのだが・・・。

本書によると、ドイツ生まれのユダヤ人で政治哲学者のハンナ・アーレントは、『人間の条件』(志水速雄訳、ちくま学芸文庫)で、

「『許し』の反対物どころか、むしろ『許し』の代替物となっているのが『罰』である。『許し』と『罰』は、干渉がなければ際限なく続くなにかを終わらせようとする点で共通しているからである。」

というふうに述べ、「処罰」と「復讐」を峻別したという。「報復」ではなく「処罰」。

 

それにつけても、「私の履歴書」の「広岡」と「川上、長嶋」。広岡は二人を許してないし、罰してるわけでもない。未来永劫、怒りの炎に包まれる阿修羅のごとく(?)。しかし、本人は中途半端に終わらせることを望んでいないのではないか。怒りを持ち続けることを、そうやって関係を持つことを望んでいるのではないか?と感じられる。

 

「死刑」の犯罪抑止力は、データによると認められないそうだが、私は中学時代に認めていた。これを読んで思い出した。あれは中学の時に行われたと「『退場なし』の球技大会」。校内の親善バスケットボール大会で、「退場はなし」というルールを、生徒会役員が作った。それに反対した私は、あえて退場に値するような反則を犯し、

「ほうら、『退場なし』なんてルールを作るから、対処できないじゃないか。俺を退場させてみろよ。こんな反社会的・ルール破りが出たときに統制がとれないじゃないか。なぜ『退場なし』なんて中途半端な偽善的なルールにしたのか!」

とあえて憎まれ役(偽悪的)を買って出たことがある。(誰にも頼まれていないが。)わたしの周囲には、なぜ(いつもは、きっちりルールを守り、それを周囲にも守らせようとする)私がそんなことをしたのか、わかった人はいなかったようだった。

「許し」は「永遠=精神的」だが、「罰」は「物理的=永久」に終わらせる?

大変難しい問題。

 


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(2010、9、12読了)

2010年9月23日 19:24 | コメント (0)

新・ことば事情

4154「日本を立て直す」

9月14日、民主党代表選の小沢一郎さんの演説内容を、右下のサイドスーパー(テロップ)で出したときに、

「日本を立て直す」

と出ました。一瞬、

「これは『建て直す』ではないか?」

と思いましたが、「建て直す」は「一から建てる」場合で、修理したりリカバリーする場合は「立て直す」で良い、ということなので、そのままにしました。

『新聞用語集2007年版』には、

*「立て直す」(一般用語)=(例)経営を立て直す、体勢を立て直す

*「建て直す」(建築用語)=(例)家を建て直す

と出ています。「国」の場合「建国」という言葉があるために、

「『建て直す』では?」

と思ってしまったのでしょう。

 

(2010、9、21)

2010年9月21日 22:37 | コメント (0)

新・読書日記 2010_170&171

『悪人(上)』(吉田修一、朝日文庫:2009、11、30第1刷・2010、8、20第7刷)2010、9、11読了。

ラストが泣ける。タイトルの意味は下巻の210ページあたりでようやくわかった。上巻が265ページ、下巻が275ページ、計540ページのうち475ページで。いま、裁判員制度や死刑制度ついて考えさせられることが多いので、この事件の裁判員だったら、どうだろうかとか、死刑に当てはまるのだろうかとか、いろいろ考えさせられる。冒頭のガールズトークは気分が悪い。こんな青春小説みたいなもん、読みたかない!と思った。ただ、後半の犯人と逃避行するヒロインの気持ちは唐突すぎる気がして、実は思い入れが薄い。主人公を軸に話を進めた方が僕は好き。いろんな人のインタビューによるモンタージュ的構成は、映像作品的なので、映画には向くだろう。CGもいらなさそうだし。上巻は7刷に対して下巻は4刷。これは何を示すかというと、上巻しか買わない人、つまり読み通せなかった人が全体の7分の3いる、ということだろう。なんだかなあ。

 

読み終わって一日たって「あっ!」と気付いた。

「これは心中物だ!」

と。つまり『曽根崎心中』の「道行き」ですよね。オーソドックスな物語だ。

そのほか、気に入った言葉は、会話の中に出てくる。おそらく作者の"心の言葉"を登場人物に話させているのだろう。

*眞子の発言。「餃子食べたいかも」(上・23ページ)=はっきりしない発言

*「佳乃は紗里の考えを鼻で笑った。紗里が卒業した短大ごときで、マスコミ、それもテレビ局などに就職できるわけがない。」(49ページ)=「ごとき」ですか・・・。

*「担架も入る大きめのエレベーターに乗り込むと、自分が下がっているのでなく、病棟全体が上がっていくような感覚に襲われる。」(172ページ)=たしかに。

*「夜になると波の音は高くなる。波の音は夜通し聞こえ、小さなベッドで眠る祐一のからだを浸していく。」(229ページ)=いい表現。

*「寂しさというのは、自分の話を誰かに聞いてもらいたいと切望する気持ちなのかもしれないと祐一は思う。」(231ページ)=そうかもしれない。

*塾講師42歳・独身男「最近の子供の名前っていうのはあれですね、なんていうか、ちょうど出会い系で女の子たちに偽名を聞かされとるような気がしますもんね。もっと言えば、本人と名前がひどくアンバランスで、授業の始めに出欠なんか取りよると、不憫に思うこともありますよ。ほら、性同一性障害なんてありますけど、今に氏名同一性障害なんて問題が起こるっちゃないでしょうかね。」(下・51ページ)=作者の考えかな。

*祐一のおじ「私はね、正直、祐一の母親ば許す気はないとですよ。未だにフェリー乗り場に置き去りにされた祐一が目に浮かんでしまう。私だけじゃなくて、婆さんも爺さんも、親戚中の人間がそうですよ。ただ、ほんとに不思議なもんで、当の祐一はその母親ば、もう許しとるとですもんねぇ。」(下・86ページ)=「許し」と何か!? 

*鶴田=増尾の友人。「俺、それまでは部屋にこもって映画ばっかり見取ったけん、人間が泣いたり、悲しんだり、怒ったり、憎しんだりする姿は、腐るほど見とっちゃけど、人の気持ちに匂いがしたのは、あのときが初めてでした。」(234ページ)=そうなんだ!

*『「あんた、大切な人はおるね?」佳男の質問に、ふと鶴田が足を止めて、首を傾げる。「その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい」佳男の説明に鶴田は黙って首を振り、 「...アイツにもおらんと思います」と呟く。 「おらん人間が多すぎるよ」ふとそんな言葉がこぼれた。』(245ページ)=これも作者の気持ちかな。

~登場人物のセリフに、作者の気持ちが。それぞれの登場人物が質問に答える形で一人しゃべりしている形式は、ミステリーによくある。芥川の『藪の中』みたい。

 

 


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(2010、9、11読了)

2010年9月16日 18:56 | コメント (0)

新・ことば事情

4153「ガチョ~ンの表記」

平成ことば事情4152「クレージーキャッツの表記」で書いたように、コメディアンで俳優、トロンボーン奏者でもある元クレージーキャッツの谷啓さんが亡くなりました

谷さんと言えば、その代表的なギャグに、

「ガチョーン」

があります。今日(9月13日)の「ミヤネ屋」の字幕スーパーをチェックしていたら、

「ガチョン」

と書かれていました。これではニュアンスが伝わらないので、

「ガチョ~ン」

に直して放送しました。

すると、放送後に、報道業務部のN部長が、

「『ガチョ~ン』の『~』は、『-』じゃダメなのか?そもそも『~』は文字?」

と聞いてきました。

「『~』を使った表記は、確かに正式なものではないですね。でも『ガチョ~ン』は、映像で見ると、ズームイン・ズームバックを繰り返して、何か揺れている感じを出すものなので、文字表記でも『ガチョーン』と直線的ではなく、『~』の曲線で余韻のようなものを出した『ガチョ~ン』方が、ふさわしい気がするんですよね。」

と答えると、「なるほど」と納得していました。

「ガチョーン」

だとちょっと固くて、イメージが違う感じがしませんか?

ネットでは(Google検索・9月13日)では、

「ガチョーン」=854000

「ガチョ~ン」= 42300

で、「ガチョーン」の圧勝でしたが。

 

(追記)

NHK教育テレビの朝9時から放送している、『ざわざわ森のがんこちゃん』という番組があるのですが、この番組冒頭のテーマソングを歌っているのが、誰あろう、谷啓さんでした。お亡くなりになっても、そのまま、曲がかかっています。死して歌声を残す・・・。合掌。

 

 

 

(2010、9、13)

2010年9月16日 12:50 | コメント (3)

新・ことば事情

4152「クレージーキャッツの表記」

9月11日、コメディアンで俳優、トロンボーン奏者でもある元クレージーキャッツの谷啓さんが亡くなりました。78歳でした。前日に自宅の階段で転倒し、頭部を強打したことによる「脳挫傷」とのことです。突然でしたので、驚きました・・・。

さて、9月13日の「ミヤネ屋」で、このニュースを取り上げることになったのですが、谷さんが所属していた、

「クレジーキャッツ」

の表記について、Mディレクターが質問してきました。

「これは『クレジー』ですか?それとも『クレジー』ですか?それと『キャッツ』の前に『中黒(・)』は入りますか?」

あー!全然気にしてなかった!

新聞を見てみると、9月12日の朝刊は、読売・朝日・毎日・産経・日経はすべて、

「クレジーキャッツ」

と、「-」で引っ張り、「・」は「なし」でした。M君には、

「日本テレビの表記に合わせたら?」

と言ったのですが、Mディレクターと、字幕スーパーのオペレーターH君が、

「それがぁ・・・」

と顔を見合わせます。というのも、

「きょう(913日)の日本テレビ『スッキリ!!』では『クレジーキャッツ』だったが、さっき放送していた『Don』では『クレジーキャッツ』だった」

と言うのです。しかも、Mディレクターによると、

「所属事務所のオフィシャル・サイトでは『クレジーキャッツ』だが、昔(1961年)出たレコード(「スーダラ節」)のジャケットには『クレジーキャッツ』と書いてある。」

というのです。うーん、困った。

つまり、こういうことですね。表記は、

(1)クレジーキャッツ

(2)クレジーキャッツ

(3)クレジーキャッツ

(4)クレジーキャッツ

4種類があると。

日本テレビに問い合わせるとともに、Mディレクターは所属事務所に電話で確認しました。

事務所から、

「クレジーキャッツ」<つまり(1)>

という回答をもらうのと、日本テレビからメールが来るのがほぼ同時でした。日本テレビからの回答には、

「新聞用語の原則からすると(1)で、日テレのニュースは、報道のテロップセンターに確認したところ、(1)を使っている。プロダクションのタレント名には(3)が使われている。従って、外来語の表記に従ったのが(1)、プロダクションのタレント名に従ったのが(3)」

そして、「ここからは想像だ」と断った上で、

「『スッキリ!!』はニュース素材をそのまま使い、『DON』は『タレント名鑑』を見てテロップを載せたのかも知れない」

とのことでした。

なお、最近売り出したと思われるDVDボックスでは、

「クレジーキャッツ」

になっています。当時は特に表記にはこだわらなかったのでしょうかね?どうなんでしょう?途中で表記が変わったのかなあ?「琴欧」→「琴欧になったように。また「曙」横綱になったら「点」が付いたように。

(2010、9、13)

(追記)

あ、そうだ、あの本があった!

と、家に帰って探したのは、「小林信彦」の本。本棚を探すと・・・ありました、「植木等」に関する記述の中に。ともに新潮文庫版ですが、昭和57年(1982年)に出た『日本の喜劇人』(単行本は昭和52年=1977年)。ここでは、

「第7章      クレージー王朝の治世」

という章立てになっていて、その中では、

「クレジーキャッツ」

という表記。上で言うと(2)です。

ところが、その10年後の平成8年(1996年)に出た、『喜劇人に花束を~「植木等と藤山寛美」増補改題』(単行本は平成4年=1992年)「第一部 植木等」では、

「クレジーキャッツ」

となっています。上で言うと(4)です。

ただ、この本の中で出てくる「クレイジー」が出演した映画のタイトルは、

「クレジーの花嫁と七人の仲間」(1962

「クレジー作戦・先手必勝」(1963

「クレジー作戦・くたばれ!無責任」(1963

「香港クレジー作戦」(1963

「クレージ大作戦」(1966

「クレージだよ・天下無敵」(1966

「クレージだよ・奇想天外」(1966

「クレージの怪盗ジバコ」(1967

「クレージ・黄金作戦」(1967

「クレージ・メキシコ大作戦」(1968

「クレジー」の形です。

1960にはラジオで、

『クレジー・ジョッキー』

という番組もやっていたそうです。また、196061年ごろにはフジテレビで、

『クレジーキャッツ・ショー』(すぐに『週刊クレジー』に改称)

という番組もあったそうです。

『喜劇人に花束を』の2324ページにはこういう記述もあります。「クレジーキャッツ」はスタート時のバンド名は「キューバン・キャッツ」だったと。そして、

「<キューバン・キャツ>がいつ<クレジーキャッツ>に改名したかは当事者たちにも定かではない。ただ、一九五七年六月十八日から新宿コマ劇場で行われたショウ『ジャズは廻(まわ)る』には、<ハナ肇とクレジーキャッツ>の名が明記されている。同年三月から六月の間に改名され、テーマ曲が変わったと考えるのが自然だろう。一九五七年九月にそろったメンバーが、のちに広く知られる六人なのだが、念のために記しておく。

ドラムス   ハナ肇

ギター    植木等

トロンボーン 谷啓

ベース    犬塚弘

サックス   安田伸

ピアノ    石橋暎太郎』

また、同じく小林信彦の『コラムは笑う~エンタテインメント評判記198388』(筑摩書房)236ページに。1986年」に書かれた、

「76    ビデオ『クレジーキャッツDeluxe』の構成」

では、東宝ビデオから出たこのビデオの固有名詞が、

「クレジーキャッツ」

それにあわせてか、小林さんの地の文でも同じく、

「クレジーキャッツ」

を使っていました。うーん、意識して使い分けしているかどうか、これでは分からないです・・・。

時期によって違うのか?それとも「映画俳優」としては「クレージー・キャッツ」で、音楽活動は「クレイジー・キャッツ」なのか?いずれにしても小林信彦さんの記述では「・(中黒)」が入っています。

(2010、9、14)

(追記2)

ytvの図書室に行ってみました。久しぶり。報道局に来てから、なかなか時間が無くて行けなかったのですが。もちろん「クレイジー問題」を調べるためです。

図書室自体は小さいですが、テレビ局の図書室だけあって、放送関係の本は結構あります。で、いくつか見つけました。

*『日本映画戦後黄金時代・第17巻、東宝の主役』(1978110・戦後日本映画研究会編集)では、

「クレジーキャッツ」

     『映画史上ベスト200シリーズ・日本映画200』キネマ旬報社、1982530の中の「昭和37年「ニッポン無責任時代」東宝作品」の紹介文で、西脇英夫氏が、

「クレジーキャッツ」

そして、

     『テレビの黄金時代」(小林信彦責任編集、キネマ旬報別冊、1983510では、

「クレジーキャッツ」

そして、その中で紹介されている「フジテレビの番組名」(1964年)は、

『7時半だよクレジー』

また、1958616日に新宿のジャズ喫茶ACB(アシベ)での記念撮影された写真で、アシベから送られたペナントのようなものには、

「ハナ肇とクレジーキャッツ後援会」

の文字が。

映画「クレジーのぶちゃむくれ大発見」というのも。

 

そして決定的なのは、「フロントページ」(はしがき)に編者(小林信彦)として、

「過去の資料の中の表記(たとえば、クレ"イ"ジー"・"キャッツ等)は、あえて初出のままにした。混沌とした五、六○年代の熱気を感じとっていただければ幸いだ。」 

この「イ」と「・」に傍点がありました。

また、日本テレビの社史『テレビ夢50年』(2004年に出た50年史)の中にも、

「クレジーキャッツ」

とありました。

つまり、1950から60年代は「混沌」としていて「表記も統一されていなかった」のが、徐々に「クレジーキャッツ」に統一されてきたということのようです。

 

(2010、9、14)

2010年9月15日 21:50 | コメント (0)

新・ことば事情

4151「私には夢があります」

 

9月14日、民主党代表選挙菅さんが再選を果たしました。全体では、菅さんが721ポイント、小沢さんが491ポイントと、思っていた以上の大差となりましたが、党員・サポーター票では300ポイント中、菅さんが249ポイント、小沢さんは51ポイントと大差が付き、これが全体を左右したように思います。菅さんの人気というよりも、「反小沢」が党員・サポーターの中に多かったということではないでしょうか?もちろん、「有利」と言われていた「国会議員票」で小沢さんが勝てなかった(菅さん412ポイント、小沢さん400ポイント)ことも小沢さんの敗因だとは思いますが。「無効」となった国会議員票(3人=6ポイント)には、何と書かれていたのか、また411人いる国会議員の投票総数が409だったことで「後の2人」は、どうしたのか?も気になりますが。

それはさておき、小沢・菅両氏の投票前の「演説」、小沢さんのこんな言葉が気になりました。

「私には夢があります」

・・・たぶん多くの人は、この言葉の後に、こう続くと思ったのではないでしょうか。

 

「希望があります。そして、持病があります」

 

そのぐらい、あのコマーシャル、インパクトがあるというか、頭に残るというか・・・。

我が家の5歳半の娘もよく歌っています。

「ボクにはー、ユメーがある、キボウがある、そしてー、ジビョウがある~」

「ジビョウ」の意味はもちろんわかっていないと思いますが、あんな明るいメロディーに乗せて歌われたら、

「ジビョウって、いいものかも・・・」

と思ってしまうかもしれません。

演説では、菅さんが「民主党には多種・多才(多種多彩)な人がいます」として、

「知事、市町村長、医師、弁護士、気象予報士・・・」

など"くどいぐらいに"民主党議員のいろいろな前職を、時間を使っていっていましたが、あれはすなわちそれらの前職を持つ「菅支持を事前に表明した議員たち」に向かって、

「お前たち、わかってるだろうな、この期に及んで寝返るなよ!」

という「念押し」だと私は見たのですが・・・。『元クラリオンガールもいます』とは言いませんでしたが。

演説の印象は「論理の小沢、情の菅」という感じで、演説時間は、小沢さんは与えられた時間(15分)をわずかに上回る「1520秒」、逆に菅さんは少し短い「1420秒」でした。(手元の時計で。)                         

(2010、9、14)

2010年9月14日 19:25 | コメント (0)

新・読書日記 2010_169

『スティーブ・ジョブズ名語録~人生に革命を起こす96の言葉』(桑原晃弥、PHP文庫:2010、8、18第1版・2010、9、2第2版)

コンビニで雑誌と一緒に購入。結構こういった文庫本は、コンビにでも売れていると聞くが、確かに時々買う。キオスクで買うような感じかなあ。雑誌感覚。

見開きで、スティーブ・ジョブズの言葉の抜粋(ひとこと)が右ページに、左ページにはその言葉の背景や状況が簡潔にまとめられていて、それが「96」あるという構成。新幹線や電車の中で読むのにはちょうどいいなあ。上手いこと考えています、PHP文庫。

ジョブズ、すごい人だけど、近くに居たら、一緒に仕事したいと思うかどうかは・・・微妙ですねえ。周囲の人の評価も両極端に分かれるみたいですけど。ま、声掛けてもらえないから関係ないけど。

ただ、以前ある大学の学生に「言葉の話」と「勉強(知識の習得)に関する話」をしたときに、

「知識の『点』が増えることで『線』になり、『線』はやがて『面』になり、違う次元に発展する」

と話したところ、

「スティーブ・ジョブズも同じことを言っていました!(と本に書いてありました)」

と言われたことがあって、ジョブズの言葉を知らなかった私は、

「へえー、スティーブ・ジョブズも同じことを考えていたのか。フッフッフ」

と思ったことがありました。

そのことを、妻と中1の息子に話したら、

「そんなん、誰でも考えてるんと違う?特に珍しい話とちゃうで」

と一蹴されました。

 

 


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(2010、9、6読了)

2010年9月13日 16:37 | コメント (0)

新・ことば事情

4150「松屋のアクセント」

9月9日の「情報ライブミヤネ屋」「銀座三越」のリニューアルの話題を取り上げました。その際に同じ銀座のライバル百貨店である、

「松屋」

も出てきたのですが、この読み方のアクセントを、女性ナレーターが、

「マ/ツ\ヤ」(中高アクセント)

と読んだところ、関東の視聴者の方々から日本テレビに、

「『マ/ツ\ヤ』では牛丼屋です。デパートのアクセントは『マ/ツヤ』です!」

という電話がたくさん入ったのだそうです。

関西には百貨店の「松屋」はない(東京の銀座店と浅草店のみ)ので、それほどアクセントは気にならないのかもしれませんが、地元の方はそれだけアクセントにも敏感だということでしょうか?

ただ、関東出身の人でもこのデパートを、

「マ/ツ\ヤ」

「中高アクセント」で言う人もいるようなので、一概にこのアクセントを「間違い!」と決め付けることはできないとは思うのですが・・・。

一体デパートの「松屋」の本当のアクセントは、どうなんでしょうか?

これはやはり「松屋」に聞くしかない!ということで、「松屋 銀座」に電話してみました。

広報の方に電話でお話を伺うと、

「『マ/ツヤ』。平板で言いますね。『銀座』が付いても付かなくても、平たく言います」

とのことでした。

念のため牛丼の方の「松屋フーズ」にも聞きました。

「『マ/ツ\ヤ』。真ん中が上がりますね。」

「正式には真ん中が高い、と?」

「正式に・・・かどうかはわかりませんが・・社内では『マ/ツ\ヤ』と言っていますが」

「デパートの『松屋』とは、違うわけですね?」

「ええ。でも、よく間違われることがあって・・・NHKさんに間違われたこともあります」

という話でした。間違うのはたぶん「アクセント」ではなく「百貨店と牛丼屋さん」を間違うのだと思いましたが。

今後デパートは「マ/ツヤ」と読むように致しましょう。

 

 

(追記)

9月11日のNHKラジオ第一放送の午後4時のニュースで、黒沢アナウンサー「銀座三越(三越銀座店)」リニューアルのニュースの中で、百貨店の「松屋」を、

「マ/ツヤ」

「平板アクセント」で読んでいました。

 

 

 

(2010、9、10)

2010年9月13日 10:15 | コメント (0)

新・ことば事情

4149「来街」

9月11日にリニューアルオープンする「銀座三越」の特集を、9月9日の「情報ライブミヤネ屋」で放送しました。その際に、銀座三越の店長さんにインタビューに答えてもらいました。その発言の中にこんな言葉が。

「ライガイされるお客様」

この「ライガイ」というのはおそらく漢字で書くと、

「来街」

なのでしょうね。意味は分かりますが、国語辞典に載っていません。

これは聞き慣れない言葉なので、店長の発言をフォローする字幕スーパーでは「来街」は使わず、

「銀座に来られるお客様」

にしました。

Google検索では(日本語のページ、9月9日)、

「来街」=4万3100件

でした。意外と使われているのですね。

「来街回数」「来街頻度」

という言葉のほか、

「来街者調査」「来街者アンケート」「来街者へのサービス向上」「来街者増加」「来街者実態調査」

といった「来街者という言葉もよく使われているようです。

市場調査やマーケティングの世界の「業界用語」と見ました。

「ライガイ」ですが、その実体は「ガイライ(外来)」ですね。

 

 

 

(追記)

三浦展『東京は郊外から消えていく!~首都圏高齢化・未婚化・空き家地図』光文社新書:2012820という本を読んでいたら、

「来街者」

という言葉が出てきました。三浦さんはマーケティング分析の専門家。やはり「来街」という用語は、マーケティング用語のようです。

(2012、8、31)

 

(2010、9、9)

2010年9月12日 12:54 | コメント (0)

新・ことば事情

4148「ベタホメか?ベタボメか? 2」

平成ことば事情3361「ベタホメか?ベタボメか?」で書きましたが、私は今でも、

×「ベタボメ」→○「ベタホメ」

という風に「ホメ」は濁らないと感じています。

しかし、けさ(201099日)の朝日新聞朝刊の記事で、伊東和貴記者は、

「原口氏は(中略)小沢氏をべたぼめした。」

「濁るベタボメ」を使っていました。

「うーん、これ、濁らない方がいいんじゃないかなあ」

と独り言を言うと、「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」コーナー担当のディレクターIさんが、

「私は、濁る『ベタボメ』ですねえ。」

というので、理由を聞いてみると、

「そもそも『ベタボメ』は、スッキリとはほめてない感じですねえ。ほめるのは本心ではない感じなので、濁った方がその感じが出ているように思いまして・・・・」

ホホウ、なるほど。確かに単なる「ホメ」に「ベタ」が付くと(素直に全面的にほめている場合もありますが)、「ベタ」には、

「必要以上に、過剰に」

というニュアンスもあるので、「ベタホメ」状態を、

「やや批判的に見て表現している」

ときもある。それならば、濁って「ベタボメ」の方が、ニュアンスが伝わるのかもしれないな、と初めて思いました。

(2010、9、9)

2010年9月11日 19:36 | コメント (2)

新・ことば事情

4147「ブラウン管から消えた」

 

今年の5月、北野武監督(ビートたけしさん)が「ミヤネ屋」に出演してくれた時、たけしさんの半生を振り返るパネルを紹介しました。その中に、例の「フライデー襲撃事件」のあと、たけしさんが、

「ブラウン管から消えた」

という表現がありました。これは、

「テレビに出なくなった」

という意味ですね。当然、当時はほとんど全てのテレビは「ブラウン管」を使ったテレビだった時代ですから、それでよかったのですが、現在は、

「薄型平面テレビ」

が主流です。(もう、ずいぶん前から、日本国内でブラウン管テレビは作ってないんですよね)テレビに「ブラウン管」は使われていません。「液晶画面」とかになっています。そうすると、こういった状況もいまなら、なんと言うのでしょうか?

「液晶から消えた」

でしょうか?でも「プラズマテレビ」だと使いにくい。その場合は、

「テレビから消えた」

「画面から消えた」

でしょうかね。これなら、テレビが液晶でなくても使えます。ブラウン管でも使えます。LED液晶テレビ」

が、もし主流になっても

「LEDから消えた」

などと言わなくてすみます。「3Dテレビ」に出なくなると、

「3D(3次元)から消えた」

と・・・言わないわなあ。

(2010、9、9)

2010年9月10日 18:36 | コメント (0)

新・ことば事情

4146「『ねぶた』と『ねぷた』」

「青森では『ねぶた』と濁音、弘前では『ねぷた』と半濁音」

ということを知ってから10年以上

「なぜ違うんだろう?」

と、ことあるごとに考えていました。

先日ひらめきました!数年前にもひらめいたような気がするけど。

こういう考えです。

「ねぶた」「ねぷた」の山車を担ぐ人を、

「はねびと」(「はねと」)

と呼びます。この「はねびと」の「と」が訛って「た」(0aの音韻転化)になり

「はねびた」「はねぴた」

そして最初の「は」が脱落して、

「ねびた・ねぴた」

さらに「び」「ぴ」が「ぶ」「び」に訛ってuiへの音韻転化して)、

「ねぶた」「ねぷた」

となったのでは?

「はねぴと」の「ぴ」は「何人(なんびと・なんぴと)たりとも」の「ぴ」と「び」の関係にも通じるのでは?

また、「ねぷた」という半濁音は、「アイヌの言葉」が由来ではないだろうか?とも考えました。

 

そして今日、古いスクラップを整理していたら、2008年8月13日の日経夕刊のコラム「あすへの話題」作家の長部日出雄さんが書いた、「『ネプタ』考」というのが出てきました。それによると、長部さんが旧制弘前高校時代に国語を学んだ鳴海助一先生が独力で完成させたという、方言辞典にして百科辞典『津軽のことば』(正続20巻)で「ネプタ」を引くと、青森と弘前は、それぞれの土地での呼び名の違いを、お互いに一歩も譲らない「ジョッパリ(強情っぱり)」気質だと紹介。さらに、祭事の源流について、

「真夏の日中に襲ってくる睡魔を追い払うためネムノキの枝を水に流す・・・全国各地の『ネムリナガシ』に通じていて、そのネムノキを、土地によってネブタノキ、またはネプタノキと呼んだ。したがってどちらが正しいというものではないので、もし聞かれたら『この土地では「ネプタ」と呼んでいます』と答えて、それで済む話ではなかろうか・・・。」

と説明しているそうです。「ネムノキ」が「ネブタノキ」「ネプタノキ」かあ。確かに「ねむい」「ねむたい」ことを大阪でも、

「ねぶい」「ねぶたい」

濁って言ったりします。でも半濁音で、

「ねぷい」「ねぷたい」

とは言わないので、100%納得という気はしません。やっぱり「アイヌ語起源」じゃあないかなあ。なんて考えている間に、今年も「ねぶた(ねぷた)祭」、終わってしまいました。

あ、そうだ。こないだ放送していたア・カペラで歌うコンクール番組「ハモネプ」(他局ですが)の「ネプ」は、司会のお笑いトリオ(?)「ネプチューン」の「ネプ」でしょうから、関係ないな。「ねぷた」の「ねぷ」が、「海の神・ネプチューン」と関係が・・・あるわけないな。

 

(2010、9、8)

2010年9月10日 13:30 | コメント (2)

新・読書日記 2010_168

『あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの』(菅伸子、幻冬舎新書:2010、7、20第1刷・2010、7、31第3刷)

いやあ、「何かケンカ売ってんのかっ!」というようなタイトルですが、それは総理の身内、奥さんだから言える言葉なんでしょう。(こんなタイトル付けるなんて)幻冬舎だなあ・・・と思ったのですが、でも、この言葉はふだんから伸子さんが菅総理に向かって言っている言葉なんだそうです。小沢さんが言ったら間違いなくケンカになります。

民主党の代表戦を控えたこの時期だから「読もうかな」と思って。本が出てすぐは、特に読む気もなかったのですが。

でも、読んどいてよかった。読み終わった次の日の「ミヤネ屋」で、菅総理の政治家人生振り返るVTRのスーパーチェックをしていたときに、

「初当選は34歳の時」

と出てきて、

「あれ?そうだっけ?たしか初当選は『33歳の時』って書いてあったような・・・」

と思ってチェック、調べ直したら、やはり、

「初当選は33歳の時」

でした。この本にも、そう伸子さんが書いてあったし、菅さんの誕生日は1946(昭和21)年1010日、初当選した衆議院選挙は(大平さんが倒れて"弔い合戦"になった)1980622日。ということで、まだ34歳の誕生日を迎えておらず、33歳でした。

あの頃私は大学1年で、杉並区のアンケート調査の短期アルバイトをしていて、汗だくになりながら歩き回り、よく選挙カーと出会ったのを覚えています。その時に、菅さんの国会議員生活が始まったんですね。結構、長いな。

 

 


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(2010、8、31読了)

2010年9月10日 12:30 | コメント (0)

新・ことば事情

4145「霍乱」

夏井なつきさんの『絶滅寸前季語辞典』(ちくま文庫)という本を読んでいたら、

「霍乱」

という言葉が出てきました。「かくらん」と読みます。

「鬼の霍乱」

という言葉で知っていますが、何かの病気のことですよね。「暑気あたり」だっけ?あるいは「風邪」?

これが何を指すかが辞書によって(時代によって)違うのだそうです。

「日射病」「急性胃腸カタル」「コレラ」「チフス」

などが挙げられているとのことですが、これらの病気(だじゃれではありません)、全然違う病気でよね。「霍乱」が指す本当の病名は何なのでしょうか?

私も調べることに致しましょう。

*『広辞苑』=暑気あたりの病。普通、日射病を指すが、古くは吐瀉(としゃ)病も含めて用いた。<季語・夏>鬼の霍乱

*『明鏡国語辞典』=漢方で日射病。また、激しい吐き気や下痢を起す急性病。

*『精選版日本国語大辞典』=(「きかくりょうらん(揮霍撩乱)」の略。もがいて手を激しく振り回す意から)暑気あたりによっておきる諸病の総称。現在では普通、日射病をさすが、古くは多く、吐いたり下したりする症状のものをいう。今日の急性腸カタルなどの類をいったか。<季語・夏>

*『デジタル大辞泉』=漢方で、日射病をさした語。また、夏に起きやすい激しい吐き気・下痢などを伴う急性の病気をいった。(用例)蘆花・『不如帰』「霍乱と云いける虎列刺(これら)に斃(たお)れ」

*『三省堂国語辞典』=暑さにあたって、はいたりくだしたりする急性の病気。暑気あたり。

*『新明解国語辞典』=「日射病・急性腸語るなど、夏起しやすい急性の症状」の意の老人語。

*『新潮現代国語辞典』=漢方で、日射病。又は夏に激しい吐き気・下痢を起す急性の病気。

うーん、似たり寄ったりの記述ですが、一番納得するのは、『広辞苑』と『精選版日本国語大辞典』の説明でしょうか。あと、『新明解』では、「老人語」にされています。確かに若者は使わないだろうけれども。

 

(2010、9、8)

2010年9月10日 10:10 | コメント (0)

新・読書日記 2010_167

『大問題'10』(漫画・いしいひさいち、文・峯正澄、創元ライブラリ:2010、8、27)

 

毎年出ているので、つい買ってしまいます。また漫画ですが。文、あんまり読まなかったなあ、今回は。ごめんなさい。

アソウさんが扇子持って踊っている様子に、

「踊るアソウに、見るアソウ」

というのは笑ったなあ。一発芸ですか。また、アソウさんの失言防止のために、「電光掲示板」に演説の原稿を出すことにしたところ、「別の電光掲示板」に出たニュース速報の文字をそのまま読んでしまって、

「3日に1回、あぶりをやりました!」

ありえないけど、ムチャでおかしい。

笑いの対象は日本国内だけではない。アメリカのクリントン国務長官が大統領に向かって、

「オサマ大統領」

と言うと、すかさず大統領が、

「オバマですってば」

ありえない。ホワイトハウスが「NGK(なんばグランド花月)」になってしまってる。だからおかしい。

中でも、舛添大臣(あ、カタカナじゃなく実名だ)が、某国のポトロココ大統領と対談して言われた「日本の長寿が素晴しい」との賛辞に対して、舛添大臣が、

「大統領、それは高齢者が亡くならないからです」「つまり高齢者が生きているからです」

「互助社会の扶助が崩壊した日本の貧困は老人の年金に頼らざるを得ず、死亡届が出てこないのです、莫大に」

と答える4コママンガは(ネタばらしでごめんなさい)、先月の事件を予言しているかのようで、改めて、いしいひさいち氏の「時代を見抜き、笑い飛ばす眼の確かさ」を思った。

 

 


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(2010、8、26読了)

2010年9月 9日 21:25 | コメント (0)

新・読書日記

4144「MC」

編成部のスタッフからメールが来ました。

「今日の質問は『MC』です。私のイメージとしては、いわゆる業界用語、放送局内で使用するもので、本来『司会』と言うべきでは?と思っていましたが、最近は番組内でも『MC』と自己紹介するシーンがあったり、テレビ誌の番組紹介コーナーで『MCの誰々が~』と掲載されていたりします。もう既に誰でも理解できる"一般的な言葉"になってきているのでしょうか?」

さっそく返事のメールをしました。

「お尋ねの件『MC』ですが、『読売テレビ放送用語ガイドライン』(第1版=20015月発行)の巻末に載っている、伊藤憲浩氏作成による『知ってるつもりの放送業界用語集』によると、

MC』=①Master of Ceremonyの略。式典の進行をする司会者の意味で、放送局ではあまりつかわれない用語だが、現場では番組やニュースのキャスターなど全体を総称していうことが多い。

Main Caster の略、番組のメインの司会者のこと。結果的には同じようない実で使われている。

となっています。アナウンサーをしていると『MC』はよく耳にしますね。最初聞いたときは「マイク」の略(どんな略なんだ?)と思いましたが。

嵐の櫻井君主演でテレビ局を舞台にした去年の日テレのドラマ『クイズショウ』でも櫻井君が、役名として『MC○○』と自称していましたね。」

と答えました。

まだ「一般的ではない」「業界用語として、一般にも認識されつつある」といった感じではないでしょうか?「DJ」ほどの知名度はないと思いますよ。

以上、MCは道浦でした!

 


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(2010、9、6)

2010年9月 9日 18:05 | コメント (1)

新・読書日記 2010_166

『野球へのラブレター』(長嶋茂雄、文春新書:2010、8、20)

本当にそうだなあ。タイトルどおり、長嶋さんの思いのこもった一冊だと思いますよ、ええ、ええ。

日経新聞の「私の履歴書」で、広岡さんの「長嶋さんのホームスチールへの怒り」が、半世紀近く経っても衰えないのを知って、「すごいな・・・」と思ったけど、この本の中に出てくる長嶋さんより先輩の人たちに対して長嶋さんは大概は、

「さん付け」

なのに、「広岡さん」だけは、

「広岡先輩」(金田さんもそうだったかな)

と「さん付け」ではないあたりに、ちょっとお互いのしこりのようなものを感じましたが・・・。

「天然」のように思われた長嶋さんの色々な行為が、実は長嶋さんとしては「計算づく」であったということもわかって、「そうだったのか!」と納得のいく一冊です。

 


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(2010、8、22読了)

2010年9月 9日 14:21 | コメント (0)

新・読書日記 2010_165

『悪魔くん(全)』(水木しげる、ちくま文庫:1991、7、24第1刷・2010、7、30第14刷)

なんだか暑いと漫画を読みたくなるのと、「ゲゲゲ」のドラマの影響で水木しげるブームで本屋さんの店頭にちくま文庫の水木しげるがどっさり。つい手に取る→買う→読む、とまあこういうことで、「悪魔くん」なんか懐かしく読んでしまいました。実写版のドラマもあったなあ。この作品で「メフィストフェレス」なんて名前を覚えました。

小学校で先生が、

「○○君、給食費が未納になってるが」

とみんなの前で言うシーンとか、

「プレイボーイがドライブに来ていた」

「湖の別荘をタダで貸してくれるというから、みんなで行って『レジャーを楽しもう』じゃないか」

「天の岩戸付近に原爆を落とす計画を進めています」

なんてシーンの言葉遣いも「時代だな」と思いました。また、

「そもそも地上を人間だけで支配しようというのがあやまりなのだ」

というセリフや、怪獣退治に自衛隊が出動するけども、あえなくやられてしまうところも、水木しげるの思想が出ているなと感じました。

 


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(2010、8、26読了)

2010年9月 9日 10:20 | コメント (0)

新・ことば事情

4143「バタフライちょうちょ」

 

実は「歌」の話なんですが・・・。

木村カエラさんの「バタフライ」。

去年の紅白で歌ってまたブレークした感じがありますが、結婚の話題で余計にそういう感が強くなりまして・・・・先日ハタとあることを思いつきました。

 

「『バタフライ』のメロディーに乗せて、童謡『ちょうちょ』の歌詞を歌うと、意外にもぴったり!」

 

♪ちょうちょちょうちょ、菜の葉にとまれ、

菜の葉に飽いたら 桜にとまれ、

桜の花の、花から花へ、

遊べよとまれ、遊べ。♪

 

どうですか?合うでしょ?

これ、「うさぎとかめ」でも合うんです。

最後の「どうしてそんなにのろいのか」の部分が、ちょっと苦しいですが。

これは何を意味しているか?

つまり、意外にも木村カエラさんの曲の歌詞は、

「七五調である」

ということなんですね。伝統的な「詩」の調子であるということだと思います。

意外だなあ。

(2010、9、6)

2010年9月 8日 23:27 | コメント (0)

新・ことば事情

4142「をも」

「ミヤネ屋」スタッフのF君から質問を受けました。

「党分裂の危機をもはらんだ民主党代表戦」

なのか、

「党分裂の危機はらんだ民主党代表戦」

なのか、というのです。私はこれに、

「党分裂の危機はらんだ民主党代表戦」

を加えました。この「を」がベースでしょう。

そしてこの3つについて考えました。

「も」だと、「並列」「ほかの危機と同列」「党分裂」に言及している感じ。

「を」だと、正に「危機」として挙げられているのは「党分裂の危機」だけ。

「をも」だと、他にいろいろある危機の上位概念として、「より大きな危機」としての「党分裂」というイメージがあります。

この場合は「をも」じゃないかなあと答えました。

 

(2010、8、31)

2010年9月 8日 18:26 | コメント (0)

新・ことば事情

4141「山本モナさん『入籍』」

(メモだけ書いておいたら、あっという間に3週間も経ってしまいましたが・・・)

8月17日の新聞各紙に出た「おめでた」の記事。元朝日放送のアナウンサーでフリーアナウンサー(タレント)の山本モナさんが結婚したという記事。

こういった記事で、スポーツ新聞は、ほとんど場合、

「入籍」

を使うのですが、一般紙(全国紙)は最近はあまり使いません。今回はどうかと言うと、

 

(見出し)     :  (本文)

<朝日>山本モナさん結婚:婚姻届を出したと、所属事務所を通して発表した。

<産経>山本モナさんが入籍;入籍したと所属事務所が同日、発表した。

<日経>山本モナさんが婚姻届;婚姻届を出したと、所属事務所が同日、発表した。

<読売>山本モナさん結婚;結婚したことがわかった。所属事務所が発表した。

<毎日>山本モナさんが婚姻届;婚姻届を出したと、所属事務所が同日、発表した。

 

ということで、「入籍」を使っていたのは、一般紙では産経新聞だけ。あとは、

「結婚」「婚姻届」

を見出しでも使っていました。スポーツ紙ではデイリースポーツが「入籍」を。そしてなんと言っても。

「山本モナさん本人のファクス」

の中で「入籍」を使っていました。実はタレントさんが使いたがるんですよね、「入籍」という言葉を。

(2010、9、6)

2010年9月 8日 13:25 | コメント (3)

新・ことば事情

4140「秋めくの『めく』」

 

2008に書き始めました。当時の番号は「平成ことば事情3429」>

87日は「立秋」暦の上では「秋」です。「ミヤネ屋」でお天気キャスターの小谷さんが、

「これからは『秋めく』といいます」

と言っていたのですが、その、

「めく」

が気になりました。

 

<ここから201095に引き続き書きます>

2年前(おととし)はもう87日から「秋めいて」いたのかあ・・・1か月経った9月になっても、今年は全然「秋」めかないぞ!

で、「めく」です。

「秋めく」「秋らしくなる」「秋っぽくなる」という意味ですよね。(途中で書くのを中断したのは「飽きぽくなったから」ではありません)

「めく」の付く言葉『逆引き広辞苑』で探してみましょう。(「わめく」のような動詞の語尾の「めく」は、一部除外しました)

「秋めく」「婀娜(あだ)めく」「あわてふためく」「いそめく」「田舎めく」「今更めく」「今めく」「苛(いら)めく」「炒りめく」「色めく」「蠢(うごめ・おごめ)く」「御方めく」「痴(おこ)めく」「おぼめく」「親めく」「かからめく」「かっかちめく」「才(かど)めく」「枯(か)らめく」「唐(から)めく」「儀式めく」「気色(きそく)めく」「煌(きら)めく」「くつめく」「眩(くる)めく」「ごじめく」「こせめく」「こそめく」「ごそめく」「殊更めく」「古文めく」「ごほめく」「子めく」「ささめく」「さざめく」「さばめく」「ざやめく」「さらめく」「ざらめく」「騒(ざわ)めく」「さんざめく」「さんざらめく」「じじめく」「時代めく」「じだめく」「品めく」「上衆(じょうず・ぞうず)めく」「じょなめく」「すためく」「すめく」「ずらめく」「そそめく」「そよめく」「空めく」「ぞろめく」「だくめく」「たじめく」「たらめく」「ちこめく」「ちらめく」「ちろめく」「通(つう)めく」「囁(つつ)めく」「呟(つぶ)めく」「艶(つや)めく」「ときめく」「時めく」「どしめく」「とちめく」「轟(とどめ)く」「轟(とどろ)めく」「どぶめく」「どめく」「響動(どよ)めく」「取り煌(きらめ)く」「蕩(とろ)めく」「謎めく」「夏めく」「艶(なま)めく」「にとめく」「ののめく」「のらめく」「はためく」「花めく」「幅めく」「はらめく」「春めく」「ひさめく」「犇(ひしめ)く」「密(ひそ)めく」「人めく」「ひひめく」「ひょろめく」「ひろめく」「ぶきめく」「ふためく」「ぶめく」「冬めく」「ふらめく」「ぶらめく」「古めく」「ほとめく」「ほのめく」「轟(ほめ)く」「熱(ほめ)く」「惑いふためく」「昔めく」「蠢(むくめ)く」「むずめく」「目眩(めくる)めく」「揺(ゆぶ)めく」「揺らめく」「由(よし)めく」「蹌踉(よろ)めく」「ろりめく」「態(わざ)とめく」「笑いさざめく」「わわめく」

 

いやあ、「めく」、多いですねえ!!こんなにあるとは!季節は「春夏秋冬+めく」が勢ぞろいですね。

「名詞+めく」以外に目立ったのは「擬音語+めく」「擬態語+めく」でした。

「胸がドキドキすること」を、

「だくめく」

だなんて、全然知りませんでした。初めて知りました。「ときめく」は知ってたけど、あれも胸が「トキントキン」するところからのようですね、こうなると。擬音語かあ。

また、「ろりめく」は、「ロリコン」とは全く関係なく、意味は、

「恐怖・心配などのために落ち着かず、興奮する」

だそうで、17世紀初頭(1603年)にポルトガル人によって編まれた『日葡辞書』に載っているそうです。それにしても、なんでも「めく」をつければ、日本語としてありそうな感じになってきましたねえ。あ、ズバリ「めく」があった!

「めく」(接尾)=「体言・副詞などに付いて、五段活用の動詞を造る。特にそう見える。そういう感じがはっきりする。」

ということですね。

(2010、9、5)

2010年9月 8日 09:51 | コメント (0)

新・ことば事情

4139「双頭の鷲」

 

『国マニア』(吉田一郎、ちくま文庫:2010710という本を読んでいたら、

「双頭の鷲の紋章は、東ローマ帝国の紋章」

であるという一文が出てきました。これを読んで「はっ!」と思い当たったのは、

『双頭の鷲の旗の下(もと)に』

という曲です。あれは「東ローマ帝国の旗」の曲だったのか?そう言えば、サッカーのドイツ代表のユニホームの胸のマーク(というかサッカー協会のマーク?)も「双頭の鷲」ではなかったか?

「双頭の鷲」についてネット検索すると、郵便学者の内藤陽介さんのブログが引っかかりました。この分野は内藤さんのお手の物だと思っていたら、やはり引っかかってきましたか。

2008年の32に書いてらっしゃいましたが、「プーチン大統領」の任期満了に伴うロシア大統領選の投票日で、「メドベージェフ氏」との「2頭政権」誕生に引っ掛けて、

「帝政政ロシア時代の"ロマノフ家の紋章である双頭の鷲"」

にちなむ切手を紹介しています。え!「ロマノフ家」も「双頭の鷲」?それによると、

「『双頭の鷲』は、もともとは東ローマ帝国で、東洋と西洋の両方にローマ皇帝の支配を意味するものとして使われていました。東ローマ帝国の後継者を自負していたロマノフ朝は、東ローマ帝国にならい『西(ヨーロッパ)』と『東(アジア)』にまたがる統治権を象徴するため、この紋章を採用した」

のだそうです。「東西」両方の支配だから「2つの頭の鷲」「双頭の鷲」なのかあ。勉強になるなあ。

そうそう、曲の方は?「ウィキペディア」ですが、

「『双頭の鷲の旗の下に』(そうとうのわしのはたのもとに、英:Under the Double Eagle、独:Unter dem Doppeladler, 作品159)は、ヨーゼフ・フランツ・ワーグナーが1880年代(1902年という説も)に作曲した曲。『双頭の鷲の下に』と呼ばれることもあるが、『双頭の鷲の旗の下に』の方が一般的。日本では運動会などの行進曲としてよく用いられる。明快かつリズミカルな曲調でワーグナーが当時オーストリア・ハンガリー帝国の軍楽隊長であった時期に作曲したものであり、曲名にある「双頭の鷲」は同国のシンボルである。」

とあります。ドイツ語で「2つ」は「ドッペル」ですね。「ドッペルゲンガー」ってあったな。「ドッペラー」って、何か悪者のようですが。

これも「オーストリア・ハンガリー(二重)帝国」だから「両国」で「双頭」か。「東ローマ帝国」とはこれ直接は関係なさそうですね。

サッカーのドイツ代表のユニホームの胸のマークはどうかな?これも「ウィキペディア」ですが、

「トレードマークは国章に倣い『鷲(アードラー)』にDEUTSCHER FUSSBALL BUNDとあしらった白地のもの」

あれ、「双頭」ではなかったか。「東西ドイツ」だから「双頭」でもいいかと思いましたが。

帝国書院の『2010最新基本地図 世界・日本 34版』で世界各国の国旗を眺めてみると、「双頭の鷲」の紋章を使った国旗、他にもありますね。

*「アルバニア」の国旗は、真っ赤な地の真ん中に、大きく黒の双頭の鷲。

「双頭の鷲は、東洋と西洋の中間にあることを表す」

のだそうです。これ、「双頭の鷲」だったのか、ずっと「ムカデ」だと・・・。

*「モンテネグロ」の国旗も「双頭の鷲」

「国章の双頭の鷲は、東西に君臨するローマ皇帝の象徴。中心にはヴェネツィ共和国の象徴『聖マルコのライオン』を置く」

のだそうです。また説明はないですが、

     「セルビア」の国旗の紋章「双頭の鷲」のように見えました。

旧ユーゴスラビア近辺に多いですね「双頭の鷲」。「東と西の境目」なんでしょうかね。

 

(2010、9、6)

2010年9月 7日 23:50 | コメント (1)

新・ことば事情

4138「うまくいってないっぽい」

 

朝井リョウ『霧島、部活やめるってよ』(集英社)を読んでいたら、こんなセリフ(会話文)が。

「なんか孝介とかとうまくいってないっぽいぜ。」

この「っぽい」の使い方が"今風"の「若者言葉」です。

これまでだと「っぽい」は、

「うそっぽい」「素人ぽい」「テレビっぽい」

のように「名詞」の後に付いて、

「その名詞(もの・人)に似ているさま」

を示していたのですが、今の「若者言葉」としての「っぽい」は、

「用言(動詞や形容詞など活用するもの)の終止形」

に付いて、

「どうも、そのような状態であること」

を示す「婉曲表現」として使用されている"っぽい"のです。という具合に。

これも「直接(ダイレクトに)指摘することを避ける傾向」がそうさせているんでしょうね。物を食べた感想で、

「おいしいかもー」

と女性が言い出した10年ぐらい前から」始まっていますよ。

でも、これが行きわたってみんなが使うようになれば形の上では「っぽい」が付いた婉曲表現でも、「ダイレクトで言っているのと同じ状態」になるでしょう。そうするとさらに「ぽい」とか「感じ」、あるいは「みたいな」をつけて、

「なんだか、やってるっぽい感じ、みたいな」

という、やってるのだか、やってないのだかわからない表現が出てくるのではないでしょうか・・・。心配じゃあ。

(2010、9、5)

2010年9月 7日 19:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4137「消音ボタン」

 

会社の中に色々なテレビがあって、それぞれに「リモコン」があります。その時々でモニターの音量を上げますが、普段は音を消してあります。

自分の関連の番組を見終わったら、音量を絞るために「消音(ミュート)」のボタンを押すのですが、あまりにもいくつものリモコンがあって、そのボタンの配列がリモコンによって違うので、いつも「消音」ボタンを探すのに手間取ります。

しかし!ついに先日、「消音ボタンの見つけ方」に気付いたのです。

「消音」というからには「音量=ボリューム」に関係している。ということは、

「『ボリュームのボタン』の近くに『消音ボタン』はあるのではないか?」

と思ったのです。すると!ボリュームボタンは、「+・-」で表されていて、結構大きなボタンで、チャンネルの「上・下」のボタンと並んで目立つのですが、はたしてその横に必ず「消音ボタン」があったのです。つまり、

「『消音ボタン』は、『ボリュームの+・-ボタン』を探せば、その横にある」

と。

もし皆さんも、いろんなリモコンが混在しているような場合に「消音ボタン」を使う際には、活用してみてください。そんなケースって、あまりありませんか?自宅では不要ですかね。

とにかく、テレビの製造会社が、各社勝手気ままに並べているように見える「リモコンのボタンの配列」にも、実は利用者の使いやすいように考えて配列されているのですね。ただ、その「使いやすさの法則」に利用者が気付いていないことも多いのではないかなあと思いました。

 

(2010、9、5)

2010年9月 7日 14:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4136「もう一つのAED」

夏休みにUAEのドバイに行ってきました。

とにかく暑くて、日中の気温は46度から47度ですから、あんまり外に出ようとは思いません。せいぜいホテルのプールに入るか、冷房の効いた巨大ショッピングモールにタクシーで行くか、といった感じです。関西空港に帰ってきたときには(810日)、

「大阪は涼しいな。もう秋か・・・」

と思ったぐらいです。そのドバイで見つけた、

「AED」

とは・・・最近日本でも色んな場所に設置されるようになった、

「自動体外式除細動器」

ではありません。「ドバイの通貨単位」である、

「アラブ・エミレーツ・ディルハム」

の頭文字で、「AED」なんです。最初見たときは、

「なんでこんなところでAEDが??」

と思いました。だって、両替所のレート表やポスターに「AED」って書いてあるんですから。

アルファベットの2文字や3文字の略語って、同音異義語が生まれやすいんですね。たとえば、「HP」が「ホームページ」だったり「ヒューレット・パッカード」だったりするのと同じですね。

ちなみに「1AED(ディルハム)=約30円」と思っていたら、帰国後に届いたクレジットカードの請求書を見てみると、いやに安い。その時点でのレートは、

「1AED(ディルハム)=24円」

でした。つまり、思っていたのより2割安かったのです。ラッキー。これも「円高」のおかげ。海外旅行に出ると「円高」は良いですね・・・って、日本経済のことを考えると、そうばかりも言っていられないのですが・・・。

(2010、9、5)

2010年9月 7日 10:12 | コメント (0)

新・ことば事情

4135「迷路」

5歳7か月になった娘、今、歯の抜け代わりの時期です。子どもの歯が抜けて大人の歯が生えてくるという、人生でただ1回の時期。

先週、一気に上の前歯が2本、下の前歯が1本抜けました。ということで、いまは、

「歯抜けばばあ」(失礼・・・!)

のような感じですが、これがかわいい。つい、写真に撮ったりしてしまいます。

その自分の写真を見て、娘が一言、

「迷路のようやなあ」

なるほど、歯があったりなかったらデコボコしている様子が、「迷路」に見えないこともありません。いつもが自分が遊んでいる「迷路の本」で出てくる図に似ていると思ったんでしょうね。自分の口の中に迷路があるっていう感覚、なかなかユニークだなと思いました。子どもならではの発想ですねえ。

ハイ、「親ばかネタ」でした。

 

(2001、9、5)

2010年9月 6日 21:11 | コメント (0)

新・ことば事情

4134「20世紀梨」

なかなか「秋」にならない今年。蚊(カ)の発生が少ないそうです。暑すぎてボウフラが育たなかったのが原因とか。そういえば確かに保育所に通っている娘も例年の夏は、「虫よけリング」を両手両足にしているのですが、今年は1回も出番がなかったな・・・。蚊も生き絶え絶えの猛暑って・・・。

ところで、そんな中でも秋の味覚「ナシ」の出荷が始まったというニュース、先週お伝えしました。20世紀梨」です。

この表記で、「梨」は常用漢字ではないことと、植物や果物の名前は、新聞・放送のニュースでは原則「カタカナで書く」ことになっているので、「ミヤネ屋」では、

20世紀ナシ」

とするようにオペレーターに指示したところ、

「お昼のニュースでは『20世紀梨』と出してしまいましたが・・・」

というのです。もしこれが「固有名詞=商品名」ということなら表外字でも使えます。ただし、ルビを振るようにします。そこで、

「じゃあ、『梨』にルビを振るか」

と言ってから気付きました。

「固有名詞の表記は『20世紀』じゃなくて『二十世紀』、漢数字表記だろ!」

ということで、

「二十世紀梨(なし)」

という表記にしたのですが・・・あとで 気付いたのですが、商品名としての名前は、

「二十世紀」

ではなかったか?つまり「梨」は付いてなかったのではないか、ということです。あとで調べると、やはりそのとおりで、商品名は「二十世紀」。それだけだと分かりにくいので、通称では「梨」をつけて「二十世紀梨」。ということは、「ナシ」はカタカナで書いて,

「二十世紀ナシ」

にした方がよかったんだ。夕刊各紙は「二十世紀梨」と漢字を使っていたけど・・・。

これは、「タンチョウ」が本当の名前なのに、それだけだと「鶴」だと分かりにくいので、一般には「タンチョウヅル」と言うのと似ていますね。

ところで、その「二十世紀」、調べてみると、こんなことがわかりました。

突然ですが、クイズです。「ナシ」の生産が日本一の県はどこか、知ってますか?

 

 

「鳥取県」

 

 

ブーッ。残念でした。なんと、現在のナシの生産日本一の県は、

「千葉県」

なんだそうです。2位は茨城県で、鳥取県はなんと3平成13年(2001年)までは長い間「鳥取県」が1位だったんですが、後継者不足で生産農家が減ったことなどもあり、現在は3位なのだそうです。知らなかったなあ。地方の人口減などの影響は、こんなところにも・・・。そう言えば今は「二十世紀」ではなく、「21世紀」・・・。

(2010、9、5)

2010年9月 6日 16:10 | コメント (2)

新・ことば事情

4133「社会主義の対語は?」

先日、いつものように「ミヤネ屋」の字幕スーパーをチェックしていたら、

「『社会主義』の対語(反対語)」

として、

「民主主義」

となっていたので、

「あれ?『社会主義』の対語は『資本主義』ではないか?」

と思って直しました。これを一般に、

「修正資本主義」

と言います(ウソ)「修正民主主義」か(ウソ)。

一応私は、大学での専門は「政治学」だったの気付きましたが、一般的には気付かないものなのかなあ。

ちなみに「民主主義」の対語は「独裁政治」。でも「民主主義」の中から「独裁政治」は生まれます。こういった概念は「対語」と言っても「正反対にある」のではなく、案外「すぐ隣」にあって、境界線は微妙だったりします。

気を付けたいと思います。

(2010、9、5)

2010年9月 6日 13:59 | コメント (0)

新・ことば事情

4132「カートン」

 

最近、あちこちのコンビニで見かける張り紙は、

「たばこカートン予約受付中」

というもの。101日からの大幅なたばこの値上げを前に「駆け込み購入」=「買いだめ」をしようとする人たちをターゲットにしています。私はタバコを吸わないのですが、

「カートン=10箱」

ということは知っております。

さて、この「カートン」ですが、「助数詞としてのカートン」としてとららえた場合、その前に付く「数詞の読み方」ですが、

「いちカートン」

でしょうか?それとも、

「ワンカートン」

でしょうか?「両方OK」だと私は思いますが、「ワンカートン」は「ピンカートン」みたいですね。「お蝶夫人」か「桃屋のイカの塩辛」か。あ、そんなCMが昔、あったのです。

「カートン」に合う数詞の読み方を「1」から順番に考えていくと、

1=ワン・いち、2=ツー・に・ふた(?)、3=さん、4=よん、5=ご・・・」

といったところ。英語で数詞を言うのは「2=ツー」までですか。「2」が「ツー」なのは、「ツートンカラー」

の影響でしょうか?「トン」は「トーン」ですよね、本当は。短くなってますね。「ふた」が出てくるのは、「に」では聞き取りにくいからかも?

関連で「外来語の助数詞」に伴う「数詞の数え方」を考えてみると、

*「1ルーム」は「ワンルーム」とは言うが「ひと・いちルーム」とは言わない。

*「1DK」は「わんDK」「いちDK」とも言うが「ひとDK」とは言わない。「2DK」「3DK」になると、「にー」「さん」であり、「ツー」「スリー」は使わない。もちろん「ふた」「みー」も使わない。

*「1パック」は、「ワンパック」「いちパック」「ひとパック」とどれも言うが、「ツー」「スリー」は使わない。

*「1カップ」は、「ワン」「ツー」「スリー」は使う気がする。「ひとカップ」「いちカップ」も、「にカップ」「ふたカップ」も、「さんカップ」「みカップ」もギリギリ使うような気がします。

となると、ここに挙げた「外来語助数詞」の中では、「カップ」が一番「外来語っぽくなく、和語の仲間入りをしている」のではないでしょうか。

(2010、9、5)

2010年9月 6日 09:58 | コメント (1)

新・ことば事情

4131「尊皇攘夷」

世の中何が起こるかわかりません。びっくりすることが多い昨今ですが、先月(8月)びっくりしたのは・・・東京・足立区の「111歳」男性が、実は随分前に死亡していたことが分かったことに端を発した「超高齢者生存不在問題」。8月26日はついに、山口県防府市186歳」、その後、長崎県壱岐市生きていれば「200歳」の人まで出てきました。生きていないと思いますけど。いったい、どないなっとんねん?

よく事情を聞いてみると、「戸籍」の方は「削除」が義務にはなっていないみたいで、どうしても後回しになっている間に忘れられてしまったり、戦争や諸々の事情で「死亡届」を出せる人が誰もいなかったりと言うこともあるようです。現住所での「住民票」とはまた違った事情もあるようですが、それにしても・・・。

さて、そういったニュースを伝える時に、

「生きていれば、西郷隆盛と同い年」

だとか、

「生きていれば森鴎外と同い年」

といった比喩が出てきました。笑った(ちょっと怒った)のは、

「生きていればエジソンと同い年」

って、「エジソン」はアメリカ人だから接点はなかろう!と。日本人の著名人がその年にはいなかったんでしょうけど・・・。

とにかく、100年以上前の幕末から維新の頃が、現代に直接つながっているのだということを思い起こさせてくれたという功績は、ある意味ではあったのではないかと思いますが。

そのニュースを読もうとしていた「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」のコーナー担当のYアナウンサーが、なにやら困った様子を見せています。

「ソ\ンノー・・・ジョ/ーイ」

・・・て、それってもしかして、

「尊皇攘夷」

のこと?おいおい、そのアクセントはないだろう!と、梶原しげるさんばりに憤慨。当然ここは、

「ソ/ンノー・ジョ\ーイ」

しかないでしょうが。も、そしかして「尊王攘夷」という言葉知らないのか?念のため聞いてみると、

「ソンノー・・・・王様を尊敬する・・・あ、天皇を敬うということですか?」

そうだよ、わかってるじゃないか。じゃあ「攘夷」は?と問いかけると、なんと、Yアナウンサー、

「質問が聞こえなかったふり」

をするではないですか!知らないなら正直に「すみません、勉強不足です」と言いなさい!

やはりこれは「日本史」を必修にしないといけないのかなあ。受験勉強で、面倒なものはやらなくても受験できるシステムに「問題あり」だと思いますね。ま、システムがどうであれ、本当にやる気のある人はやるのですが、そこまで個人(全員)に求めるのは酷なのかもしれないですから・・・。

 

(追記)

メモが出てきました。

山口186歳=1824年・文政7年。勝海舟誕生の翌年。

滋賀・甲賀の182歳=1828年・文政11年。西郷隆盛の一つ下。第十一代将軍・家斉の時代。

伊藤博文が生まれる前年の1840年・天保11年生まれの人も。

「戸籍上生きている」=「超高齢者問題」。

こうなると、「尊皇攘夷」も「現代用語」ですね。

 

 

 

(2010、9、5)

2010年9月 5日 23:57 | コメント (1)

新・読書日記 2010_164

『新聞で学力を伸ばす~切り取る、書く、話す』(齊藤孝、朝日新書:2010、8、30)

高校生向けのような内容。字が大きい。191ページあるが、100ページぐらいに納まる内容。一般の新書の中に入れるのはどうかと思った。ジュニア新書向け。

 

 


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(2010、9、2読了)

2010年9月 5日 19:54 | コメント (0)

新・読書日記 2010_163

『国マニア~世界の珍国、奇妙な地域へ!』(吉田一郎、ちくま文庫:2010、7、10)

2010読書日記163 

著者は埼玉県大宮市出身のさいたま市議。それにしてもよくこれだけ詳しく、小さな国や地域の歴史と現状を...。国、という概念をなんとなく、あって当たり前のように我々日本人は享受しているが、実は近現代社会において国を成立させることが、いかに困難であるかということ、逆に規模は小さくともいとも簡単に国を作ろうとする人たちがいるということを、この本は教えてくれる。国の成立条件は、領土、国民、政府、外交能力と言われる。が、一つにまとまる条件は民族、宗教、地理的条件、歴史といったものが浮かび上がってくる。振り返って、地方分権は、小さな独立とも言えるのではないか。この本に出てくるのは国々の歴史から学ぶところも多いのではないか。イギリスの植民地支配の基本は分割統治。片方をえこひいきして憎悪感をあおり、調停役に名乗り出る。いやらしいな。でも分割統治で各階級間の対立をという形は、江戸時代の士農工商と同じだし、カースト制度にも宗教面だけでなくそういった面があるのではないか。

 

 


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(2010、9、2読了)

2010年9月 3日 20:00 | コメント (2)

新・ことば事情

4130「教誨師か?教戒師か?」

去年11月の新聞用語懇談会の秋季合同総会(2009、11、17)の席で、

「教戒師」「教誨師」

の表記について、NHKの委員から質問が出ました。それによると、

『NHKの新用字用語辞典では、「きょうかいし」は代用字の「教戒師」を使うことにしています。『新聞用語集』も「教戒師」です。各社の用語集を見ても一部「教誨師」(ルビ付き)としている社もありますが、ほとんどは「教戒師」です。しかし、実際の記事では「教誨師」の表記も多く見られるようです。

「誨」は、「さとし教える」という意味ですし、「戒」は「いましめる」という意味なので、発音は同じでも意味はまったく異なるという社外からの指摘もあります。各社は、どちらの字を使っていらっしゃいますか。「教誨師」に変えた社があれば、いつごろから、どのような判断で変えたのでしょうか。 両方つかっているとしたら、どのような使い分けをしているのでしょうか。今後の参考にしたいので、教えていただければと思います。』

これに対する各社の意見は、

(読売新聞)『スタイルブック2008』では「教戒師」だが、その後「死刑」の連載で取り上げた「全国教誨師連盟」から「誨」の字を使うよう強い要望があり、『2009年版スタイルブック』(PDF版)から「教誨(きょうかい)師」とした。

(毎日新聞)20096月から「教誨(きょうかい)師」とした。動詞の「教戒」は「戒」、「教誨(きょうかい)師」は「誨(かい)」と使い分けている。

(共同通信)「ハンドブック」は「戒」。所属団体名など固有名詞で「誨(かい)」を使うこともある。

(朝日新聞)2000年の「手引き」から「教誨(きょうかい)師」とした1999年の遅い時期に団体から申し入れがあった。動詞の「教戒」はそのまま。

(産経新聞)今年3月「受刑者~判決から始まる日々」という記事で「教戒師」としたところ、千葉と東京・府中の「教誨師」から「間違いだ」と指摘があったが、社として「教誨師」に変えるという動きは、今のところない。

 

というものでした。

それから9か月、2010年8月28東京拘置所の「刑場」(死刑執行場)がマスコミに公開され、それを伝える各社のニュースの中に、

「教誨師」

という言葉が出てきました。読売テレビの「情報ライブミヤネ屋」では、

×「教戒師」→○「教誨師(きょうかいし)」

としました。もともと正しい表記は「教誨師」でしたが、「誨」が表外字なので長い間、新聞も放送も(そんなに使う機会はなかったものの)「教戒師」というふうに「戒」を代用字として使ってきました。しかし近年、「正しい表記を使ってほしい」という「教誨師」側からの要望もあり、新聞が昨年あたりからルビを付けて「教誨師(きょうかいし)」を使うようになってきていたというのがその理由。またキー局の日本テレビも、ルビ付きで、

「教誨(きょうかい)師」

としていたことが理由です。

8月27日金曜日の全国紙各紙夕刊は、全てルビを振っての、

「教誨(きょうかい)」

を使っていました。「教戒」を使った社は、ありませんでした。 

 

(2010、9、2)

2010年9月 3日 16:13 | コメント (0)

新・読書日記 2010_162

『耳で読む読書の世界~音訳者とともに歩む』(二村晃、東方出版:2010、6、24)

著者は昭和7年生まれ、電通大阪支社に勤務。目の病気で、定年前に全盲に。朗読テープや対面朗読を利用。朗読者に対して、視覚障害者が、こうしてほしいという意見、リクエストを連載していためものをまとめたもの。「東方出版」というのは大阪の出版社だと思うが、こういった良い本(意義のある本)をきっちりと出してくれるのは、偉いなあと思います。

 

 


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(2010、8、29読了)

2010年9月 3日 12:05 | コメント (0)

新・読書日記 2010_161

『劇画ヒットラー』(水木しげる、ちくま文庫:1990、7、31第1刷・2010、6、25第25刷)

水木しげるが「ゲゲゲ」のドラマ人気で、復活?している本屋さんに水木しげるコーナーが出来ている。

この漫画は、良く出来ていて、とってもためになった。ヒットラーの周囲の人びと、ヒムラーとかゲッベルスとかレームとかはたまたヒンデンブルグ大統領とかは、名前は知っていてもイメージは湧かなかったが、漫画によって非常に雰囲気がよくわかった。また、当時のドイツを取り巻く人々、国々の様子も、普通の本よりずっとよくわかって大変勉強になりました。正に「劇画」であった。読むべし!

 

 


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(2010、8、29読了)

2010年9月 3日 10:02 | コメント (0)

新・読書日記 2010_160

『ギャンブル依存とたたかう』(箒木蓬生、新潮選書:2010、7、20第1刷・2010、7、31第3刷)

 

大相撲の野球賭博問題を機に、なぜギャンブルに「はまる」のかを考えるきっかけとして読んだ。「ギャンブル依存」が病気だとすると、「倫理」だけで防げるものではない。そこまで考えた対応を取らないといけないのではないか。特別調査委員会や協会側に、そういった視点はあるのだろうか。

また、ことは「相撲協会」に限ったことではない。やはり日本固有のギャンブル文化である「パチンコ」の問題も、その功罪を含めて検討しなくてはいけないのではないだろうか?若い両親がパチンコに熱中し、駐車場の車の中に幼い子どもを置き去りにして死亡させてしまうという事件が頻発し、そのたびに責められるのは当然「親」だが、責任の所在とは別に、こういったいたましい事件を防ぐ根本的な手立てを考えなくてはいけないのではないだろうか。テレビ局もパチンコ(の台)のコマーシャルを流しているという意味では同罪なのではあるが、「程度問題」だと思う。国家予算の3分の1にもあたる「30兆円業界」なのに、「ギャンブル依存」を「病気」という観点から防いでいく視点は、まだないのではないかと思った。

そして、「ギャンブル依存」と「薬物依存」。相撲界と芸能界。ある種、特別な閉じられた世界。何かに「依存する」という、「依存せずにはいられない事情」が何かあるのか?「アルコール依存」もそうだが・・・。イスラム国では、アルコールもギャンブルも禁じている。人間の根本・本能には、何かに依存せずにはいられないものがあるのか?エンドルフィンの分泌を促す要因を持つものが?ギャンブル・薬物・アルコールなどは、「エデンの園」の「リンゴの実」なのか?それとも、生存するのに精一杯の時には、依存は表れない?そんなことはない。精一杯だからこそ縋(すが)る。宗教などにも。宗教も含め、「自我の確立と依存」には、密接な関係があるのではないか?そんなことを考えた。

読み物としては、やや理屈っぽすぎておもしろくないが、実際の医療現場からの実態報告としては、これほどリアルな現場報告・提言はない。貴重な一冊が、新潮選書でたったの1000円ポッキリというのは、めっちゃ安い!

 

 


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(2010、8、31読了)

2010年9月 2日 21:57 | コメント (0)

新・ことば事情

4129「ウラジカフカス」

北オセチアの首都は、

「ウラジカフカス」

というのだそうです。ウラジ・・・・裏地・・・花色木綿・・は関係ありません。『国マニア』(吉田一郎、ちくま文庫)の135ページ「アブハジア共和国・南オセチア共和国」の項に書いてありました。

そして、その意味は、

「カフカス地方を征服せよ!」

だそうです。それを読んで、「ということは・・・!」と思い当たったのは、

「ウラジオストク」

という、ご存じロシアの地名、これは、

「"オストク地方"を征服せよ!」

の意味ではないか?「オストク」って?「極東(地方)」という意味なのかな?

さっそく、ロシア事情に詳しい同期のH部長に聞きました。それによると、

「ボストーク」=「東」

なのだそうです!へぇー、あのソ連の「ボストーク・ロケット」の「ボストーク」が「東」!

ということで、

「ウラジオストク」=「東を征服せよ」

なんだそうです。やっぱり!ほぼ思ったとおり!ちなみに、

「ウラジーミル」

という人名も、もともとは、

「征服」

の意味なのだそうで、日本人にしてみると

「勝男」

といった感じでしょうか?イタリアで「カツオ」と言うと、また別の意味になるそうですが。あ、正確には「カッツオ」か。昔、先輩の「カツオ」さんが、イタリアに行った時に困ったことになったと、ハニカミながら話していたのを覚えています。

♪オイ・スォーミ・カッツオ♪

というのは「フィンランディア」フィン(ランド)語で「カッツオ」は、どういう意味だっけ?

 

(追記)

米原万里の『他諺の空似~ことわざ人類学』(米原万里、光文社:2006830を読んでいたら、

「ヴラジヴォストーク」

という表記が出てきました、1つの文章に2つの「ウ濁」が出てくると、ちょっと違和感がありますね。

「ミラ・ジョヴォヴィッチ」

みたい。それにしても米原万里さん、2006525日逝去。もう7年経つんですね・・・。

(2012、3、4)

 

 

 

(2010、9、1)

2010年9月 1日 13:29 | コメント (1)