新・ことば事情
4071「間際と間近」
映画の宣伝で来日したハリウッド俳優「ニコラス・ケイジ」に、子どもマジシャンの「山上兄弟」がインタビュー!7月22日の「ミヤネ屋」の中での一コマです。6年前にヒットした(そうです)山上兄弟も、もう15歳と14歳。すっかりおにいちゃん。今回「リポーター」役は、初挑戦です。
2人は、ニコラス・ケイジが歩いてくる「レッドカーペット」の近くまで行きスタンバイ。その時のコメントが、
「レッドーカーペットの間際に来ました!」
でしたが、うーん、惜しいな、それを言うなら、
「レッドカーペットの間近に来ました」
だよな。基本的には、
「間際」=「時間」
「間近」=「距離」
ですね。
「出発間際の出来事」
「スターを間近で見た」
というふうに使います。でも・・・必ずしもそうでないところが問題で、実は
「滝の間際に立った」=距離
「出発が間近だ」=時間
という使い方もOKですよね?つまり、
「時間と距離の関係には、似たところがある」
ということなのでしょうか?「光の速さ」を基準にした単位、
「光年」
は「距離」を表すところからもそれは推測されますが、なかなか使い分けは難しいようです。Google検索では(7月23日)
「出発間際」=6万2800件
「出発間近」=6万2300件
で、ほぼ同数ですね。
「発車間際」=4万5400件
「発車間近」= 2870件
これだと「時間」は「間際」が優勢。また、
「滝の間際」=3万6700件
「滝の間近」=7万4600件
で、これで見ると「距離」を表す場合は(「滝」だと)「間近」の方が使いやすいのかもしれません。