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『道浦TIME』

新・ことば事情

4017「敵前カイトウ」

 

63日(木)、その日は、年に一度の眼科健診のために、会社を休んでいました。すると「ミヤネ屋」スタッフのF君から電話が。

「中曽根元総理大臣が、今回の鳩山退陣で俳句を詠んだのですが、その中に出てくる、

『テキゼンカイトウ』

という言葉の『カイトウ』は、日テレの原稿では『回頭』になっているのですが、それで良いのでしょうか?」

という質問。出先で資料等もなかったのですが、「中曽根・元総理」「敵前カイトウ」という言葉から判断して

「『回頭』でOK。『テキゼンカイトウ』は『敵前回頭』、つまり、敵の艦隊と正面から対戦しようとしていた戦艦が、突然『回れ、右』して逃げ出すことを言うんだね。かつて『日本は不沈空母だ』と発言して物議を醸した元総理らしく、日本と内閣を戦艦にたとえて俳句に詠んだんでしょう。この場合の『敵』はもちろん『野党』であり、『参議院選挙』でしょう。」

と答えました。あとで『精選版日本国語大辞典』を引いてみたら、

「回頭」=(2)船、飛行機などが進路を変えること。変針。転進。

とありました。

 

(2010、6、13)

2010年6月15日 21:18 | コメント (0)