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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_139

『ニホン英語は世界で通じる』(末延岑生、平凡社新書:2010、7、15)

著者は1941年兵庫県生まれの関西人。神戸女学院の高校中学、関西学院の高等部、兵庫県立大学などで英語の先生をしていた人だそうだ。その中で、ずっと「欧米人の英語の発音をまねする必要はない。日本人はニホン英語の発音でよいのだ」という信念を持ち続けてきた。この本はそのある意味"闘いの歴史"を記したものと言えるかもしれない。帯にあるように「日本人のカタカナ英語は、世界でもわかりやすい発音なのだ!」は、これまで「発音がカタカナ英語だから、外国人に通じない」と思い込んでいた人たちにとっては「目からウロコ」の発言だろう。また、文部科学省をはじめ、日本の英語教育の王道からは認められない、"邪道"と言われるものかもしれない。でも、事実は事実。邪道で結構、通じたもん勝ち!という人には福音書。

思えば「標準語しか日本語ではない」という日本語の「標準化」のこれまでの歴史と、「方言は豊かである」「方言はおもしろい」という昨今の情勢に似たところがあるよなあと思いながら読みました。

 

 


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(2010、8、1読了)

2010年8月 7日 12:55 | コメント (0)