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『道浦TIME』

4037「アジアの意地」

いま(6月29日午後9時過ぎ)、NHKのニュースを見ていたら、ワールドカップで日本がパラグアイとの試合を控えた南アフリカの現地から、若い女性記者が中継リポートしていました。サッカー場の緑の芝をバックにして顔を出していた彼女の口から聞かれた言葉は、

「決勝トーナメントに残っているアジア勢は、日本だけになってしまいました。この試合は"アジアの意地"をかけた戦いになります」

というようなものでした(一字一句同じではないと思いますが)。

それを聞いて、

「アジアの意地?」

と疑問に思いました。生まれてこのかた半世紀近くずっと日本に、つまりアジアに住んでいますが、これまでの人生の中で私は、

「日本の意地」

というのは、スポーツなどの場面も通じると、確かに何度か感じたことはありますが、「アジアの意地」なるものを感じたことは、ただの一度もありません。それを、見るからに若いリポーターの彼女は、本当に感じたことがあるのでしょうか?

もちろん、若いからと言って、経験が少ないとは限らないので、「あります!」と言われたら「そうですか、失礼しました」と言うしかないのですが、少なくとも、そういった経験(「『アジアの意地』を感じるような彼女の経験の様子」)が、中継を通じて表面に出てくることはありませんでした。だからこそ、この「アジアの意地」という言葉を彼女が使ったことに、かなり違和感を覚えたのです。日本はたまたま地理的に「アジア枠」から出場しているけど、その「アジア」を背負って勝っていかないといけないんでしょうか?疑問です。理屈を言えば、

「いま、(「アジアの意地」を)感じている」

と言えるのかもしれませんが、普通に考えると無理があるのではないでしょうか?

「アジアの意地」って、「誰が」「誰に」感じているのでしょう?本当に感じている人はいるのでしょうか?疑問です。「アジアの意地」の意味を知っている方は、是非、教えてください。

あ、そうか同音異義語かな?

「アジアの維持」

なのか?ワールドカップでの「アジア枠の維持」ということ?それだと、

「イ\ジ(維持)」

だな、アクセントが。彼女は、

「イ/ジ\ガ」

と言っていたから、これはやはり「意地」だなあ・・・。

普段使わない言葉を使うときは、気を付けないといけません。そう感じました。

でも、日本には、勝ってほしいです!

(2010、6、29)

2010年6月29日 22:52 | コメント (0)