新・読書日記 2010_107
『常用漢字の事件簿』(円満字二郎、NHK生活人新書:2010、5、10)
絶妙のタイミングでの出版。というのも先日、文化審議会が文部科学大臣に「改定常用漢字」の答申をした。5年がかりで検討してきて、ようやくこの秋にも施行される。これまでの常用漢字1945字から5字削減し、196字増やした。そういった「常用漢字」について、1979年からこれまでの、世の中と漢字のかかわりを示しながら、「なぜいま、常用漢字か」「なぜいま、改定か」ということに、円満字さんが斬り込んで行った。
円満字さんの著作は、対象物件(今回だと「常用漢字」)に対する愛情に満ち溢れている。「好き」なのだ。
それが余すところなく記されている。その一方で冷静な目で、頭で判断している。そういった一冊だ。
star4