新・ことば事情
3958「ケンドーン・コバヤシ」
家でネクタイを選んでいたら妻が横に来て、
「これ派手やねえ・・・」
とエメラルドグリーンの派手なネクタイを手に取りました。
「たしかオーストラリアで買ったんだっけ」
私はすっかりそんなことは忘れていて、
「え、そうだっけ?」
と言うと、
「そうよ。ほら、『ケン・ドーン』でしょう。」
それで思い出しました。派手な原色の色使いで知られる「ケン・ドーン」のデザインしたネクタイが、当時気に入って買ったのでした。「ケン・ドーン」、最近あまり耳にしていなかったな・・・と思うと同時に、別の人の名前が思い浮かびました。そうです、あの人です。そこで、
「ああ、ケン・ドーン・・・・・コバヤシ」
と言うと、「ケンドー・コバヤシ」を知らないであろう妻は、
「え?コバヤシさんっておっしゃるの?」
と想定どおりの答えを返してきたので、
「そうやで。コバヤシやで。知らんの?」
と言っておきました。ま、彼女が「ケンドー・コバヤシ」の存在を知ることは、きっと今後もないと思いますので、特にこれによって何か困るという事態は発生しないと思います。というのもその昔、ビデオで映画を見ていたときにあらすじと出演者の名前を彼女に聞かれて、私がハリウッド俳優の名前を、
「ニコラス・ケイジ」
と言った時に、
「ふーん、刑事さんなの」
と言った人ですから。
気になる方は「平成ことば事情513天使がくれた時間」をお読みください。