新・ことば事情
3961「ニョウホウ」
私の担当している月1度の番組『声~あなたと読売テレビ』(毎月第2土曜日あさ5:18~5:30、関西ローカル)の収録で、相方のUアナウンサーが久々に大ヒットです。と言ってもリハーサルでの話ですが。彼女は、3月29日から始まった読売テレビ(関西ローカル)の新番組『す・またん』(月~金・5:20~ )の紹介をする原稿を読んでいたのです。
「その日の朝伝えるべき情報をふんだんに盛り込み、辛坊治郎のわかりやすいニュース解説や・・・」
という部分の「情報」を、
「ニョウホウ」
と言ったのです。イチゴの「ニョホウ」ではありませんよ、あれは「女峰」。これには噴き出さざるを得ませんでした。よかった、リハーサルで。でもそれから3分ぐらい笑いが止まらず、涙まで出てくる始末。皆さんも声に出して言ってみてください、「ニョウホウ」!
なんですか、この力の抜け具合は!ナ行と拗音にハ行がくっついて伸ばす音って、
「ニャハー」
とか
「ニョロニョロー」
とか、何となく脱力感の漂うものが多くありませんか?
ああ、もちろん、間違った原因は分かります。「情報」と「ニュース」が頭の中でこんがらがって、「ニュース」と言おうとして、
「ダメダダメだ、ここは『ニュース』ではなくて『情報』だった!修正しなくては!」
と彼女の脳みそが指令を出したにもかかわらずとき既に遅く、「ニュース」の「ニ」の音が口から発せられた直後で、しかも修正指令も出ているので、喋っている途中から「情報(ジョウホウ)」に変えようという力技。これが、
「ニョウホウ」
の真相に違いありません!もう、私、脳科学者のようです!!
しかし「ニョウホウ」って・・・なんとなく連想するのは「紙オムツ」の世界で・・・「ニョウモレ」とか・・・。
「朝伝えるべき『ニョウホウ』」
確かに、脳が伝えないと、布団に地図を書く事態を招きかねません!
でも・・・違うんだな。
そのあと収録本番でUアナは、「朝生ワイド」と言うべきところを、
「朝生なワイド」
と言って落ち込んでいましたが、これは実は言いにくい。なぜならば、
「アサナマワイド」
発音すると分かりますが、
「ア(a)サ(sa)ナ(na)マ(ma)ワ(wa)」
まで「アの母音」が5つも続くのです。しっかり口をあけて「子音」を発音しないと、「全部、ア」に聞こえてしまいます。それを意識しすぎるあまり、頼みもしないのにもう1つおまけで「な」を言ってしまったのですね。"勢い"っちゅうもんですか、"出会い頭"というか・・・。皆さんもこういった"事故"にはお気を付けくださいね。
でもまあ、こういう間違いができるのは"一種の天才だけ"で、普通の人はなかなか・・・間違えようとしても、こんなにおもしろく(しかも「わざと」でなく)間違うことはできませんが。その意味では、
「間違うのも才能である」
と、私は思います。
このネタ、思い出すだけで、3か月ぐらいはシアワセな気持ちになれそうです。笑いすぎて、腹筋も鍛えられそうです。Uさん、ありがとう!
「朝生なワイド」を確認したい方は、5月8日(土)のあさ5:18からの『声~あなたと読売テレビ』で、「朝生な」感じを是非ご確認下さい!