新・ことば事情
4117「渡部恒三氏の福島弁 2」
6月13日に書いた、平成ことば事情4020「渡部恒三氏の福島弁」の続きです。
というか、また渡部さんの「さ行」のしゃべりを耳にしたので、書いておこうかと。
前回は、
「福島弁では、「さ行」のうち「さ」を除く「しすせそ」は、全部「す」になる」
ので、
(し)「ふくしま(福島)」→「ふくすま」
(す)→(す)のまま
(せ)「せんきょ(選挙)」→「すんきょ」
(そ)「そのとおり」→「すのとおり」
ということを前回書きました。今回、耳にしたのは、
(さ)「いすすか」(=いささか)
これは「さ」ですが、やはり「す」になっていました!ということは、
「ふくすま弁では『さ行』は全部『す』になる」
のか!?そのほか、
(し・しゅ)「みんすすぎ」(=民主主義)
(じ) 「だいずに」(=大事に)
(し) 「すんばらく」(=しばらく)
の3語。ちょっとしゃべっただけで、これだけ特徴的に捉えられるなんて、渡部さんは、すんばらすく(素晴しく)見事な「ふくすま(福島)弁」のすんべり(しゃべり)手だなと思いました。
特に「いすすか(いささか)」は、かなり
「息漏れ」
が観察され(=極端な子音の無声化)、ほとんど「すす」の音は聞こえないような感じでした。このあたりの発音もしっかり観察したいと思いました。「みんすすぎ(=民主主義)」もいいなあ。あ、そうか、すもすも(=そもそも)、
「みんすとう(=民主党)」
だもんな。癒やされるー!
コメント
故・井上ひさしの小説「吉里吉里人」に「吉里吉里語講座」が収載されています。そこでは「吉里吉里語には母音の区別はない」と断定されています。「アイウエオ」が「ウァウァウァウァウァ~」くらいになれば完璧だとか。機会があればご一読ください。
投稿者: かくた 日時:2010年08月26日(木) at 00:00