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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_130

『名文どろぼう』(竹内政明、文春新書:2010、3、20第1刷・2010、4、30第4刷)

 

いや、脱帽です。うまい!おもしろい!!ためになる!!!

たしか3月に出たときにもチェックしていましたが、タイトルから「引用」を紹介しただけなんじゃないの?と思って手に取りませんでした。しかし!著者が読売新聞の「編集手帳」の筆者だと知りガゼン興味が湧き購入すると、なんと初版からたった1か月あまりで4刷ではないですか。すごい売れ行き。

読んでみると、さもありなん。うーん、この幅広い知識と、それらを首飾りのように見事に繋いでいる筆の進み方は「見事!」というしかない。

私は甲南大学の「マスコミ言語研究」の授業の中で、冒頭、社説やコラムの段落分けと100字要約を学生にやらせていますが、毎年見ていても、読売の「編集手帳」のうまさは群を抜いています。日経の「春秋」も悪くない。ふた昔ほど前ならこういったコラムと言うと朝日の「天声人語」だったんですが・・・。「産経抄」も石井さんが書かなくなってからは「おお!」というものが見当たらない気がします。それ以外のコラムでいつも読むのは、日経・木曜日スポーツ面の豊田さんのコラム。これも絶妙。

さて、この本では「方言と余情」「バクチと運」「マイクと声」などは、「ウーム」と唸って「ハハハ」と笑った。また巻末の「引用索引」は、実はこういった名文を書けるようになるための「参考図書の文献」。つまり「おすすめの本」、ブックガイドとしても使えるということです。活用されたし。

 


star5

(2010、7、20読了)

2010年7月23日 10:35 | コメント (0)