新・ことば事情
4057「ギネ・海容・Mother」
去年(2009年)の話ですが・・・2009年10月14日から始まった藤原紀香さん主演の日本テレビの「水曜ドラマ」のタイトルが、
「ギネ 産婦人科の女たち」
この「ギネ」が何のことやら分かりません。説明によると、
「産婦人科のことを、業界内ではそう呼ぶ」
らしいです。ちょっと調べてみると、
「ギネ 」=gynecology、医者が使う略語で婦人科のこと。
ということでした。この言葉はそんなに流行りませんでしたが、「おや?」と思わせるタイトルでした。そしていま社会問題化している「産婦人科」を巡る問題を取り上げたドラマでした。
その前にやはり「水曜ドラマ」でやっていたのが、
『アイシテル~海容』
稲森いずみさん主演のドラマでした。今年の2月には「ミヤネ屋」が終わったあとの午後4時台に、読売テレビでは再放送していました。この
「海容」
の意味が分かりませんでした。辞書を引くと、
「かいよう(海容)」=(海が広くて何物でも受け入れるように)寛大な心で相手の罪やあやまちを許すこと。現代ではほとんど書簡の洋語となっている。海恕(かいじょ)。」(『精選版日本国語大辞典』)
とありました。なるほど、このドラマも「社会派」のドラマで、子供(小学生)が友達を殺してしまうという、重い内容のドラマでした。
凡人は「海容」ばかりしていると、「潰瘍」になりますが。
そして、この間まで放送していた「水曜ドラマ」が、
『Mother』
でした。これはン別にタイトルに難しい言葉は使っていません。しかし、『Mother』の「t」の文字が「十字架」に見えました。「母親に捨てられた子」が主人公で、その子の「母」になることを決めた主人公の松雪泰子さんもまた、「母親に"捨てられた"子」だったという、「入れ子状態」、「マトリョーシカ」のような状態で、いやあ、はまりました。毎回、伏線がしっかりしていて・・・・子役の女の子の態度(演技)・セリフに泣かされ・・・「レナ」が「つぐみ」になり、その「つぐみ」ちゃんの好きな色は「水色」。インコも鳥かごも、カバンも、みんな「水色」。テーマソングの『泣き顔スマイル』も良かった。田中裕子の演技もよかった。
いま、毎日のように「虐待」のニュースがテレビや新聞に出る、
「母と子=親子関係」
が問われている中で、「本当の親子」とは?血がつながっていなくても「親子関係」は築けるのか?「血」よりも濃いものは??など、もう本当にいろいろと考えさせられて泣かされるドラマでした。「渡り鳥」の研究者である松雪、「レナ」も「鳥の名前」である「つぐみ」を自ら選ぶ。最後に「つぐみ」ちゃんが収容された施設の名前が、「道南白鳥園」と、また「鳥」の名前。「鳥」はその翼で自由に羽ばたいていける、・・・はず・・・。
うーん、本当に広がりのあるドラマでした。
日本テレビの「水曜ドラマ」、今後もご注目下さい!