新・読書日記 2010_112
『憚りながら』(後藤忠政、宝島社:2010、5、29第1刷・2010、6、25第4刷)
著者は元暴力団・後藤組組長。五代目山口組若頭補佐。「経済ヤクザ」としても知られた(帯によると)「伝説の組長」。現在は山口組を去り、何と「得度」して僧侶となり、得度名「忠叡」。週刊誌の書評で見ておもしろそうなので買ってみたら、既にベストセラーになっているではないですか。
内容は、インタビュー内容を再構成した、いわゆる「語りおろし」。話の内容は「ふーん」「へー」と、日ごろ我々の「知っていること」と「知らないこと」が、どうつながっているかなど、興味深い。特に、最近の大相撲の野球賭博などで、そういった部分に興味が注がれているので、直接それに言及したものはないが(当然、本の方が先に出ているし)、「やっぱりな」と感じさせるような出来事をたくさん"証言"している。核心は語っていないと思うが。印象としては「アサヒ芸能」。
そして、著者のしゃべり方(文体)で「何かに似ているな」と思ったら、某週刊誌で連載している「ビートたけし」のエッセイ(おそらく「語りおろし」)にそっくりなのだ、受ける印象が。そういう本だ。
また、映画『BOX~袴田事件 命とは』の「企画」を出したのがこの人だったとは、驚いた。
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