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『道浦TIME』

新・ことば事情

4117「渡部恒三氏の福島弁 2」

 

613日に書いた、平成ことば事情4020「渡部恒三氏の福島弁」の続きです。

というか、また渡部さんの「さ行」のしゃべりを耳にしたので、書いておこうかと。

前回は、

「福島弁では、「さ行」のうち「さ」を除く「しすせそ」は、全部「す」になる」

ので、

(し)「ふくしま(福島)」→「ふくすま」

(す)→(す)のまま

(せ)「せんきょ(選挙)」→「すんきょ」

(そ)「そのとおり」→「すのとおり」

ということを前回書きました。今回、耳にしたのは、

(さ)「いすすか」(=いささか)

これは「さ」ですが、やはり「す」になっていました!ということは、

 

「ふくすま弁では『さ行』は全部『す』になる」

 

のか!?そのほか、

(し・しゅ)「みんすすぎ」(=民主主義)

(じ)   「だずに」(=大事に)

(し)     「すばらく」(=しばらく)

の3語。ちょっとしゃべっただけで、これだけ特徴的に捉えられるなんて、渡部さんは、すんばらすく(素晴しく)見事な「ふくすま(福島)弁」のすべり(しゃべり)手だなと思いました。

特に「いすすか(いささか)」は、かなり

「息漏れ」

が観察され(=極端な子音の無声化)ほとんど「すす」の音は聞こえないような感じでした。このあたりの発音もしっかり観察したいと思いました。「みんすすぎ(=民主主義)」もいいなあ。あ、そうか、すもすも(=そもそも)、

「みすとう(=民主党)

だもんな。癒やされるー!

 

(2010、8、24)

2010年8月25日 13:03 | コメント (1)

コメント

故・井上ひさしの小説「吉里吉里人」に「吉里吉里語講座」が収載されています。そこでは「吉里吉里語には母音の区別はない」と断定されています。「アイウエオ」が「ウァウァウァウァウァ~」くらいになれば完璧だとか。機会があればご一読ください。

投稿者: かくた 日時:2010年08月26日(木) at 00:00