新・ことば事情
4016「新人ロイカ体制」
6月7日(月)菅直人内閣、組閣前日の『情報ライブミヤネ屋』で、民主党の新体制について伝えていました。放送前に、その字幕スーパー(テロップ)をチェックしていたところ、テロップを打ってくれるオペレーターの女性が、質問してきました。
「道浦さん、この『新人ロイカ体制』っていうのは何のことですか?」
ん?「新人ロイカ」?誰や、それ?
と思いながら「手書きのスーパー発注書」を見ると、そこにはちょっとクセのある字で、
「新トロイカ体制」
と書かれていました。
「ああ、これは『新人ロイカ』ではなくて『新トロイカ』。『トロイカ』に『新』が付いてるんだよ。」
と説明しながら、
「そうかあ、『トロイカ体制』、知らんのかあ・・・」
とちょっとガッカリ。確かに発注の「ト」の字が横を向いていて「人」に見えないこともなかったですけど、ねえ・・・。
「トロイカ体制」
というのは「指導者が3人」の体制を言います。ロシアのそり「トロイカ」が、3頭の馬が引っ張るところからある言葉で、『広辞苑』によると、
「(2)三人の有力者あるいは3カ国などを中心とする体制。(例)トロイカ方式」
とあります。
その昔、巨人軍が、藤田監督・牧野ヘッドコーチに加えて王助監督を置いたときにも「トロイカ体制」と呼ばれましたね。もうこんなことは「常識」ではなくなっていて、こんなことを知っているのは、
「年を取った証拠」
なのかもしれませんが、それにしても・・・。
ま、「新人ロイカ」という字幕が放送本番で出なくてよかったです。