新・ことば事情
4006「超合金のアクセント」
5月31日の読売テレビの夕方の番組『情報ネットten!』で、視聴者の皆さんからのファックスやメールをご紹介するコーナーを担当していた小林杏奈アナウンサー(今月30歳になったばかり!)が、お便りの中にあった、
「超合金」
という言葉を、
「チョ\ー・ゴ/ーキン」
という2語に分けたアクセントで読んだところ、1拍の間合いをおいて、パネリストの皆さんから、
「『チョ/ーゴ\ーキン』やろ」
と一斉にツッコミが入りました。たしかに。わたしたち世代・・・つまり、まあ30代後半から40代後半ぐらいまで、50代前半も入るか?ぐらいの世代の男性(=男の子)にとって、「超合金」は、「1語感覚」のコンパウンドしたアクセントで、
「チョ/ーゴ\ーキン」
しかありえない!そしてその「超合金」とは、
「マジンガーZ」
です。それ以外にありえません!と断言。それを2語に分けて、「超・合金」、つまり、
「チョ\ー・ゴ/ーキン」
と読むなんて!なんてモノを知らないんだ!と非難めいた気持ちがフツフツと湧き上がりましたが、ちょっと冷静になって考えてみると、
「彼女の世代(1980年生まれ)の、しかも女性だと、そう読んでしまうのも仕方がないのではないか?」
と思い始めました。だって、マジンガーZの超合金のおもちゃが流行ったのなんて、1970年代の半ばだけでしょ。まあ、そのあと「ガンダム」も超合金だったの?そのあたりになると、全く私は知識がありませんが。とにかく、
「『超合金』は男の子のおもちゃ」
だったのですから、女の子が知らなくても仕方がないかもしれない。でも、わたしたちにとって、「超合金」は、
「超特急(チョ/ートッ\キュー)」
と同じぐらい「1語」で、一つの言葉だったのです。
それで辞書を引いたりネット検索してみると、なんと「玩具の超合金」以外に、「本物の超合金」があるようなのです!『広辞苑』によると、
「超合金」=セ氏1000度近くの高温でも耐食性・耐酸性や強度を保つ合金。主にニッケル・コバルト・鉄を主成分とするものをいい、ニッケル基合金、コバルト基合金などと呼ぶ。航空機のエンジンや発電用ガスタービンなどに使用。スーパーアロイ」
そうなのか、飛行機のエンジンは「超合金」だったのか!「アロイ(alloy)」は「合金」です。アロイ、いきま-す!これのアクセントは当然、
「チョ/ーゴ\ーキン」
ですよね!よっしゃあー!・・・何を張り切っているんだか。