新・読書日記 2010_100
『二大政党制批判論~もう一つのデモクラシーへ』(吉田徹、光文社新書:2009、10、20)
もう2か月前に読んだのですが、なかなか感想を書けなくてそのままになっていました・・・。そうこうするうちに、参議院選挙も近づいてきて・・・。
去年の夏ぐらいでしょうか、民主党が政権交代をする前だったと思いますが、私は「もう政党政治(二大政党)という枠組みは、今の日本では機能しなくなってきているのではないか?」という疑問を持っていました。そんな中で出会ったのがこの本。ここ20~30年は、日本は「二大政党制こそ、望ましい政治体制である」として選挙制度改革を行って、ようやく「政権交代」を出来るような二大政党制になってはみたものの、(そもそも「二大政党制」がいけなかったのか、20~30年もかかっている間に世の中が変わってしまったのかとにかく)思っていたほど二大政党制が、わたしたち国民に「良い成果」をもたらしてはくれていないなあ・・・というのが、国民の実感ではないでしょうか。
そこに出てきたこの本!サブタイトルは「もうひとつのデモクラシーへ」。おお、なんだか期待を持たせるタサブタイトルではありませんか!
「民主主義」は「ベスト」のものではなく「ベター」であるという意識を、つい忘れがちになるというか、最初から「ベスト」だと思っている人も多いということも、本書を読むと改めてわかる気がする。第3章「二大政党制の誤謬」は読み応えがある。これからの日本に必要な政党政治とは何か?そのあたりを考える材料になる一冊。なお、81ページの「敷居値」は、「閾値」の誤植でしょう。
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