新・ことば事情
4004『なぜ職場で「喜んで!」はダメなのか?』
なんだか最近ありがちな「(本の)書名=タイトル」のようになってしまいましたが・・・
先日見かけた4コマ漫画の話。新入社員にコピーを頼んだら、新入社員が、
「喜んで!」
と答えたので、頼んだ上司が、
「会社では、その返事はするな!」
と叱り、周りで見ていた人が新入社員をさして、
「学生時代に、居酒屋でバイトしてたらしいよ」
というものがありました。
この漫画では、なぜ新入社員の「喜んで!」は嫌われたのでしょうか?それについて考えてみました。(単に笑っておけば、それで済んだのですが)
(1)「喜んで!」は、居酒屋の店員用語として定着しているから。場が違うと認識されるから。マニュアル敬語だと思われたから。
(2)「喜んで!」のあとが省略されているのが、軽い感じ。丁寧さが無い。
(3)「喜んで!」と言ってるのに、表情が喜んでいない。言葉が単なる合図!・記号・あいさつの呪文になってしまっている。
(4)「喜んで!」は、自分個人の自発的な気持ちを言っているはずの言葉なのに、みんなが画一的に発することで、あきらかに「言わされている感」があり、自発的な気持ちの表明に思われない。つまり「本当は無理やり言わされているだけで、喜んでいないのではないか?」と裏読みされるような言葉になりさがってしまった。共産主義のスローガンのよう?オーウェルの『1984』の「ニュースピーク(New speak)」のように感じられるからではないか?
というようなことを考えました。(「ニュースピーク」に関しては、「平成ことば事情457ニュースピーク」をお読み下さい。)
とにかく、そんなことを感じさせる「ファミコン敬語」(NHK放送文化研究所の塩田雄大さんが、ファミリー・レストランやコンビニのアルバイト店員が使う「マニュアル敬語」を、こう名付けた)に対する反応でした。