新・ことば事情
3978「ヨンヒャッケン」
京都の祇園歌舞練場に「都をどり」を見に行って、1冊600円のパンフレットを買ったときのこと。1000円札を出したら係の女性がパンフレットと共に、おつり「400円」を返してしてくれたときの言い方が、耳に留まりました。彼女は「400円」を、
「ヨンヒャッケン」
と言ったのです、「ヨンヒャクエン」ではなく。つまり後半の「クエン」が「ッケン」に聞こえる発音だったのです。これだとまるで、
「400件」「400軒」
のように聞こえてしまいますが。「ヒャク」の「ク」が母音の無声化になるのではなく、一足飛びに(?)「促音」(=つまる音)になるのは初めて耳にした気がします。いや、まてよ、昔おばあちゃんが、そのように言っていたような気がしてきたぞ。
そうすると京都の方は、「上七軒」も「カミシチケン」ではなく、
「カミシッケン」
と言うのでしょうか?あまり聞かない気もしますが、それはあまり「上七軒」に行かないからかもしれません。いや、あまりどころか、全然。
あ、でも「七条」のことを「シチジョウ」ではなく、
「シッチョウ」
というのは聞いたことがあるぞ。「ナナジョウ」と言う人もいますが。そうすると、この「ヨンヒャッケン」という言い方、京都では意外と広い範囲で、使われているのかもしれませんね。