新・ことば事情
4077「みつばちハッチとみなしごハッチ」
7月23日朝の読売テレビ「す・またん」で紹介していたアニメ映画のタイトルは、
「みつばちハッチ」
でした。いやあ、なつかしいな「ハッチ」、子どもの頃にやっていたな、と思いながら「ちょっと待てよ」と。昔のタイトルは、
「みなしごハッチ」
だったよな。これ、「みなしご」ではなく、「みつばち」になっている。もちろん主人公は「みつばち」なんだけど...やはり「みなしご」はまずいのか?
そういえば同じ頃放送していたプロレスのアニメ『タイガーマスク』のエンディング曲の歌詞にも、
「"みなしご"さ」
という部分がありましたが。最近「みなしご」って言葉は聞きませんよね。
「時代」かな・・・と思っていたら、たまたま読んでいた『声と日本人』(米山文明、平凡社選挙書:1998、2、23)という本の中に、美空ひばりの話とディスコグラフィーが出てきました。そこに美空ひばりの曲名で、
『みなし子の歌』(昭和25年・1950年)
というのが堂々とありました。
調べてみると、『昆虫物語・みなしごハッチ』は、昭和45(1970)年から46(1971)年、『タイガーマスク』は、昭和44(1969)年から46(1971)年に放送していたようです。時期は重なっていますね。戦後すぐの美空ひばりの『みなし子の歌』の時代から、これらのアニメ放送があった昭和40年代半ばまでは、「みなしご」は生きた言葉だったのでしょうが、その後実態がなくなって「死語」となったのか?まず「みなしご」という言葉が「差別的だ」と排除されたのか、そのあたりはわかりませんが、いずれにせよ、21世紀の現代においては「使われない言葉」になっており、40年ぶりに「ハッチ」の映画を作るにあたって「みなしご」をそのまま使うことはそぐわないという判断がされたのでしょう、と推測しています。
(追記)
昨夜、子どもに寝る前に読んでやった絵本「小公女」に、
「みなしご」
という表現が出てきました。絵本の世界では「みなしご」は生きていました。子どもは、「アルプスの少女」に出てくる先生(ロッテンマイヤーさん)と、「小公女」に出てくる意地悪な先生(=ミンチン先生)を「同じ人」だと思っているようです。確かにこのシリーズの絵本では、年格好や服の色などよく似ています。
(2010、7、27)
(追記2というか訂正)
yoshi-qさんからご指摘を受けました。
「(追記に出てくる)ハイジに出てくる女執事の名前は「ロッテンマイヤー」です。」
あれ?そう書かなかったっけ?あ、「ロッテンハイヤー」と書いたかな?と思って見てみると、
「ロッテンイヤー」
と書いてありました。あ、「マ」が抜けている・・・マヌケ・・・。
yoshi-qさん、ありがとうございました。
コメント
ハイジに出てくる女執事の名前は「ロッテンマイヤー」です。
投稿者: yoshi-q 日時:2010年08月01日(日) at 23:56