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『道浦TIME』

新・ことば事情

3998「何年経ったら老舗?2」

 

「平成ことば事情3921」で「何年経ったら老舗?」というのを書きました。その最後に「教えに行っている甲南大学の学生さんに聞いてみようっと!」と書いたのですが、ようやく聞いてみました。回答者23人。質問内容は、

(1)何年経ったら「老舗」と呼んでいいのか?

(2)どういう業種のお店に「老舗」は使えるのか?

2点です。

(1)

100年=8

*明治時代以前の創業=1人

50年以上=5

30年以上=3

*昔からある業種なら50年以上、そういうイメージのない業種は2030年ぐらい=1

20年以上=1

7080年以上=1

*江戸時代からあるもの=1

100年以上もしくは4代以上続いている(3代目で家業を潰すことが多いから)1

 

(2)

*和菓子

*旅館

*和食

*洋食

*駄菓子屋

*おもちゃ屋(天井まで品物を置いてあったり、ゴチャゴチャしていると老舗という感じ。)

*着物

*パン屋

*ラーメン店

*伝統品

*呉服店

*洋菓子店には違和感あり

*うどん店

*高級料理店

*割烹

*百貨店、喫茶店、

 

(自由記述)

     40年ぐらいだと1代で築けてしまう。100年となると2代・3代受け継いでいる

     古き良き雰囲気。先祖代々続いている。伝統がある。昔から親しまれている。

     古くから日本にある食物(醤油など)150年ぐらい。「ミスタードーナツ」は100年経っても「老舗」とは言わない。チェーン店は「老舗」とは言わないのではないか。

     スーパーとか携帯会社が長い間経っても、「老舗」という言葉は似合わない。

     木の建物、懐かしい感じ、和食・和菓子、伝統的な品々、常連さんの存在(お年寄り)

     ファストフード店もだいぶ昔からあったりするが、「老舗」というイメージは浮かびにくい。老舗は「和」のイメージが強い。

     世代を超えてずっとある店。

     携帯電話、ケーキ屋は、「老舗」とは言いにくい。

     木造&引き戸の玄関。

     「老舗のファミレス」に違和感があるのは「カタカナ+漢字」だから。

     「昔ながらの、昔からの、元祖」といったもの。

     和菓子=100年、洋菓子=30年、呉服屋=200年、()服屋=50年、花屋=30年、旅館=100年、ホテル=50年、料亭=100年、レストラン=30年。もともと日本にある業種の方が、年数が長い感じがする。

     ラーメン屋は50年で「老舗」。和菓子屋は江戸時代から。

     家の近くに53年続いている和菓子屋さんがあって「和菓子の老舗」と看板が立っていたので、50年以上。

 

というような結果でした。

総合すると、50年から100年ぐらい、また業種によっても「老舗」と呼ばれる期間は違うというところでしょうか。確かに学生さんが感じているとおりだと思いました。中には、

「日本人は感覚で分かるが、外国人には『老舗』が業種によって違うということは分かりにくい感覚なのではないか?」

という意見もありました。なるほどねー。

(2010、5、24)

2010年5月24日 21:39 | コメント (0)