新・ことば事情
3997「『雨る』は、なぜない?」
「ミヤネ屋」で、番組最後に森若アナウンサーが読む「お天気」の原稿は、ウェザーニュースの方が書いてくれます。その「ペラ1」の原稿のチェックをしています。その際にふと、疑問が。
「『晴れる』『曇る』はあるが、なぜ『雨る』はないのか?」
お天気では、
「はれ」「くもり」「あめ」
というのが、まあ基本形ですが、それらは「曇る」「晴れる」という動詞の「名詞形」ですよね。ともに動詞・連用形の名詞化。しかし「雨」は「雨る」という動詞の連用形の名詞かではありません。もしかしたら昔は「雨る」という動詞があった?それとも最初から「雨」は違う成り立ちなの?「はれ」「くもり」と「あめ」の違いは?について考えました。
「はれ」「くもり」はともに、「空の状態」を表しているが、「あめ」は「雨粒が落ちてくる・降ってくる」ことをさすところが違う。「雨」と同じように空から降ってくるものの場合、
「雪る」「雹(ひょう)る」「霙(みぞれ)る」
とも言いませんね。だからかな。
降ってくる「もの」には最初から名前が付いていて、その「もの」の名前が「お天気の名前」に使われたから、それに「る」をつけても動詞にはならない。最初から動詞ではないんだから、というのが私の推測です。いかがでしょうか?