新・ことば事情
4074「あらへん」
以前から気になっていたのだけど、ふと思い付きました。それは、
「『ある』の『否定語』は、標準語にあるのか?」
という問題。標準語だと「ある」の「反対語」としては、
「ない」
ですが、「ある」の「否定語」は、存在しないのではないか?
ところが大阪弁の場合は、「ある」の「否定語」として、
「あらへん」
という言葉があります。これにあたる語が、標準語にはないのではないか?という話。
そして、「あらへん」と「ない」の違いは?
大阪弁の場合、「否定辞」の「へん」は、標準語の「ない」に置き換えられますね。つまり、標準語の、
「こない」
の「ない」を「へん」に置き換えて
「こーへん」
という「ネオ方言」(BY
「食べない」→「食べへん」
「寝ない」→「寝-へん」
「走らない」→「走らへん」
「着ない」→「着―へん」
「しない」→「しーへん」
という各動詞でも置き換えられます。
「ありえない」→「ありえへん」
もOK。で、「あらへん」を逆方向の矢印で変換して、
×「あらない」←「あらへん」
は不可ですね。なんでやろ?
前まえから気になってたんだけど、まだ答えは出ていません。"宿題"ということで・・・。
コメント
今回のテーマも興味深く読ませて頂きました。でも、疑問が一つ。大阪弁では、「しーへん」と言うんですか?京都というか、私は、「せえへん」か「しーひん」と言っていると思います。「する」は「くる」と同様に、イレギュラーな動詞だからだと思うのですが。この私が使う、「しーひん」の「ひん」は文法的な規則なのか、なまったものか、疑問は尽きません。これからも、オモシロ日本語の解説、楽しみにしています。
投稿者: 京都人 日時:2010年07月25日(日) at 06:03