新・ことば事情
4105「たばしる」
大阪出身の詩人・茨木のり子さんの詩集『対話』から「対話」を読んでいたら、
「地と天のふしぎな意志の交歓を見た!たばしる戦慄の美しさ!」
という一節が出てきました。この中の、
「たばしる」
って何でしょう?初めて見かけた言葉です。『広辞苑』を引いてみたら、
「たばしる」=(タは接頭語)勢い激しく走り飛ぶ。ほとばしる。万葉集二○「霜の上に霰(あられ)たばしり」
とありました。「た」は接頭語で「勢いの良さ」を表すようですね。
ほかにこういった「た~」はあるのかな?と思って調べると、
「たやすい」「たばかる」「たなびく」
が出ていました。「たばかる」も・・・あ、「はかる」の上に「た」が付いているのか。
また、接頭語「た」を引くと、
「名詞・形容詞・動詞の上に添えて、語調を整え強める。」
とありました。なるほどね。「た」を付けると勢いが出るんだな。
しかし「たばしる」は、詩人でもないと、なかなか出てこない言葉だなあと感じました。
Google検索では(8月18日)
「たばしる」= 4780件
「たやすい」=18万7000件
「たばかる」= 1万2400件
「たなびく」=15万0000件
でした。なぜだか「たばしる」が出ているサイトは、「和菓子」のサイトが多いようでした・・・「茶柱」と関係が?・・・・ないか。