新・ことば事情
4069「小沢一郎こと小澤一郎」
7月15日、東京第1検察審査会が、民主党の小沢一郎・前幹事長の資金管理団体「陸山会」の2007年分の政治資金収支報告書の虚偽記入疑惑を巡って、不起訴処分とした東京地検特捜部に対して、
「不起訴不当」
と議決しました。これは、11人の検察審議会の委員のうち「過半数」の決定で出されるもので、11人中8人以上で出される、
「起訴相当」
の議決よりは弱いものです。
その議決が書かれた小さな紙が掲示板に張り出される様子をテレビニュースで見ていたら、対象者の名前のところに、
「小沢一郎こと小澤一郎」
と書かれているのがチラッと見えました。え?「こと」って、どういうこと?と思って一瞬考えて、
「そうか!」
とひらめきました。戸籍上は小沢さんの「さわ」は、旧字体の難しい「澤」だけど、現在、一般的には本人も含めて「沢」を使っている。通名の表記が「小沢」で、戸籍上が「小澤」なので、さすが法律に関する役所ですね、そこのところ、漢字の違いを「こと」をもって示しているということですね。
でもほんとに「チラッ」と「こと」が見えただけなので、「そうじゃないかなあ」と思っただけで、確信は持てないのですが。