Top

『道浦TIME』

新・ことば事情

4050「牛が3つで犇く」

 

「犇く」

という漢字は、

「ひしめく」

と読みます。同じ漢字を3つ並べて「~めくと」読むもの。結構、画数が多くて難しそうな感じです。でもこれって、他にも作れそうですよね。

作ってみよう!!

「品く」=「しな」だけど、「口」が3つで「ざわめく」。

以下、三つの配置は「品」「犇」と同じです。

「波波波く」=「波」3つで「さざめく」。

「声声声く」=「声」3つで「どよめく」

「驚驚驚く」=「驚」3つで「でどよめく」

「揺揺揺く」=「揺」3つで「よろめく」

「光光光く」=「光」3つで「きらめく」

「犬犬犬」=「犬」が3つで「ほたえる」。あれ、ちょっと違うか。

皆さんも作ってみてはいかが?ちなみに、

「蠢く」=「うごめく」

は、3つ同じ漢字ではありませんでした。同じかと思ってました。あ、似た字で「蠢く」ものがあったぞ!

「蟲」

です。「むし」。「虫」が3つで「蟲」

そのほか、

「色色色」=「色」3つで「いろめく」

「春春春」=「春」3つで「はるめく」

「夏夏夏」=「夏3つで「なつめく」

「秋秋秋」=「秋」3つで「あきめく」

「冬冬冬」=「冬」3つで「ふゆめく」

とここまで書いて、「春めく」「秋めく」は言うけど、「夏めく」「冬めく」はあまり言わないなあと。なぜ?たぶん「春」と「秋」は、「ピークのない通過する季節」だから?もしくは「プラスマイナスゼロのちょうどよい季節が待ち遠しい」から「春めく」「秋めく」はあるのかなあ??これ、前も似たこと書きましたね。季節のピーク「冬の深まり」に関して。「秋深し」はあっても「夏深し」「冬深し」はないのはなぜ?という話でしたね。(「平成ことば事情47冬の深まり」=19912月に書きました。)

また今度、時間のあるときに考えます!

 

(2010、7、9)

2010年7月 9日 21:54 | コメント (0)