新・ことば事情
4025「アルゼンチン率いるマラドーナ監督」
6月17日、南アフリカワールドカップの放送を見ていたら、テレビ朝日の女性アナウンサーが、
「アルゼンチン率いるマラドーナ監督」
と言っていました・・・うーん、逆ですよ、と、思わず画面に向かって突っ込んでしまいました。正しくは、
「マラドーナ監督率いるアルゼンチン」
もしくは「を」を入れて、
「アルゼンチンを率いるマラドーナ監督」
でしょうね。「を」を省略したのかなあ。これは省くと、よくないよな。
これと同じようなことを、前も書いたような気がして検索したら、5年前の2005年10月21日に書いた「平成ことば事情2331 率いると擁する」というのが出てきました。このときは、やはりサッカーの「日本対ラトビア戦」の中継で、奇しくも同じテレビ朝日のアナウンサーが、
「次は、シェフチェンコ率いるウクライナと対戦します。」
と言っていました。これは正しくは、
「シェフチェンコ(を)擁するウクライナ」
だったのですが(シェフチェンコは中心選手ではあるものの、監督ではないから)、このときは、
「○○率いる▲▲」と「○○擁する▲▲」を間違えた
ということだったのですが、今回は、
「○○率いる▲▲」とすべきところを「▲▲率いる○○」と逆にしてしまった
ということでしょう。
いずれも実は「助詞の『が』」を入れれば間違わないと思うのですが、省略すると分からなくなってしまう。最近流行の「女子力」ではなく、
「助詞力」
が足りないのかもしれません・・・。