新・ことば事情
3968「汗ばむわー」
5月6日、山田花子さん(35)が婚姻届を提出したと、ファクスで報告しました。その内容は、
「結婚できて幸せ。今夜も汗ばむわー」
という言葉でしめくくられていましたので、テレビのワイドショーはそのまま吹き替えなどで伝えていました(「ミヤネ屋」も)。
それを報じた5月7日の各紙朝刊では、ちょっと様子が違いました。
「朝日・産経」は「汗ばむわー」まで載せていましたが、「毎日・日経」は「幸せです」までで「汗ばむわー」は載せていませんでした。読売は、そもそもコメントを直接引用の形では載せていませんでした。どうなんでしょう、この、
「汗ばむわあー」
は。
「イナバウワー」
と発音が似てる気がしますが。
「汗ばむ」については最近書いた気がしたので、ちょっとさかのぼって探してみると、確かに3週間ほど前に書いていました。(「平成ことば事情3929気色ばむ」参照。)
山田さんの「汗ばむ」は、
「汗ばむような行為を行う」
という意思表明、つまり、あまり詳しくはあえて書きませんが、
「夫婦の仲が良い」
ということを「コメディエンヌの言葉」として言っているのでしょうね。それを一般紙が載せるかどうか。「『コメディエンヌ=お笑い芸人の特性を表すために載せる」のか、それは「品位を落とす(と考えたのでしょうか)のでやめた」のか、そういったところではないでしょうか。品位を落とすと考えるのなら、山田さん結婚のニュース自体を載せないという判断もあったかと思いますが、それはできないぐらいニュース・バリューがあったということなのかなあ。
「汗ばむわー」が載っているかどうかで、そのあたりがわかる・・・というか推測できるというのも、おもしろいですね。
それにしてもワイドショーで、このニュースを聞いた芸人さんの反応を放送していましたが、その人たちのコメントの山田さんへの呼びかけが、
「花子姉(ねえ)」
と言っていました。「大助・花子」の花子さんではありません、山田花子さんです。いつから山田花子は「姉」に?・・・先輩になっていたんだ、山田花子・・・。