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『道浦TIME』

4037「アジアの意地」

いま(6月29日午後9時過ぎ)、NHKのニュースを見ていたら、ワールドカップで日本がパラグアイとの試合を控えた南アフリカの現地から、若い女性記者が中継リポートしていました。サッカー場の緑の芝をバックにして顔を出していた彼女の口から聞かれた言葉は、

「決勝トーナメントに残っているアジア勢は、日本だけになってしまいました。この試合は"アジアの意地"をかけた戦いになります」

というようなものでした(一字一句同じではないと思いますが)。

それを聞いて、

「アジアの意地?」

と疑問に思いました。生まれてこのかた半世紀近くずっと日本に、つまりアジアに住んでいますが、これまでの人生の中で私は、

「日本の意地」

というのは、スポーツなどの場面も通じると、確かに何度か感じたことはありますが、「アジアの意地」なるものを感じたことは、ただの一度もありません。それを、見るからに若いリポーターの彼女は、本当に感じたことがあるのでしょうか?

もちろん、若いからと言って、経験が少ないとは限らないので、「あります!」と言われたら「そうですか、失礼しました」と言うしかないのですが、少なくとも、そういった経験(「『アジアの意地』を感じるような彼女の経験の様子」)が、中継を通じて表面に出てくることはありませんでした。だからこそ、この「アジアの意地」という言葉を彼女が使ったことに、かなり違和感を覚えたのです。日本はたまたま地理的に「アジア枠」から出場しているけど、その「アジア」を背負って勝っていかないといけないんでしょうか?疑問です。理屈を言えば、

「いま、(「アジアの意地」を)感じている」

と言えるのかもしれませんが、普通に考えると無理があるのではないでしょうか?

「アジアの意地」って、「誰が」「誰に」感じているのでしょう?本当に感じている人はいるのでしょうか?疑問です。「アジアの意地」の意味を知っている方は、是非、教えてください。

あ、そうか同音異義語かな?

「アジアの維持」

なのか?ワールドカップでの「アジア枠の維持」ということ?それだと、

「イ\ジ(維持)」

だな、アクセントが。彼女は、

「イ/ジ\ガ」

と言っていたから、これはやはり「意地」だなあ・・・。

普段使わない言葉を使うときは、気を付けないといけません。そう感じました。

でも、日本には、勝ってほしいです!

(2010、6、29)

2010年6月29日 22:52 | コメント (0)

新・ことば事情

4036「パラグアイのアクセント」

 

2010FIFAワールドカップ、いよいよベスト8をかけた戦いが、今夜(日本時間629日午後11時)キックオフです。その対戦相手の国、

「パラグアイ」

のアクセントですが、テレビで聞いていると

(1)「パ\ラグアイ」(頭高)

(2)「パ/ラグ\アイ」(中高)

(3)「パ/ラ\グアイ」〔中高〕

3通りを聞くことが出来ます。

628日の日本テレビの「ニュースZERO」で、サッカー解説者の北澤豪さんと日本テレビのラルフ鈴木崇アナウンサーは、

「パ\ラグアイ」

「頭高アクセント」でした。630日、けさの日本テレビ『スッキリ!』に出演していたサッカー解説者の都並敏史さんや司会の加藤さん、VTRのナレーターは「頭高」の、

「パ\ラグアイ」

でした。さきほどテレビ朝日のワイドショーの男性司会者は、

「パ/ラ\グアイ」「パ/ラグ\アイ」

2種類のアクセントを使っていました。

『NHK日本語発音アクセント辞典』と『新明解日本語アクセント辞典』によると、

(1)「パ\ラグアイ」

(2)「パ/ラグ\アイ」

の順で2種類が載っています。また、似たような南米の国名、

「ウルグアイ」

に関しては、両アクセント辞典とも、

(1)「ウ/ルグ\アイ」

(2)「ウ\ルグアイ」

の順で載っていました。「パラグアイ」と順序が逆です。これに関しては、627日午前0時過ぎ(26日土曜の深夜、日付は27日日曜日)にNHKの田代アナウンサーという人が、

「ウ/ル\グアイ」。

というアクセントで話していました。解説の山本昌邦さんと、鳥海貴樹アナウンサー、ゲストの市川大祐選手は、

「ウ/ルグ\アイ」

でした。

ちなみに英和辞典を引くと、アクセントは最初に来ていて、カタカナで書くと、

「パ\ラグアイ」「ウ\ルグアイ」

というようなアクセントです。両国で使われているスペイン語ではどう発音するか、西和辞典を引くと、後ろから2つ目の母音にアクセントが来るので、

「パラグ/ア\イ」「ウルグ/ア\イ」

といった感じの発音になります。

そのあたりから考えると、両国の名前は最初、英語から入ってきて、「頭高アクセント」で定着し、その後「ウルグアイ」の方が日本になじむのが早かったために、外国語(英語)の「外来語化」に伴うアクセント変化で、「中高」の「ウ/ルグ\アイ」となり、「パラグアイ」は「外来語化」が遅れたため(あまりなじみがなかった)に、英語アクセントの「頭高」が残った。その後、「英語ふうアクセントがかっこいい」ために、また海外のサッカー情報などの中で英語のアクセントが尊重され「頭高化」が進んで「ウ\ルグアイ」「パ\ラグアイ」が出てきているのではないか?と想像しますが、いかがでしょうか?

なお、今日(630日)の「ミヤネ屋」のゲストで、パラグアイのチームでプレーしたこともあるサッカー解説者の武田修宏さんは、

「パ/ラグ\アイ」

と言っていました。宮根さんも同じく、

「パ/ラグ\アイ」

でした。森若佐紀子アナウンサーはパネルの説明の中で、最初の2回は武田さんと同じ、

「パ/ラグ\アイ」

で、後の3は、

「パ\ラグアイ」

「頭高アクセント」でした。私は今日(629日)の「ミヤネ屋」でナレーションを読んだのですが、そこでは一貫して「頭高」の、

「パ\ラグアイ」

に統一しました。同じくナレーターの女性・中矢さんに放送前に、

「道浦さん、どっちで読みますか?」

と聞かれたので、

「どっちでもOKだけど、僕は『頭高』で読みます」

と答えたら、中矢さんは既に録音してしまったものは「中高」の、

「パ/ラグ\アイ」

でしたが、生で読む部分は、私に合わせて「頭高」の、

「パ\ラグアイ」

で読んでくださいました。ありがとうございます。

 

(追記)

パラグアイ戦、日本はよく戦いました。引き分けですもんね。PK戦は「時の運」です。サッカーをやっていた人は、みんな知っています。

さて、そのパラグアイ戦のTBSの中継視聴率は関西が58、4%、占拠率は90,1%関東はなんと61,2%占拠率90,9%!ひえー。中継の中で解説の金田喜稔さんは、

「パ/ラ\グアイ」「パ/ラグ\アイ」

2種類のアクセントを使っていました。実況の土井アナウンサーは「頭高」の、

「パ\ラグアイ」

でした。6月30日の日本テレビ『ズ-ムイン!!SUPER』で右松健太アナウンサーと中本豪記者は、

「パ/ラグ\アイ」

でした。

 

 

(2010、6、29)

2010年6月29日 21:51 | コメント (0)

新・ことば事情

4035「アスパラ」

先日・・・と言ってももう3か月前、3月だったと思いますが、鳩山邦男氏が自宅前で取材陣に、

「アスパラガス」

を配ったという様子を「ミヤネ屋」で放送しました。その際、鳩山氏は、

「アスパラ」

と言っていたのですが、発言フォロースーパーでは、正しく、

「アスパラガス」

としました。「アスパラ」は「略称・俗称」ですよね。

ところが、その数日後に見た日本テレビの『深イイ話』の中で、「旨イイ話」として、

「フラノ産スイートアスパラ」

を紹介していました。「アスパラガス」の前に「○○」が付いたら、

「○○アスパラ」

と短く省略される気がします(例「ホワイトアスパラ」)。また、後ろに何か付く場合(例「アスパラベーコン巻き」)も同様です。

しかし単体の場合は、きっちり、

「アスパラガス」

と書いた方がいいと思うのですが・・・。

ネット上では(Google検索・628日)、

「アスパラ」   = 303万件

「アスパラガス」 =  125万件

「アスパラ・野菜」= 192万件

「アスパラガス・野菜」=82万件

でした。「アスパラ」と短い方が多いですね。

(2010、6、28)

2010年6月29日 20:22 | コメント (0)

新・読書日記 2010_117

『世界一幸福な国デンマークの暮し方』(千葉忠夫、PHP新書:2009、9、1第1刷・2009、10、2第2刷)

去年買って、「積んどく」になっていたが、南アフリカワールドカップの第3戦で日本が対戦するのが「デンマーク」ということで、これも「今しか、読むチャンスはない!」と読みました。

それぞれの章の頭に、デンマークが誇る童話作家アンデルセンの有名な童話「マッチ売りの少女」「はだかの王様」「みにくいアヒルの子」「赤い靴」「ナイチンゲール(夜鳴きうぐいす)」「人魚姫」を配し、それをきっかけとして、デンマークという国の歴史と現状をひもといていくという形は、なかなか分かりやすくてよかった。

「コペンハーゲン」ってデンマーク語で「商人の港」という意味なんだそうです。また選挙の投票率は90%以上。そして保守連合政権が、これまでの「社会省」を「福祉省」に改称し、さらに社会福祉を国家として国民の生活を保障することをアピールしたものの、2009年にまた「社会省」に戻したそうです。というのも、「福祉」という言葉はデンマークでは「死語」に等しいからだそうです。「福祉」が当たり前で、特別のことでなければ、そういった特別な名称はなくても良いということなんでしょうね。


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(2010、6、28読了)

2010年6月29日 19:12 | コメント (0)

新・読書日記 2010_116

『大臣・増補版』(菅直人、岩波新書:2009、12、189

 

「いま読んでいると、『枝野幸男』とか『荒井聡』とかの名前が出てきて、彼らと菅直人とは、これが最初に書かれた時、つまり『1998年からの仲間』であり、それはすなわち今回の内閣が、『旧・新党さきがけ内閣』だということを示しているのだなと思いました。内閣のサプライズで民間人起用で、あるいは顧問として、武村正義とか田中秀征が出てきたりして」

64日の段階でメモしていました。(結局、そんなことは「なかった」のですが)

去年、民主党が政権交代を果たしたときに、旧版を補ていする形で出た「増補版」。で、読もうと思って買ったまま年を越している間に、何と内閣が変わって菅さんが総理大臣に。「もう、今しか読む時はない!早く読まないと、また、かわっちゃう・・・」

ということで読みました。

「ミヤネ屋ファミリー」(火曜日出演)の高野孟さんは、蓮舫・行刷大臣の「仲人」というのは知られたことですが、菅さんが橋本内閣で「厚生大臣」になることに"反対"した「3人のうちの1人」であった、なんてエピソードも出てきました。

 


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(2010、6、7読了)

2010年6月25日 18:00 | コメント (0)

新・ことば事情

4034「デニッシュパン」

624日(木)深夜330分(25日(金)の午前330分)、「2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会」の1次リーグ最終戦、「対デンマーク戦」は、日本テレビ系列で放送しました。前日は、

「早く寝て、午前3時に起きて見よう!」

と、午後10時半には寝る!と決めたのですが・・・結局、時計の針は11時になり、さらにそうこうしているうちに「イタリア対スロバキア」の試合が始まってしまい、それを見ていると、何とイタリアが先制されて「ど、どないなんねん!」と寝られなくなり、結局ベッドに入ったのは、イタリアの試合の前半終了時、午前0時を回ってしまいました。睡眠時間3時間ちょっと・・・。試合終了後がつらいです・・・。

でも、勝ったからいいよね!!

 

さて、その試合が始まる前のこと。会社からの帰りの電車の中で、引き分け以上で決勝トーナメントに進出できるとはいえ、

「ここは、デンマークに"勝って"決勝トーナメントに進んでもらわないと」

と、「デンマークに勝つための"縁起かつぎ"」は何かないか?と考えました。よくあるのが、「敵に勝つ(テキにカツ)!」で、

「トンカツを食べる」

とか。それにならって、

「デンマークの食べ物を食べる」

ことを考え付いたのですが、

「デンマークの食べ物って、何よ?」

という壁に突き当たりました。しばらく考えて思い当たったのが、

「たしか、『デニッシュパン』って、デンマーク由来だったのでは?」

すぐに調べてみるとビンゴ!「デニッシュパン」は文字通り「デンマーク(由来の)のパン」でした!

『デニッシュペストリー』(英Danish pastry)=「パイ状の生地を折り込んで焼いたデンマーク風菓子パン。デニッシュ」

そこで、帰りにコンビニで「デニッシュパン」を購入、試合前にムシャムシャと「相当、早い朝食」として食べてから「対デンマーク戦」のテレビ観戦に臨んだのでした。

結果は、ご存知のとおり、31の快勝!!

さて、次の決勝トーナメントの相手は、「パラグアイ」。

うーん、「パラグアイの食べ物」って、何があったっけ?

(2010、6、25)

2010年6月25日 15:18 | コメント (0)

新・読書日記 2010_115

『ガラスの巨塔』(今井彰、幻冬舎:2010、2、25)

NHKの『プロジェクトX』の元プロデューサーが、NHKを辞めて書いた小説。でもたぶん、ほとんど「ノンフィクション」・・・と思って読むから、おもしろい。

ふーん、そんな裏話があったのか、結局、組織って「人間関係」なんだよなあ・・・と思わせる"小説"。

最後のところが、ちょっと意表を突かれたが、

「そう言えば、そんなこともあったな、あれがそうだったのか!」

と思い出した。とは言え、「フィクション=小説」ですから、どこまでが本当で、どこからが虚構か、またもし「ノンフィクション」だとしても、一方の側からだけ書かれたものなので、そのあたりは割り引いて読む必要があるだろうが。おもしろかった。面白うて、やがて・・・。

 


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(2010、5、30読了)

2010年6月25日 14:00 | コメント (0)

新・ことば事情

4033「もってるな」

614日、南アフリカワールドカップカメルーン戦で決勝ゴールをあげた、日本代表のフォワード(この日は)本田圭祐選手の、試合後のインタビューでの言葉。

「もってるな、と。」

これは「もってる」の前に、

「強運」

が省略されています。「結果を出す」で「良い」が省略されているのに似ています。「(技が・体が)キレてる」にも似た言葉の使い方です。

で、けさ(625日)の1次リーグ第3戦・デンマーク戦。

先制点となるフリーキックで、今大会の問題の公式球「ジャブラニ」で、「無回転球」のいわゆる「ブレ球」(スローVTRでなく、生で見ていて、ボールの軌道が揺れているのがわかりました!)で直接ゴールへ放り込むと、2点目のフリーキックは、誰もが「本田本人」が蹴ると思わせておいて遠藤が蹴って、ゴール。しかも、先ほどの本田がゴール左隅に蹴り込んだのに対し、遠藤は右隅。極め付きは後半42分、ヒールを使って、自分の後ろを通して前にボールを送り込むフェイントで、デンマーク・ディフェンダーを抜き去り、シュートと思わせておいて、フリーの岡崎に、「ごっつぁんゴール」となるラスト・パスを通す・・・ここまで魅せつけられては、たしかに、

「もってるな」

と、わたしたちも思うしかない状態でした。もちろん「強運」だけでなく「実力・技術」「冷静な判断力」「フィジカルの強さ」も含めてですが。

本田本人が「(強運を)もってる、な」と言ったのは、強い自尊心もさることながら、言ってないけど「運」に限定して「持ってる」と思わせた、実は、

「謙虚さ」

ではないでしょうか。

しかも、試合後のインタビューでは、

「目標はあくまで優勝」

「(デンマーク戦の勝利は)思っていたより感動できなかった」

など、意表を衝く受け答え。

うーん、「もってるな」。

次のパラグアイ戦でも、「もっている」ことをわたしたちに示してくださいね!

(2010、6、25)

2010年6月25日 11:06 | コメント (1)

新・読書日記 2010_114

『電子書籍の衝撃~本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』(佐々木俊尚、携書ディスカヴァー:2010、4、15第3刷・2010、4、25第3刷)

おもしろかった!大変興味深かった!

ちょうど「i―Pad」が発売されたタイミングもよかった。(本が出たのは発売前だが)

300ページという分厚い新書だが、ほぼ一気に読んでしまった。

私の大好きな「本」の世界がどう変わって行くのかを、すっかり様変わりしてしまった「音楽業界」を引き合いに出し、音楽業界とどこが違い、どこが同じなのか?だから、どう変化して行くのかを、克明に描いたのが本書。その意味では「本の未来」を示した地図のような本だと思う。

 


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(2010、6、16読了)

2010年6月25日 10:27 | コメント (0)

新・読書日記 2010_113

『貧困大国アメリカⅡ』(堤未果、岩波新書:2010、1、20)

 

ベストセラーとなった『貧困大国アメリカ』の第2弾。

アメリカで今、「貧困」を生み出すきっかけとなっているものに「学費ローン」があると。大学が次々に学費を値上げし、それをブタイにして「学費ローン」が、お金を借りて払わないと経済的に大学へ行けない学生たちを食い物にしているという現状、オバマ政権になって、それが救済されるどころかさらに深みにはまっている現状のルポ。住宅を舞台にした「サブプライムローン」と同じ、いやそれ以上に厳しい構図が、「学費ローン」で起こっていると、著者は鋭く抉り出している。

 


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(2010、6、18読了)

2010年6月25日 05:00 | コメント (0)

新・読書日記 2010_112

『憚りながら』(後藤忠政、宝島社:2010、5、29第1刷・2010、6、25第4刷)

著者は元暴力団・後藤組組長。五代目山口組若頭補佐。「経済ヤクザ」としても知られた(帯によると)「伝説の組長」。現在は山口組を去り、何と「得度」して僧侶となり、得度名「忠叡」。週刊誌の書評で見ておもしろそうなので買ってみたら、既にベストセラーになっているではないですか。

内容は、インタビュー内容を再構成した、いわゆる「語りおろし」。話の内容は「ふーん」「へー」と、日ごろ我々の「知っていること」と「知らないこと」が、どうつながっているかなど、興味深い。特に、最近の大相撲の野球賭博などで、そういった部分に興味が注がれているので、直接それに言及したものはないが(当然、本の方が先に出ているし)、「やっぱりな」と感じさせるような出来事をたくさん"証言"している。核心は語っていないと思うが。印象としては「アサヒ芸能」。

そして、著者のしゃべり方(文体)で「何かに似ているな」と思ったら、某週刊誌で連載している「ビートたけし」のエッセイ(おそらく「語りおろし」)にそっくりなのだ、受ける印象が。そういう本だ。

また、映画『BOX~袴田事件 命とは』の「企画」を出したのがこの人だったとは、驚いた。


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(2010、6、21読了)

2010年6月25日 04:15 | コメント (0)

新・読書日記 2010_111

『ことばのことばっかし~「先生」と「教師」はどう違うのか?』(金田一秀穂、マガジンハウス:2010、2、25)

 

書評で見て買ってしまいました。金田一秀穂先生の本、あまり内容は好きではないことが多いのですが。これは、今はなき雑誌「ダ・カーポ」に連載していた言葉のエッセイを集めたものということで、つい懐かしくて買ってしまいました。

映画「ジョーズ」の舞台となったアメリカのチルマークという漁村は、5分の1が聾者で「手話」が共通語になっているという話や、チョムスキーの授業をMITで受けたが、その際に手話通訳者が付いていて、チョムスキーの高等な話を即時に手話通訳してしまうことに驚いた話など、意外にも面白かった!

「イピピとオポポは夫婦です」

という文がある場合、「どちらが夫で、どちらが妻か?」と聞かれたら、

「イピピが女で、オポポが男」

と答えるのではないかというのも納得。また「ツン・チン・ドン・トン・テン」を、高いと思われる純に並べると、普通の日本人は、

「チン・ツン・テン・トン・ドン」

と並べるという話も納得。私は、間違いなく普通の日本人!

「左右自在の言葉」で出てきた、「NI」というサイン看板、私も見つけましたよ!お店の駐車場の入り口にある、逆から読むと「IN」になるサインボード!(「平成ことば事情3404NI」参照)

いやあ、なかなか勉強にになった。

 


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(2010、6、13読了)

2010年6月25日 03:24 | コメント (0)

新・ことば事情

4032「付き人か?付け人か?」

野球賭博問題に揺れる大相撲界を巡って、623日の産経新聞夕刊(関西はあるんです)のトップの記事の見出しが、

「野球賭博 白鵬の付け人 聴取」

というものでした。本文の中にも、

「付け人」

と出てきましたが、私がふだん使う言葉は、

「付き人」

です。でも、「付ける」方の立場の人から言うと、

「付け人」

なのかもしれません。客観的に「付いている人」と見れば、

「付き人」

かな?「け」か?「き」か?どっちが正しいのか?『精選版日本国語辞典』を引くと、両方載っています。

*「付け人」=(1)側近としてつけておく人。監督や保護、身の回りの世話などのためにつけてある人。付き添い。つきびと。(2)江戸時代、幕府から親藩に、また大名の本家から分家に、監督などのために付けておいた家老職。また、その職にある人。付け家老。

(3)侠客(きょうかく)などを応援する人。

用例は(1)が1771年の浄瑠璃、(2)は1739年のやはり浄瑠璃。江戸時代中期のものです。

     「付き人」=付き添って身の回りの世話をする人。つきそい。かしずき。もりやく。

用例は1792年の人情本、そして1894(明治27)年、高山樗牛の小説『滝口入道』でした。

うーん、どっちもあるんだなあ。Google検索(624)では、

「付け人」=103000

{付き人}=241000

でしたが、結局、翌24日の「ミヤネ屋」でも、

「付け人」

で放送しました。

(2010、6、24)

2010年6月24日 22:38 | コメント (0)

新・ことば事情

4031「遊歩道のアクセント」

623日の『スッキリ!!』の中の午前1010分過ぎのニュースコーナーで、北海道で男の子が行方不明になったニュースを札幌テレビの女性アナウンサーが伝えていました。

その中で気になったアクセントは、「遊歩道」のアクセント「平板アクセント」で、

「ユ/ーホドー」

と読んでいたことです。これは『NHK日本語発音アクセント辞典』では、

「ユ/ーホ\ドー」

「中高アクセント」しか載っていません。

「○○道」という形の言葉のアクセントは原則「中高」だと思うのですが、もしかしたら「平板化」が進んでいるのかもしれません。

「二次会」(「ニ/ジ\カイ」→「ニ/ジカイ」)

「幹事会」(「カ/ンジ\カイ」→○「カ/ンジカイ」)

というアクセント変化が進んだ「○○会」と同じように。

 

(2010、6、23)

2010年6月24日 18:37 | コメント (0)

新・ことば事情

4030「大体11日目」

6月22日の日本テレビ『スッキリ!!』を見ていたら、冒頭で2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の模様を伝えていました。その冒頭で、ナレーターは、

「大会11日目」

と原稿を読んでいたのですが、字幕スーパーは、

「大体11日目」

でした・・・「大体」はちょっと大まか過ぎませんか?って、もちろん、単純ミスでしょうけど、おもしろい!朝から名古屋かな気持ちで・・・いやいや「なごやかな気持ち」で番組を見ることが出来ました。

でもこれは「自分の番組ではないから」で、もしこれが「ミヤネ屋」だったら・・・事態は深刻です。本当は自系列の番組ですから、本当は笑ってられないのですが・・・視聴者の皆様、ごめんなさい。笑って許して・・・くれませんか?今後はもっと気をつけますから。

それにしても原因はなんでしょうか?キーボードでローマ字入力だと、「かい」とキーボードを打つときの「K」と、「たい」と打つときの「T」は離れすぎてるし、「たいかい」と打つ「た」の「T」と、のと「だいたい」と打つの「だ」の「D」も少し離れているし、打ち間違うはずがないような気がするのですが・・・。

あ、そうか、ディレクターが、「大会」を「だいかい」と言って、

「だいかい11日目で、スーパー打って!」

と発注して、それをオペレーターが、

「だいたい」

と聞き間違えたという可能性はありますね。それか、「大体」というアバウトさは、

「時差の関係」

なのかもしれません。南アフリカだし・・・そんなわけ、ないか。

 

(2010、6、22)

2010年6月24日 18:06 | コメント (0)

新・読書日記 2010_110

『人生の疑問に答えます』(養老孟司・太田光、新潮文庫:2010、4、1)

 

養老先生と爆笑問題の太田さん。どっちも"天才"だから、"一般人"の「人生の疑問」に答えられるのか?とちょっと疑問に思いながら読んでいくと、まあ年齢的に近いことも在り、太田さんの疑問や答えの方が、親近感を覚えた。

 


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(2010、6、9読了)

2010年6月23日 22:27 | コメント (0)

新・読書日記 2010_109

『父と暮せば』(井上ひさし、新潮文庫:2001、2、1第1刷・2005、3、15第5刷)

 

今年4月になくなった井上ひさしさんの戯曲。100ページほどの薄い本。9年前に買って、読んでいませんでした。この機会に読みました。

表紙の装丁は和田誠さん。広島の原爆の話というのは知っていましたが、「父」がそんな形で出てくるとは知りませんでした。ちょっと「能」のような匂いのする、そんな作品でした。


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(2010、6、6読了)

2010年6月23日 20:26 | コメント (0)

新・読書日記 2010_108

『気持ちがホッとする禅のことば』(酒井大岳、静山社文庫:2010、1、5)

たまーに、この手の本を読むのですが、期待したほどではないことが多いです。それは読み手の心得がなってないからなのかもしれませんが。天邪鬼だし。

今回は本の内容もさることながら、

「あの『ハリーポッター』で有名な『静山社』が、『文庫』を出している!」

という興味で購入しました。

「莫妄想(思い煩うことなかれ)」

「磊磊落落(小事にこだわらない)」

そうありたい!

「我痴、我見、我慢、我愛」

これらをしっかり抱いて離さない人を「我の強い人」といい、これらを持たない人を「無我」というなど、勉強になりましたです。

こういう講話をお坊さんには期待したいですが、なかなか聞けないですね。

 

 

 


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(2010、6、12読了)

2010年6月23日 17:25 | コメント (0)

新・ことば事情

4030「大体11日目」

6月22日の日本テレビ『スッキリ!!』を見ていたら、冒頭で2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の模様を伝えていました。その冒頭で、ナレーターは、

「大会11日目」

と原稿を読んでいたのですが、字幕スーパーは、

「大体11日目」

でした・・・「大体」はちょっと大まか過ぎませんか?って、もちろん、単純ミスでしょうけど、おもしろい!朝から名古屋かな気持ちで・・・いやいや「なごやかな気持ち」で番組を見ることが出来ました。

でもこれは「自分の番組ではないから」で、もしこれが「ミヤネ屋」だったら・・・事態は深刻です。本当は自系列の番組ですから、本当は笑ってられないのですが・・・視聴者の皆様、ごめんなさい。笑って許して・・・くれませんか?今後はもっと気をつけますから。

それにしても原因はなんでしょうか?キーボードでローマ字入力だと、「かい」とキーボードを打つときの「K」と、「たい」と打つときの「T」は離れすぎてるし、「たいかい」と打つ「た」の「T」と、のと「だいたい」と打つの「だ」の「D」も少し離れているし、打ち間違うはずがないような気がするのですが・・・。

あ、そうか、ディレクターが、「大会」を「だいかい」と言って、

「だいかい11日目で、スーパー打って!」

と発注して、それをオペレーターが、

「だいたい」

と聞き間違えたという可能性はありますね。それか、「大体」というアバウトさは、

「時差の関係」

なのかもしれません。南アフリカだし・・・そんなわけ、ないか。

(2010、6、22)

2010年6月23日 10:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4029「元高」

 

6月22日の読売新聞朝刊で見かけた見出しに、

「元高どこまで 世界注視」

というのがありました。この、

「元高」

というのは初めて見ました。言うまでもなく、「元」は中国の通貨単位です。これまで、

「円高」「ドル高」「ユーロ高」

は見たことがありますが、「元高」はほんと、初めて。これは「元」が、つまり「中国経済」が、世界経済の中で大きな役割を果たすようになるということの前触れなのかなと感じました。(既に大きな役割を果たしていますが。)

ちなみに「元」は、1ドル=6、7985元だということで、2008923日の1ドル=6、8099元を上回り、初めて6、7元台に入ったとのことです。小数点以下4ケタもあると、

「円周率」

を見ているような感じですが・・・。

Google検索では(日本語のページ622日)

「元高」=   99999

「円高」=  9780000

「ドル高」=  448000

「ユーロ高」=136000

でした。

なお同じ622日の朝日新聞夕刊には、

「元高ドル安が進んだ」

とありました。「げんだか・どるやす」。まだ、なじめませんが・・・。

 

(2010、6、22)

2010年6月22日 23:39 | コメント (0)

新・ことば事情

4028「ブブゼラと鳴り物」

南アフリカワールドカップが開幕しました。

今大会の観戦風景で特徴的なのが、あのうるさい笛(?)、

「ブブゼラ」

ですね。すっかり名前を覚えてしまいました。

日本でも、1993年のJリーグ開幕当初は、「ホーン」と呼ばれる笛を吹き鳴らして応援する姿が見られました。私も「3連ホーン」、まだ持っています。でも「うるさい」とスタジアム周辺の住民から苦情が出たこともあって、ホーンの使用は禁止になりました。

日本の野球では、トランペットや太鼓など、いわゆる「鳴り物」の応援が普通ですが、アメリカのメジャーリーグでは、そういった「鳴り物」を使った応援はありません。文化的に見ると、日本のかつてのサッカーの応援やプロ野球の応援と、南アフリカのブブゼラを使った応援には共通点があると思います。

「鳴り物」の応援は、「参加意識」が高いですね。

「プレーはしていないが、『応援』という形式で『参加』している」

もちろん「スポーツ」としての「サッカー」や「野球」には参加していませんが、「イベント」「祭り」としてなら、「応援」という形で参加できます。「参加している感」を強めるために「鳴り物」を使うのではないでしょうか?

一方、メジャーリーグでは、

「『スポーツを観る』という行為が『ジャンルとして確立』している」

ので、観客は「鳴り物」を使った応援をしないのではないでしょうか。

「パブリック・ビューイング」でも、日本の場合はスポーツ・バーやスタジアムで「現場の疑似体験」「会場との一体感」を味わうために「応援」しますが、アメリカをはじめとした欧米では「パブリック・ビューイング」も、わりと静かに「観戦」しているような気がします。1998年のフランス・ワールドカップでのパリや、2006年のドイツ・ワールドカップでのフランクフルトの「パブリック・ビューイング」の観客の様子は、そんな感じでした。

日本、南アフリカ、それにブラジルなど南米の国々は、「イベントとしての参加型」応援をしている気がします。当然「応援すべき対象のチームがあるかないか」で、態度は変わってくるのですが。観戦の仕方は、ナショナリズムや民族性も反映されるのですかね?

そもそも「鳴り物」とは、たしか、「太鼓」のことであったと記憶しています。「鳴り物入り」は、それこそ「赤穂浪士の討ち入り」の際の「陣太鼓」のようなものではないか?また、歌舞伎などでの三味線や笛、落語での太鼓や笛といった「伴奏」も「鳴り物」でしょうね。

辞書(『日本国語大辞典』)を引いてみると、

「なりもの(鳴物)」=(1)楽器の総称。また音曲。器楽。(2)歌舞伎の下座音楽で、三味線を除いた鉦・太鼓・笛などの囃子または擬音の総称。寄席や見世物小屋などでは三味線をも含めていう。

とありました。歌舞伎では「鳴物」に「三味線を含まない」んだ!なんでかな?

6大会ぶりに、現地に行かずに日本でテレビ観戦していますが、結構、深夜まで観てしまって、寝不足気味です・・・。

(2010、6、16)

2010年6月22日 20:38 | コメント (0)

新・ことば事情

4027「強雨」

梅雨に入りました。

ある日のこと、ケータイの天気情報を見ていたら、

「強雨に気をつけて」

とありました。この、

「強雨」

という言葉、いままでに目にしたことがなかったように思いました。

「強風」や「豪雨」

は見たことはありましたが。おそらく、

「きょうう」

と読むのでしょうね?『日本国語大辞典』には載っていました。

「きょうう(強雨)」=強く降る雨。豪雨。大雨。

用例は1875年の歌舞伎でした。『デジタル大辞泉』では、

「きょうう(強雨)」=激しく降る雨。

『新潮現代国語辞典』は、

「きょうう(強雨)」=つよく降る雨。豪雨。

『三省堂国語辞典』には、

「きょうう(強雨)」=風をまじえたりして、強く降るあめ。

ちょっと「風」が加わりました。「あめ」平仮名。『新明解国語辞典』は、

「きょうう(強雨)」=(短い時間に)強く降る雨。

(短い時間に)が加わりました。

『広辞苑』『明鏡国語辞典』『岩波国語辞典』には載っていませんでした。

ウェザーニュースの担当者に聞いてみたら、

「『短時間強雨』というような用語はありますが、そのままは使わずに『短い時間にザッと降る雨』のように言い換えています。」

とのことでした。なおGoogle検索では(622日、日本語のページ)

「強雨」=46000

でした。

ところできのう、「夏至」だったんですね・・・。

2010年6月22日 17:34 | コメント (0)

新・ことば事情

4026「スローイング」

617ワールドカップ・南アフリカ大会1次リーグ「アルゼンチン対韓国」の中継で実況のNHK・曽根アナウンサーが後半の7分に、

「メッシがスローイング入れます」

と言っていました。この、

「スローイング(throwing)」

ですが、正しくは、

「スローイン(throw  in)」

ではないでしょうか?

実はその2日前の615日のお昼のニュースでも、日本テレビの男性アナウンサーが、タッチラインから手でボールを投げ入れることを、

「スローイング(throwing)」

と言っていました。ゴールキーパーが投げるのは「スローイング」ですが。これは、

「『ズームイン』を『ズームイング』と言っているような間違い」

です。なんでアナウンサーが、こんな間違いをしてしまうんだろうか???不思議です。

 

(2010、6、21)

2010年6月22日 12:31 | コメント (1)

新・ことば事情

4025「アルゼンチン率いるマラドーナ監督」

 

617日、南アフリカワールドカップの放送を見ていたら、テレビ朝日の女性アナウンサーが、

「アルゼンチン率いるマラドーナ監督」

と言っていました・・・うーん、逆ですよ、と、思わず画面に向かって突っ込んでしまいました。正しくは、

「マラドーナ監督率いるアルゼンチン」

もしくは「を」を入れて、

「アルゼンチン率いるマラドーナ監督」

でしょうね。「を」を省略したのかなあ。これは省くと、よくないよな。

これと同じようなことを、前も書いたような気がして検索したら、5年前の20051021に書いた「平成ことば事情2331 率いると擁する」というのが出てきました。このときは、やはりサッカーの「日本対ラトビア戦」の中継で、奇しくも同じテレビ朝日のアナウンサーが、

「次は、シェフチェンコ率いるウクライナと対戦します。」

と言っていました。これは正しくは、

「シェフチェンコ(を)擁するウクライナ」

だったのですが(シェフチェンコは中心選手ではあるものの、監督ではないから)、このときは、

「○○率いる▲▲」と「○○擁する▲▲」を間違えた

ということだったのですが、今回は、

「○○率いる▲▲」とすべきところを「▲▲率いる○○」と逆にしてしまった

ということでしょう。

いずれも実は「助詞の『が』」を入れれば間違わないと思うのですが、省略すると分からなくなってしまう。最近流行の「女子力」ではなく、

「助詞力」

が足りないのかもしれません・・・。

(2010、6、21)

2010年6月22日 10:31 | コメント (0)

新・ことば事情

4024「生解説」

6月21日の日本テレビ『スッキリ!!』を見ていたら、南アフリカワールドカップの日本代表、決勝トーナメント(ベスト16)をかけて戦うデンマーク戦に向けての解説を、元・日本代表の武田修宏さんが行うとのことで、そのPRをコマーシャル前にしていました。そのコメントが、

「元・日本代表、武田修宏さんが、スタジオで生解説!」

というものでした。出た!今度は、

「生解説」

です!「生」、すごい勢いです。何にでもくっついちゃいます!

しかし、「解説」という言葉に「生」が付くと、

「生煮え」「生兵法」「生半可」「生焼け」

のように、

「中途半端」

という意味になりはしないか?つまり「生解説」は、

「中途半端な解説」

の意味になりはしないでしょうか?ちなみに、スタジオでのデンマーク戦のスコア予想(希望)は、パネリスト・出演者みんなが、

「日本の勝ち」

を予想したのに対して、専門家である武田さんだけは、

1対1の引き分け」

を予想して、顰蹙(ひんしゅく)を買っているように見られました。(司会の加藤さんたちに「なんでえ!?」突っ込まれていました。)これは、ひとり、冷静だということかもしれませんが・・・。

 

(2010、6、21)

2010年6月21日 23:30 | コメント (0)

新・ことば事情

4023「キレてますねー」

617日、南アフリカワールドカップ「アルゼンチン対韓国」の試合を見ていたら、実況のNHK・曽根アナウンサーが、

「(アルゼンチンの)メッシ(選手)はキレてますねー」

と言ってました。これ、何気ない言葉ですが、スポーツ用語、サッカー用語ですね。この、

「キレてる」

は、漢字で書けば「切れてる」

「技がキレてる」「技の切れ味が鋭い」「体のキレが良い」

というような意味ですね。けっして「カンニングの竹山」さんのように「キレてる」わけではありませんね。サッカーで「キレ」たら「一発退場」で、そのあとプレーできませんから4年前のワールドカップ・ドイツ大会決勝での「ジダン選手の頭突き」、あれは今回の「メッシがキレてる」とは違う意味。「カンニング・竹山」系統の「キレてる」でした。つまり、

「『ジダンのキレてる』と『メッシのキレてる』意味が違う」

のですね。ま、状況によりますが。今回のフランス代表の戦いぶりを見て、またジダンは「キレてる」のでしょうか?チームの状態が「キレて」いれば、ジダンはキレなくて済むのですが・・・。

 

(2010、6、21)

2010年6月21日 21:20 | コメント (0)

新・ことば事情

4022「カメ戦」

 

いやあ、やりました日本代表!もちろんサッカーワールドカップ・南アフリカ大会です。あのエトー選手擁する不屈のライオン・カメルーンを相手に1対0!よく頑張った!本田も偉いけど、正確なクロスを送った松井も偉い!本田の前でヘディングシュートを狙ってジャンプしてディフェンスを2人を引きつけた大久保も偉い!

次のオランダ戦に向けて気になるのは、中澤選手右手の小指、に包帯(テーピング)巻いていたけど、あれって骨折してるの?サッカーは足でやるスポーツとはいえ、やはりケガの箇所があると、なかなか全力は出せないもの。ジャンプをするときに、指に痛みが走ると思い切ってジャンプできないし。それに、ヘディングのクリアの距離や方向が、往年の力強さが見られませんでした。また、自陣ゴール前で闘莉王選手がマークしていてヘディングで競っているところに一緒に飛び込んで、しかもボールには触れられずにいるシーンでは、完全にマークが離れてしまっていました。大丈夫か、中澤!修正、お願いします!!

さて、それはさておき、きのう(616日)のスポーツ紙を見ていたら、こんな言葉が。

「カメ戦」

は?なにそれ?「ウサギ」のように行くのではなく、「カメ」のように地道に戦えということか?と思ってよく記事を読んでみると、この「カメ戦」とは、

「カメルーン戦」

の略でした・・・。ドラゴンボールか!スポーツ紙は、略すの得意だからなあ・・・。

たぶん「マンチェスターユナイテッド」を最初に短く、

「マンU」

にしちゃったのはスポーツ紙だったのでは?もしくは一般紙のスポーツ面?「オリンピック」を、

「五輪」

と略しちゃったのは、ベルリンオリンピックの際の読売新聞の記者の人だというのを、かつて読んだことがあります。あれは大変上手な、素晴しい略語だと思いますが。限られた紙面に「文字数の多い外来語」をぶち込むための工夫ですね。でも、「カメ戦」ですかあ・・・。どやさ?そうすると、日本の次の対戦は、

「オラ戦」

ですね!オラ、そう思うだ。ちなみにそのあとは、

「デン戦」

スズメが3羽、止まっているといいのですが。(「勝ち点3を取る」という意味。『電線音頭』に引っかけて、今作りました。)デンデン!

 

(2010、6、17)

2010年6月17日 20:16 | コメント (0)

新・ことば事情

4021「占用」

甲南大学へ向かう道で、道路工事(電気工事)をしていました。工事用の車輌が停まっていて、その周囲に「コーン」を立てて、「バー」で囲っていました。そのバーの一部に、次のような文字が。

「占用出入口」

それを見て、

「え?占い用の出入り口?なんじゃそれ?」

と一瞬、本気で思いました。そして次の瞬間には、

「『専用』の間違いではないか?」

と思いました。さらに次の瞬間には、

「専門用語で『占用』というのがあるのではないか?『占』は『占い』ではなく『占拠』の『占める』という意味では?」

と思いました。

会社に帰ってから辞書(広辞苑)を引くと、

「占用」=(1)独占して使用すること。(2)<法>一定の地域・水域などを占拠して使用すること。河川・道路の工事などに際して行われ、管理者の許可を要する。

とありました。この2番目の意味ですね。ちなみに「専用」は、

「専用」=(1)特定の目的・対象だけに用いること。(2)特定の人だけが用いること。

とありました。「占用」は「専用」の中の特に限定した意味のようにも感じられますが、法律用語、という解釈でいいんですかね。

それにしても、まさかふだんよく歩いている道で、初めて目にする言葉に出くわすとは思いませんでした。

 

(2010、6、14)

2010年6月16日 16:22 | コメント (0)

新・ことば事情

4020「渡部恒三氏の福島弁」

68日(火)、菅直人内閣発足の日に、「ミヤネ屋」に、民主党の渡部恒三・元最高顧問に、日本テレビのスタジオから中継で生出演してもらいました。その話し振りを聞いていると、なんともほっこりしたのですが、これは渡部さんが使う地元「福島県」の言葉にその魅力があるのではないかと思って、特徴を観察していたところ、わかりますた!

福島弁では、「さ行」のうち「さ」を除く「しすせそ」は、全部「す」になるのです!つまり、

(し)「ふくしま(福島)」→「ふくすま」

(す)→(す)のまま

(せ)「せんきょ(選挙)」→「すんきょ」

(そ)「そのとおり」→「すのとおり」

ということです。この法則に当てはめてしゃべってみると・・・あーら不思議、貴方もすぐに渡部恒三さんになれます!

しかも、なんて言うんでしょうか、すっごく癒やされるんですよねえ・・ふくすま弁。

この話をすると、みんな、

「ええ!そうなんですか!福島弁?私はてっきり、渡部さんがおじいさんだから、ああいったしゃべり方をするんだと思ってました!」

と言いますが、おじいさんはみんな、あんなしゃべり方、しないでしょう塩川正十郎さんは、全然違うでしょ?ま、おそらく渡部さんは「入れ歯」をしてらっしゃるので、その文、しゃべり方がああいう感じ、ということはあるんじゃないかなと推測しますが。

逆に、それほどお年を召してないけれど、「加藤茶」さんは、たしか福島出身だから、ちょっとしゃべり方が似てませんか?くしゃみするのもカトちゃんは「ハックション」じゃなくて、

「ハックスン」

って、しませんか?というようなところも観察しています。

(2010、6、13)

2010年6月16日 14:21 | コメント (1)

新・ことば事情

4019「一丁目一番地」

最近、政治家の言葉によく出てくる言葉に、

「一丁目一番地」

というのがあります。最近でも、亀井大臣の辞任に関して発言した社民党の福島瑞穂党首が、

「郵政は国民新党の『一丁目一番地』なので、抗議の辞任ですね」

と発言されています。この「一丁目一番地」の意味は、

「揺るがせに出来ない基本。大前提。立脚地。出発点。結党の精神。アイデンティティー」

といった感じなのではないでしょうか。そして、たぶん、日本の中心とも言える番地、

「東京都千代田区一番町一丁目一番地」

は、

「皇居」

の場所では?と思って調べてみると、

「千代田区一番町」

はありますが、そのあとに「一丁目一番地」はなくて、地番として「一番町1」というのはありました。そこはなんと・・・

「英国大使館」

の住所でした。また近いところで、「千代田区麹町一丁目一番地」を調べると、

「半蔵門の前の新宿通り」

あたりでした。なお「麹町一丁目4番地」は「麹町警察署」でした。

そのほか、Google検索すると、1丁目1番地」というNHKのラジオ番組1957年から1964年まで放送されていたようです。

政界で使われるようになったのは、いつごろからなんだろうか?また調べておきますね。

(2010、6、14)

2010年6月16日 12:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4018「『三栗』を『めぐり』と読む理由」

私の住む大阪の枚方市に、

「三栗」

という地名があります。よく車で通る道路の地名看板に書かれているのですが、その下のローマ字表記は、

「MEGURI」

つまり、これは「みぐり」ではなく、

「めぐり」

と読む地名なのです。枚方に住んでもう30年以上になりますが、

「なんで『みぐり』ではなく『めぐり』なんだろう?」

という疑問をずーっと持ってはいたものの、答えが出ずにいました。

ところが先日、遂にその答えがひらめきました!これは、

「み→め」

という音韻変化なんですね!つまり、母音に関して言うと、

「い→え」

です。有名な、

つね→つね」

というのと同じ変化なのです!ということは、これは、

「大阪弁的な読み方が定着した地名」

と考えればいいわけです。なーんだ。そうだったのか。ま、簡単に言うと、

「訛っている」

のですが。文字に定着するということは相当この「み→め」という変化の定着の度合いは強いのでしょうね。じゃあ、ちうら」は「ちうら」?もしくはめてうら」?そう呼ばれたことはないけれど・・・。

(2010、6、13)

2010年6月16日 10:21 | コメント (1)

新・読書日記 2010_107

『常用漢字の事件簿』(円満字二郎、NHK生活人新書:2010、5、10)

絶妙のタイミングでの出版。というのも先日、文化審議会が文部科学大臣に「改定常用漢字」の答申をした。5年がかりで検討してきて、ようやくこの秋にも施行される。これまでの常用漢字1945字から5字削減し、196字増やした。そういった「常用漢字」について、1979年からこれまでの、世の中と漢字のかかわりを示しながら、「なぜいま、常用漢字か」「なぜいま、改定か」ということに、円満字さんが斬り込んで行った。

円満字さんの著作は、対象物件(今回だと「常用漢字」)に対する愛情に満ち溢れている。「好き」なのだ。

それが余すところなく記されている。その一方で冷静な目で、頭で判断している。そういった一冊だ。

 

 


star4

(2010、5、21読了)

2010年6月15日 23:23 | コメント (0)

新・ことば事情

4017「敵前カイトウ」

 

63日(木)、その日は、年に一度の眼科健診のために、会社を休んでいました。すると「ミヤネ屋」スタッフのF君から電話が。

「中曽根元総理大臣が、今回の鳩山退陣で俳句を詠んだのですが、その中に出てくる、

『テキゼンカイトウ』

という言葉の『カイトウ』は、日テレの原稿では『回頭』になっているのですが、それで良いのでしょうか?」

という質問。出先で資料等もなかったのですが、「中曽根・元総理」「敵前カイトウ」という言葉から判断して

「『回頭』でOK。『テキゼンカイトウ』は『敵前回頭』、つまり、敵の艦隊と正面から対戦しようとしていた戦艦が、突然『回れ、右』して逃げ出すことを言うんだね。かつて『日本は不沈空母だ』と発言して物議を醸した元総理らしく、日本と内閣を戦艦にたとえて俳句に詠んだんでしょう。この場合の『敵』はもちろん『野党』であり、『参議院選挙』でしょう。」

と答えました。あとで『精選版日本国語大辞典』を引いてみたら、

「回頭」=(2)船、飛行機などが進路を変えること。変針。転進。

とありました。

 

(2010、6、13)

2010年6月15日 21:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4016「新人ロイカ体制」

67日(月)菅直人内閣、組閣前日の『情報ライブミヤネ屋』で、民主党の新体制について伝えていました。放送前に、その字幕スーパー(テロップ)をチェックしていたところ、テロップを打ってくれるオペレーターの女性が、質問してきました。

「道浦さん、この『新人ロイカ体制』っていうのは何のことですか?」

ん?「新人ロイカ」?誰や、それ?

と思いながら「手書きのスーパー発注書」を見ると、そこにはちょっとクセのある字で、

「新トロイカ体制」

と書かれていました。

「ああ、これは『新人ロイカ』ではなくて『新トロイカ』。『トロイカ』に『新』が付いてるんだよ。」

と説明しながら、

「そうかあ、『トロイカ体制』、知らんのかあ・・・」

とちょっとガッカリ。確かに発注の「ト」の字が横を向いていて「人」に見えないこともなかったですけど、ねえ・・・。

「トロイカ体制」

というのは「指導者が3人」の体制を言います。ロシアのそり「トロイカ」が、3頭の馬が引っ張るところからある言葉で、『広辞苑』によると、

「(2)三人の有力者あるいは3カ国などを中心とする体制。(例)トロイカ方式」

とあります。

その昔、巨人軍が、藤田監督・牧野ヘッドコーチに加えて王助監督を置いたときにも「トロイカ体制」と呼ばれましたね。もうこんなことは「常識」ではなくなっていて、こんなことを知っているのは、

「年を取った証拠」

なのかもしれませんが、それにしても・・・。

ま、「新人ロイカ」という字幕が放送本番で出なくてよかったです。

(2010、6、13)

2010年6月15日 12:49 | コメント (0)

新・ことば事情

4015「代議士」

 

会社の食堂で昼飯をかっ込んでいると、「情報ライブミヤネ屋」の芸能コーナー担当の女性ディレクターに、

「道浦さん、『代議士』とか『先生』というのは、『衆議院議員』にしか言わないんですよね?」

と聞かれました。

「そのとおり!『代議士』は『衆議院議員』にしか使わない。でも『先生』は別に誰にでも使えます」

と答えると、一緒にいた男性ディレクターが、

「ええ!そうなんですか!?知らなかった!なんで『参議院議員』は『代議士』って言わないんですかですか?」

と聞くので、

「昔(戦前)は、『衆議院』だけが民意を反映した議員、つまり選挙で選ばれた『代議』士だったんだ。『参議院(=貴族院)』は、その名のとおり貴族というか皇族や、天皇が選んだ『勅撰(ちょくせん)議員』など『非公選』だったので、戦後もその名残りで『衆議院議員』だけを『代議士』と呼ぶようだよ」

と答えたら、男性ディレクターは、

「ふーん、でも今は参議院議員も選挙で選ぶから『代議士』で、ええんとちゃうかなあ。」

と言っていました。

「だからまあ、『名残り』なんだろうね」

と言ったものの、たしかにそういう意味では「代議士」というのは古い言い方なのかなあと思いました。『精選版日本国語大辞典』では、

「(英representativeの訳語)国民の公選によって衆議院に出て、国民を代表して国政を議する人。参議院議員も国民の公選により国民を代表するが、旧制の貴族院議員に代わるものであるところから、特に衆議院議員だけをさして用いることが多い」

とのことでした。「英語の訳語」ということで、古いといっても「明治以降の言葉」なのですね。もちろん、「国会」が出来たのが「明治時代」ですので、「当然」ですが。

(2010、6、13)

2010年6月15日 09:45 | コメント (0)

新・ことば事情

4014「コンピアルバム」

69日本テレビ「スッキリ!」で、関根麻里さんが担当している「週刊マリウッド」のコーナーの画面の上に出ていたスーパーに、

「コンピアルバム」

と書かれていました。なんじゃ、それ?聞いていたらどうやら、

「コンピレーションアルバム」

というものを略して「コンピアルバム」と言うようです。しかし、正式名称を聞いても、意味が分かりません。番組を見ていると、「テイラー・スウィフト」というグラミー賞で4冠取ったアーティストが、そのアルバムに参加しているようです。また、

「ビューティフル・ウーマン」

というタイトルのアルバムだそうです。

会社で、若いスタッフに

「『コンピレーションアルバム』ってなんのこと?」

と聞いてみたら、

「いろんなアーティストが、1つのテーマに沿った曲、たとえば『愛』とか『花』とか、『R3030歳前後)の人が青春時代を過ごした曲』とか、そういう1つの同じテーマで別の曲を歌った曲を集めたアルバムではないですか?」

との答え。ああ、そういうの、見たことあるな、そう言えば。

ここで、英和辞典を引きました。「コンピレーション」

compilation」=(本などの)編集、編纂:資料の収集:編集(収集)物

あ、なるほど。「集めたもの」か。それで、

「何らかの方針に基づいて集めたもの」

ということになるんですね。そして、その意味も分からないうちに、

「コンピ」

に省略されていると。「コンビ」とか「コンビニ」はわかるんだけどな。

Google検索(614日)では、

「コンピレーションアルバム」=250万件

「コンピアルバム」=164万件

でした。もう、「知ってる人はみんな知ってる言葉」なんでしょうか?

「平成ことば事情3962」で書いた、

「コンピテンシー」

は、「能力・力量」という意味だったから関係ないですが、最近「コン」の付く外来語が、ずいぶん闊歩(かっぽ)してませんか?

(2010、6、14)

2010年6月14日 19:45 | コメント (0)

新・ことば事情

4013「アソウさん、やめたんやろ」

 

64日、けさのことです。5歳の娘と保育園に向かう途中のこと、いろんなことを話してくれます。ママに聞いたことや保育所の先生、お友達に聞いたことなど、いろいろ知っています。

「今日は一日、雨は降らへんで」

というので、

「なんで知ってるん?」

と聞くと、

「昨日、寝る前に、ママのケータイで、お天気見たもん」

という具合。21世紀の子どもは進んでいます。

「ものしりやなあ、なんでも知ってるなあ」

とほめて持ち上げたところ、娘はいきなり、少し鼻の穴を膨らませながら、こんなことを言いました。

 

「アソウさん、やめたんやろ」

 

ん?アソウさん・・・・もう1年ぐらい前に辞めましたけど・・・

あ、そうか!

「ものしり」と言われて喜んだ娘は、もっとほめてもらおうと思って、

「自分が知っている中で一番賢いと思われそうなこと=オトナの話」

をしてくれたのです!私は、

「アソウさんとちゃうで。今度辞めたのはハトヤマさんやで。」

と言うと、照れ笑いした娘は、

「あ、そうかハトヤマさんや。きのう、ママとおにいちゃんが、『どっちもどっちやなあ』っていってたから、まちがえた」

というではないですか。

カワイイー!

と、まるで野村明大アナウンサーのブログのような状態になってしまいましたが、ここからがちょっと違います。

娘の様子を見て私が思ったことは、

「世の中のオトナもうちの5歳の娘も、政治に対しての態度はあまり変わらないのではないか?つまり大人の政治に対する態度は、5歳児並みではないか。周りの言うことをそのまま言っているだけではないか?」

と思ったんです。それも悲しいなあ・・・。

(20101、6、4)

2010年6月 9日 10:25 | コメント (1)

新・読書日記 2010_106

『サッカーの見方は1日で変えられる』(木崎伸也、東洋経済新社:2010、5、12第1刷・2010、5、28第2刷)

 

惹句に「フォーメーションにこだわるのは間違い」というようなことが書いてあって、こないだから杉山さんの「フォーメーションがすべて」みたいな本を読んでいたので、「え、どういうこと?」と、つい買って読んでしまいました。

サッカー経験者の私から言わせると、確かにそれぞれのポイントは「プレーヤー目線」というか、「こうすれば失点を防げる=強いチーム」、というような感じで、わかってはいるけど、整理して考えてなかったかなーというイメージですね。これを読むと、考えが整理される感じ。プレー経験者でなければ「目からウロコ」の部分もあるかもしれません。分かりやすい一冊でした。タイトルに嘘はないと思います。

 


star3_half

(2010、6、3読了)

2010年6月 8日 16:39 | コメント (0)

新・ことば事情

4012「埋却」

 

「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」で紹介する新聞記事を選んでいたら、67日の産経新聞夕刊にこんな見出しが。宮崎県の口蹄疫関連の記事です。

900頭共同埋却へ移動」

この中に出てきた、

「埋却」

という言葉、初めて目にしました。おそらく、

「まいきゃく」

と読むのでしょう。「焼却」からの連想で、意味は、

「(焼くのではなく)埋めて処分すること」

というのは想像がつきますが、耳慣れない言葉です。

月曜日の「ヨミ斬り」コーナー担当の山本アナウンサーに聞いたところ、

「そうなんですよ、先週土曜日の『あさパラ』の原稿にも、実はこの『埋却』が出てきて、『どう読むんだろう?』って辞書も引いたんですけど、載ってなくって・・・」

たしかに、『広辞苑』『明鏡国語辞典』には「埋却」は載っていませんでした。こういうときは、これ、『精選版日本国語大辞典』。ほら、載っていました!

「まいきゃく(埋却)」=地中などにいまること。また、うめること。

なんと用例は『狂雲集』という15世紀後期の漢詩でした。古い言葉なんだ。しかも漢詩かあ。

まあ、意味は分かりますが、耳慣れないお役所言葉でしょうから、ニュースで伝えるときは(書き言葉の新聞と違って、話し言葉の放送では)、

「(焼かずに)埋めて処分すること」

言い換えた方がいいね、ということになりましたが、その記事は結局、紹介しませんでした。

                       (2010、6、7)

(追記)

615日の正午のNHKニュースでは「埋却」という言葉を使わずに、

「家畜を埋める作業」

という表現を使っていました。

 

 

 

 

 

(2010、6、7)

2010年6月 8日 11:10 | コメント (0)

新・読書日記 2010_105

『ワールドカップは誰のものか~FIFA の戦略と攻略』(後藤健生、文春新書:2010、5、20)

序章・終章を含めると8つの章からなる本書、前半の第一部はワールドカップと政治の歴史を、そして後半の第二部南アフリカ開催の意義は文字どおり、今回の南アフリカワールドカップについて詳細に書かれている。

後藤さんはサッカーの歴史家、語りべともいう方で、サッカーの歴史を語らせたら右に出る人はいないのではないか。資料に基づいて話を進める姿は、学者である。ただその分、読み物として読むには、少し堅苦しさもあるかも。昔の新書的な教養溢れる内容である。

 


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(2010、6、6読了)

2010年6月 7日 17:02 | コメント (0)

新・読書日記 2010_104

『人間の建設』(小林秀雄・岡潔・新潮文庫:2010、3、1第1刷・2010、4、5第3刷)

評論家・小林秀雄と数学者・岡潔の対談集。昭和401965)年10月号『新潮』に掲載されたもの。3月に出てもう3刷ということは、結構、売れてます。この中で「ふーむ」と思ったのは、主に数学者・岡潔さんの発言です。

「無明ということを言っていないのはギリシャ人だけです。ギリシャ人は、人は理想が大事だといっているようにきこえる。理想というのは無明をこえた真な自分の心です。しかしアテネには、人の心の自由と、小さなほしいままの心とをはきちがえたところがあって、それがアテネが滅ぶ原因になっていると思いますが。」

「芥川もギリシャは東洋の永遠の敵である、しかし、またしても心がひかれると言っておりますね。」

「欧米の文明はギリシャから発したのですから、ギリシャをよく調べないと、わからないでしょうね。」

「ローマ時代は明らかに暗黒時代であって、あのときの思想は功利主義だったと思います。人は政治を重んじ、土木工事を求める。そういうものしか認めない。現在もそういう時代になってきています。ローマの暗黒時代そっくりそのままになってきていると思います。これは知力が下がったためで、ローマの暗黒時代は二千年続くのですが、こんどもほうっておくと、すでに水爆なんかできていますから、この調子で二千年続くとはとうてい考えられない。(中略)人類が滅亡せずに続くことができるのは、長くて二百年くらいじゃないかと思っているのです」

この話を聞いていると(読んでたんだけど、聞いてるような錯覚に)、「ギリシャはえらい!ローマはダメ」のように聞こえました。「ローマ人の歴史」を書いている塩野七生さんは、どう感じるのだろうか?と思いました。また「ギリシャ、昔は凄かったんだろうけど、最近は・・・」とも思いました。また、

「欧米人の特徴は、目は見えないが、からだを使うことができる。西洋音楽の指揮者をテレビで見ておりますと、目をふさいで手を振っている、あれが特徴ですね。欧米人の特徴は運動体系にある。いま人類は目を閉じて、からだはむやみに動きまわっているという有様です。いつ谷底へ落ちるかわからない。」

「いま日本がすべきことは、からだを動かさず、じっと坐りこんで、目を開いて何もしないことだと思うのです。」

という岡さんの話。あれ?これは養老孟司さんと、まったく逆の意見では?と、いろいろ刺激を受けました。


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(2010、6、3読了)

2010年6月 6日 18:02 | コメント (0)

新・読書日記 2010_103

『日本人へ~リーダー篇』(塩野七生、文春新書:2010、5、20)

 

帯の文句は、

「なぜリスクをとるリーダーが出ないのか」

これ、そのまま今の民主党に・・・鳩山さん、菅さんにぶつけたいような・・・。

その下には、

「危機の時代こそ歴史と向き合え!21世紀の『考えるヒント』40本」

と。「考えるヒント」は当然、小林秀雄の有名な本のタイトルに引っ掛けたのでしょう。

で、読んでみると大変ためになります。どれも短いがビシッとしている。きりりと引き締まっている。これ、どこかで連載されていたんだろうな。それが書かれていないのですが、おそらく『文藝春秋』の巻頭のエッセイなのではないか?と思って読み返すとちゃんと最初のほうに「初出・文藝春秋20036月号から20069月号」と書いてありました・・・。

ちょっと古いんだけど、内容は古くない。こういうのを「不易流行」と言うのでしょう。

でも・・・実はこの後に読んだのが、45年前に行われた小林秀雄と数学者・岡潔の対談集なんだけど、その中で岡は「ローマ」を否定してるんだよねえ。ギリシャをほめてて。立場の違いなんでしょうか?

 


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(2010、5、26読了)

2010年6月 5日 18:54 | コメント (0)

新・読書日記 2010_102

『図解・世界のサッカー愛称のひみつ~国旗とエンブレムで読み解く』(斉藤健仁、光文社新書:2010、5、20)

大変な労作だと思います。

ワールドカップが近づいてきたので、サッカー関連本も増えてきて、読む機会も増えています。そろそろ本番へ向けて、エンジンをかけなくちゃ。

カラーで、ユニフォームやエンブレムが出てきて楽しいです。


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(2010、5、31読了)

2010年6月 4日 19:51 | コメント (0)

新・ことば事情

4011「スパイクのアクセント」

517日の深夜、フジテレビのスポーツ番組を見ていたら、サッカーの中村俊輔選手がインタビューに答えていました。その中で中村選手は、「サッカーシューズ」の意味での「スパイク」のアクセントを、「平板アクセント」で、

「ス/パイク」

3回「中高アクセント」の、

「ス/パ\イク」

1言っていました。それを受けてスタジオでしゃべっていたフジテレビの女性アナウンサーは、

「ス/パ\イク」

という「中高アクセント」が3回

「ス/パイク」

という「平板アクセント」が1回と、中村選手とはアクセントの頻度が逆でした。

外来語においては、同じ言葉でアクセントによって「違うもの」を指す場合もあります。たとえば、「ドライバー」なんて言葉は、

(1)  ねじ回し

(2)  運転者

(3)  一番飛距離の出るゴルフのクラブ

と、少なくとも3種類の意味があります。アクセントで意味を2つに分けていることもありますよね。「クラブ」も、

(1)  女性をはべらせた、中高年の男性が行くお酒を飲むラウンジ。<例>銀座の高級クラブのママ

(2)  若者が音楽に合わせて踊りに行く店。<例>六本木のクラブのDJ

の違いがアクセントによって分けられています。前者は「ク\ラブ」と頭高アクセント、後者は「ク/ラブ」と平板アクセントですね。

ですから「スパイク」にも、

(1)  底にポイント(スタッド)や針が付いたスポーツ用シューズ

(2)  バレーボールで、相手陣地に打ち込む攻撃。アタック。

という2つの意味があります。これを今、アクセントによって分けているか、と言うと、どうだろうな、特に分けてないんじゃないだろうか?でも、ワールドカップの期間を過ぎてどうなるか、注目です。

(追記)

遂に開幕した南アフリカワールドカップ。正式には2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会」だそうですが。その「ポルトガル対コートジボワール」のNHKの中継を見ていたら、実況アナウンサーが、

「(選手が)ス/パイクをはきかえてる」

と、「ス/パイク」を「平板アクセント」でしゃべっていました。専門家アクセントなんでしょうかね?

 

 

 

 

(2010、6、1)

2010年6月 2日 11:40 | コメント (0)

新・ことば事情

4010「陳謝の『陳』」

平成ことば事情が4000回に到達したよ!と書いたところ、たくさんの・・・・数人の方から(チョット寂しい)「おめでとうメール」を戴きました。ありがとうございます。

その中の一人、Y君は、お祝いとともに質問を寄せてくれました。

『昨夜家で話題になった事。

「鳩山首相、沖縄県に『陳謝』」

この「陳謝」の「陳」ってどういう意味?

「陳謝」・・・説明して謝ること と辞書にはあった。

「陳」は説明するってことなの?ヒゲをはやした中国人の料理人というイメージしかないのだが・・・・・鉄人・陳健一さんは、ヒゲをはやしていないけど・・・・。』

たしかに!

ということで調べてみました。その結果が、次のメール。

『お尋ねの「陳」ですが、『新潮日本語漢字辞典』によると「陳」の1番目の意味は、(1)「述べる。内容のあることを話す」=陳述、開陳、陳情、陳謝、具陳(=これは私も初めてみた言葉)

ですが、そのほかの意味として、

(2)「ならべる」=陳列、出陳

(3)「古い、古くさい」=陳腐、新陳代謝、陳年紹興酒

(4)中国の国名。周の諸侯の国の一つ。都は宛丘(えんきゅう)。(今の河南省)

(5)中国の王朝。南朝、最後の王朝。梁(りょう)の政権を奪い、陳覇先(ちん・はせん)が建国。都は建康(今の南京)。隋()に滅ぼされた。557589.「陳書」

(6)堂から門へと続く道。

(7)中国人の姓。「陳寿」

だそうです。

「鉄人」は7番目の意味ですね、名字は。

ではでは。。。』

それに対するY君の返事は、

『ご丁寧にありがとうございます。陳腐についても話していて、やはり陳って何だろうと言っていたのです。「陳」に「古い」という意味があるんですね。新陳代謝と書かれていたので、改めてなるほどと思いました。

 それにしても「陳」という言葉と「丁寧に説明する」には「違和感」があります。』

ということで、ひとまず、解決!「陳」って、結構色々な意味の広がりを持つ漢字・言葉だったのですね!

(2010、5、31)

2010年6月 1日 16:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4009「暴力団員か?暴力団組員か?」

527日の「ミヤネ屋」で、大相撲の「たまり席」(「維持員席」)のチケットが、暴力団関係者に渡っていた問題を報じました。その際に原稿の中に、

「暴力団員」「暴力団組員」「暴力団関係者」

という表現が出てきて、「その使い分けは?」萩原アナウンサーに聞かれました。

「暴力団関係者」

の場合は、暴力団の構成員だけでなく、「準構成委員」や「元暴力団組員」など、広い意味で捉えていると分かりますが、問題は「暴力団員」と「暴力団組員」の違いです。これは難しい。どう違うのでしょうか?

結論から言うと「わからない」。もしかしたら、

「関東系の『稲川会』とか『住吉会』などは、『○○組』ではないので『組員』と呼べないから『暴力団員』では?」

とか、

「歴史的に戦後の『愚連隊』(=昭和31年の流行語)の流れを汲んで『暴力団員』という呼び方があって、その後、暴力団の組織化が進んで『暴力団○○組』というのが増えたことで『組員』が一般的になったのではないか?」

など推測の域を出ませんが、普通「暴力団組員」の略称として「組員」という言い方が定着したのではないか?と思います。

結局今回は、原稿が日本テレビからのものを参考に書いたということで、特に手を入れることはしませんでした。手入れ、なし。

Google検索(531日)では、

「暴力団員」=248000

「暴力団組員」=85800

で、以外にも「暴力団員」の方が3倍も多くネット上では使われていました。今度は「組員」と「暴力団」をキーワードにして検索すると、

「組員、暴力団」=753000

でした。また、「の」で繋いで「暴力団の組員」で検索すると、

「暴力団の組員」=454000

うーん、検索の仕方でずいぶん数字が違うので、ハッキリと「どっちが多い」とは言えませんねえ・・・。

 

また、今回名前が出てきた、

「暴力団山口組弘道会」

は、「系」を入れて、

「暴力団山口組"系"弘道会」

としましたが、527日の読売新聞夕刊は、

「暴力団山口組弘道会」

でした。夕刊フジは、

「山口組"系"の弘道会」

でした。これに関して暴力団関係の情報に詳しいT氏に聞いたところ、

「そりゃあ警察はその筋に詳しいですから、警察発表では、暴力団側の言い方である『山口組弘道会』というでしょうが、それは『業界用語』みたいなもんですから、ニュースで流すときは『山口組"系"弘道会』でいいんじゃないですか?極道は『系』なんて言いまへんけど」

とのことでしたので、「系」、付けましょう、ということで。

(2010、5、31)

2010年6月 1日 13:48 | コメント (0)

新・ことば事情

4008「総花的」

528日の「ミヤネ屋」で、全国知事会の模様をお伝えしました。

その中でテロップを打つ作業をしている人から、

「道浦さん、これ、どういう意味ですか?」

と聞かれたのが、石原都知事の発言のスーパーで、

「総花的」

という言葉。わたしは、

「『そうかてき』、俗には『そうばなてき』とも読むけど。『具体的策がなくて全体的に"のんべんだらりん"とした』という意味だよ」

と答えてから辞書を引くと、なんと正しくは、

「そうばなてき」

でした。石原都知事も「そうばなてき」と発言していました。「そうかてき」は見出しにありませんでした。

そういえば最近、あまり耳にしないかな、「総花的」。

(2010、5、31)

2010年6月 1日 10:46 | コメント (0)

新・ことば事情

4007「忽然と現れるか消えるか?」

「情報ライブミヤネ屋」の「ミヤスポ」のコーナーで、史上最年少プロテニス少女をご紹介しました。その原稿の中で、

「忽然(こつぜん)と現れた」

という表現がありました。これに関して、

「『忽然と』というと、普通は『消える』『消え失(う)せる』に使うのではないか」

という指摘がスタッフの中から起こりました。たしかにそういう場合に使うことが多いですよね。でも、『広辞苑』を引くと、

「忽然と現れた」

という用例も載っていますから「間違いではない」のですが、イメージとしてはやはり「消える」の方が強い気がします。Google検索してみると(527日)、

 

「忽然と現れる」= 36500

「忽然と消える」= 19000

「忽然と消え失せる」= 728

 

と、「現れる」の方が「消える」の倍ほど使われています。「過去形」にすると、

 

「忽然と現れた」 = 493000

「忽然と消えた」 =1020000

「忽然と消え失せた」=18600

 

今度は「消えた」の方が倍ほど使われています。「忽」を平仮名にすると、

 

「こつ然と現れた」=  76600

「こつ然と消えた」=  37200

「こつ然と消え失せた」=   231

 

と、「現れた」の方が倍ほど使われていました。

ということで、ネット上では結構「忽然と現れる(た)」も使われていました。

この週末に、タランティーの監督の『イングロリアス・バスターズ』のDVDを借りてきて見ていたら、第2章の字幕に、

「こつ然と現れ、こつ然と消える。」

と出てきました。やはり「こつ然」は「現れる」にも使うようです。

 

(追記)

斎藤美奈子さんの近著『ふたたび、時事ネタ』(中央公論新社:2010625の中の、

「『とてつもない新政権』誕生す」

の項目(もちろん麻生・元(!)政権誕生のときに書かれた・・・と言っても110か月前ですが)に、

「私たちの前には麻生新内閣が忽然と誕生しているのである。」161ページ)

という表現で、

「忽然と誕生している」

というのが出てきました。「忽然」で、「現れる」方の使い方です。

 

 

 

(2010、5、31)

2010年6月 1日 08:45 | コメント (0)