新・ことば事情
4096「イカリングになります」
劇団四季の『クレイジー・フォー・ユー』を京都劇場で見ました。7月30日から始まったばかり。その翌日、「招待席」で見させていただきました。招待されたから言うんじゃないけど、素晴しかったです。主演の2人、ボビー役の加藤敬二さんと、ポリー役の木下花代さん、素晴しかった!特に私は、木下さんが・・・。
しかしいつも思いますが、よくあれだけ踊って動きながら、息も切らさずに歌うことが出来るなと、驚かずにはいられません。
コミカルなシーンも面白かった。もっと"笑い"がおきても良かったと思いましたが。京都の皆さんはおとなしいんだっしゃろか?
カーテンコールでは、スタンディング・オベーションが、たぶん劇場全体。もちろん私も。公演2日目で、もう最高潮という感じでした。
また、パンフレットに「ミヤネ屋」月曜日でおなじみの「うつみ宮土理さん」が1ページ分、コメントを寄せてらっしゃいました。ちょうど今日、「ミヤネ屋」にご出演だったのでお帰りの際に、
「劇団四季の『クレイジー・フォー・ユー』観てきました!パンフにコメントを寄せてらっしゃいますよね」
と言うと、
「四季、すごかったでしょ」
とニッコリされてました。
さて、公演が終わったのが午後8時半。夕飯をと探して入ったのが、JR京都駅構内のとあるレストラン。スポーツ・バーのような感じのオシャレなカフェで、前にも一度入ったことがあります。一人でも入りやすい感じなのです。
そこでビールと食べ物を頼んで、「もう一皿、なにか・・・」と思って頼んだのが、「イカのリングフライ」。確か前に来た時にも食べておいしかったから。待つこと5、6分で注文の品が出てきました。その時のウエイトレスさんの一言は、
「お待たせしました、イカリングになります」
と。この言葉が、実は全く違和感なかったんですよ。
そのことに気付いたのは、一つ目のイカリングを食べ終わったとき。「あっ!」と思いました。
思えば、東京出張の帰りに、JR東京駅構内のレストランで食べた際にウエイトレスさんに言われた、
「伝票のほうになります」
が気になってから約10年。歳月を感じました。(今検索してみたら「ことば事情23 になります」が書かれたのは、1999年10月8日でした。)
すっかり「になります」は定着したようです。
そうそう、けさ(8月2日)の読売新聞朝刊に「正しい日本語で心豊か」という特集記事。作家の椎名誠さんと、同じく作家の角田光代の対談の様子が載っていました。その中で椎名さんが、こんな発言をしていました。
「奇妙なマニュアル化も進んでいる。『こちらおでんになります』と、コンビニの店員さんが言うことがある。スイカがおでんに変わるわけじゃないから変ですよね。言葉の貧困ぶりがあらわれているのではないでしょうか。」
そうかなあ。椎名さん、コンビニでおでん、買うんだ、と思いました。