新・読書日記
2010_101
『北朝鮮難民』(石丸次郎、講談社現代新書:2002、8、20、)
読売テレビの『たかじんのそこまで言って委員会』で「これは見るべきだ!」と勝谷誠彦さんが言っていたので、「見たい!」と思い、ゴールデンウイークに見に行った映画『クロッシング』。大阪ミナミの「ビッグ・ステップ」の中の映画館。12:20からの上映直前に着いたら、なんとその回の上映チケットはもう売り切れ。その次の回14:20も売り切れ。仕方がないので、その次の16:20の回のチケットを購入して、4時間、時間を潰すために中之島の「ルノアール展」を見に行き、そのあと「ほたる街」のバーで、ピッツアとグラスワイン(赤)を昼間から戴いて映画館に戻ると、ちょうど上映10分前。客席数が120席ぐらいしかない狭さというのが一番の原因だと思いますが、超満員です。在日の方も多いように見受けました。子どもからおばあさんまで、一家を挙げて見に来ている人たちも。
映画は、思っていたほど、どぎついものではなく、ごく普通の生活をしようとしているのに出来ない中で、妻の命を救うために脱北して薬を買って帰ろうとして、結局、家族離散になって妻も子も死んでしまう、元・有名サッカー選手が主人公。善意の主人公を取り巻く北朝鮮・韓国・中国そしてモンゴルの現状を、冷静に描いているように思えました。あの大連の日本大使館に「脱北者家族」が逃げ込もうとしたシーン、あれからもうそんなに月日が経っているなんて・・と驚きました。
そう言えばこの本、買ったけど読んでなかった・・・と思い出し自宅の本棚を探したら、ありました。2002年、もう8年も前になるのか。著者は・・・おお、『そこまで言って委員会』でゲスト出演していた石丸さんではないか。全部「つながっている」んだね。
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(2010、5、23読了)
2010年5月28日 10:07
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新・読書日記
2010_100
『二大政党制批判論~もう一つのデモクラシーへ』(吉田徹、光文社新書:2009、10、20)
もう2か月前に読んだのですが、なかなか感想を書けなくてそのままになっていました・・・。そうこうするうちに、参議院選挙も近づいてきて・・・。
去年の夏ぐらいでしょうか、民主党が政権交代をする前だったと思いますが、私は「もう政党政治(二大政党)という枠組みは、今の日本では機能しなくなってきているのではないか?」という疑問を持っていました。そんな中で出会ったのがこの本。ここ20~30年は、日本は「二大政党制こそ、望ましい政治体制である」として選挙制度改革を行って、ようやく「政権交代」を出来るような二大政党制になってはみたものの、(そもそも「二大政党制」がいけなかったのか、20~30年もかかっている間に世の中が変わってしまったのかとにかく)思っていたほど二大政党制が、わたしたち国民に「良い成果」をもたらしてはくれていないなあ・・・というのが、国民の実感ではないでしょうか。
そこに出てきたこの本!サブタイトルは「もうひとつのデモクラシーへ」。おお、なんだか期待を持たせるタサブタイトルではありませんか!
「民主主義」は「ベスト」のものではなく「ベター」であるという意識を、つい忘れがちになるというか、最初から「ベスト」だと思っている人も多いということも、本書を読むと改めてわかる気がする。第3章「二大政党制の誤謬」は読み応えがある。これからの日本に必要な政党政治とは何か?そのあたりを考える材料になる一冊。なお、81ページの「敷居値」は、「閾値」の誤植でしょう。
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(2010、3、21読了)
2010年5月27日 22:51
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新・読書日記
2010_099
『アメリカから<自由>が消える』(堤未果、扶桑社新書:2010、4、1)
『ルポ貧困大国アメリカ』の著者。『ルポ貧困大国アメリカ』の「2」は、買ったけどまだ読んでいない。その前にこっちを読んじゃった。あんまり字が詰まってないのに、会話の使い方のせいか、なんだか読みにくく、なかなか読み進まなかった。
「扶桑社」からこんな本が出てるのは不思議。「反米的」なところが共通?でも目指す方向・ベクトルは"真逆"(全くさかさま)だと思うけど。
私は1998年以来、アメリカ本土には行ってないから分からないけど、「9・11」後のアメリカ政府が、こんなに「自由」を奪い続けているとは知らなかった。それが、「オバマ政権」に変わって「さらに強化」されているとは!現地でないと分からない話が、次々に出てくる。これではアメリカが「リパブリック・オブ・リバティー(Republic of Liberty)」でなくなってしまう。「リバティー(Liberty)」の反対語は何だろう?(調べたら「captivity」でした。意味は「とらわれの身(状態)、監禁状態(期間)、束縛」。そうか「自由と束縛」ですね。)
ちょっとでも政府の趣旨に反することをしたら、誰でも「テロリスト」と定義付けてしまうのは、なんでもかんでも「非国民」とされた戦時中の日本と同じか?
それにしても著者が、この間亡くなった「ばばこういち」さんの娘だったとは知らなかった。新聞の訃報欄を読んで、初めて知ったのですが。
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(2010、5、22読了)
2010年5月27日 19:50
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新・読書日記
2010_098
『私のみつけた京都歩き』(羽田美智子、集英社:2009、10、31第1刷・2009、11、17第2刷)
カラー写真もふんだん。1400円と消費税。でも、なんとなく「うーん」と思ってしまうのは、京都のお寺やお店の紹介のように見えて、実は羽田美智子さんの交友関係を自慢しているように見えてしまうからか。純粋に、第三者の立場からの主観的意見が記されているように見えず、書き手も羽田本人だけではなく、ライターさんが構成している感じがありあり。普通の女性向け雑誌はこんな感じなんだろうなあ。パラパラっと雑誌感覚で"見る"にはよい本かも。写真、きれいだし。雑誌感覚でどうぞ。喫茶「ソワレ」のゼリーポンチ、ほんとにきれいでした。食べたくなりました。
ゴアテックスの「雨コート」(99750円)は「雨ゴート」と濁らないんだ。
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(2010、5、23読了)
2010年5月26日 19:41
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新・読書日記
2010_097
『これもまた別の話』和田誠・三谷幸吉喜、新潮文庫:2010、5、1)
1999年11月に出たものの文庫化。二人の対談集。『キネマ旬報』に連載されてた1年分。1年で12本の映画について語っている。二人とも映画監督の経験もあるプロ同士なので話の密度が濃い。1本の映画に50ページ、かける12で、600ページを越える大著。読み切るのに一週間かかりました。最後につい最近(今年2月)の対談がおまけでついていて、その中で和田さんが、「『アバタ』ーはストーリーは、インディアン虐殺に対するアンチ西部劇みたいなもの」と言ってる場面があったが、おとといレンタル・ブルーレイで『アバター』を見たばかりの私の感想と全く同じなのでビックリ!というか、みんなそう思うんだなあ・・・って。
それにしても、ついこないだ劇場でやってたのに、もうレンタルに!しかも、5枚でたったの1000円ですよ、お客さん!こんなことでいいんですか?きっと背景には、レンタル屋さんも、ケーブルテレビやBS、CS、はたまた宅配DVD屋さんに押されて苦しいのではないか?と想像されますが、どうなんでしょうか?
『アバター』と一緒に借りてきたアニメ映画『サマーウォーズ』にも"アバター"が出てきました。「依代(よりしろ)」みたいなものですか?"アバター"は。しかも『サマーウォーズ』の中で、主人公の90歳のお祖母ちゃんが亡くなるんだけど、私の祖母も実は先週末、亡くなった。満97歳。聖路加病院名誉院長・日野原重明先生と同じ大正2年生まれ。偶然の一致にこれもビックリ!・・・合掌・・・。
あ、話がそれた。
この本で取り上げられている映画は、『ジョーズ』『赤い河』『アメリカの夜』『5つの銅貨』『ニノチカ』『男はつらいよ』『薔薇の名前』『タイタニック』『猿の惑星』『マダムと泥棒』『カサブランカ』『雨に歌えば』の12本。僕が見たことあるのは、そのうち7本。あとの映画も見たくなった!「アメリカの夜」というのが映画の手法で、「昼間の撮影なのにフィルターをかけて"夜のシーン"にすること」を指すというのは、初めて知りました!
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(2010、5、15読了)
2010年5月18日 17:59
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新・読書日記
2010_096
『日本は世界5位の農業大国~大嘘だらけの食料自給率』(浅川芳裕、講談社+α新書:2010、2、20)
え?そうなの?というタイトルにつられて、つい買ってしまいました、
内容はしっかりしていると思います。
「カロリーベースの食料自給率」の「ウソ」は、つまり数字が間違っているのではなく、どういうふうな数字を取り上げるかにかかっていると。世論調査などもそうですが、こういったデータを扱う場合に注意すべきなのは、完全に中立なデータというものがあるのか?ということと、もしあったとしても、どのデータのどの部分を選ぶかというところには恣意的なものが入り込むことを頭に入れておかないといけないということです。「言わない(取り上げない)」という意味での「ウソ」もあるしね。
この本によると、「日本のカロリーベースの食料自給率が41%と低く、それを上げることが必要だ」という論法には、"農水省の意図"が入っていると。また、「官僚」はどんな状況の下でもなんとか生き延びるための方策を考える、そういった職業であるというようなことが綴られていて、勉強になりました。
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(2010、5、10読了)
2010年5月17日 20:42
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新・読書日記
2010_095
『日本経済の真実~ある日、この国は破産します』(辛坊治郎・辛坊正記、幻冬舎:2010、4、25)
読売テレビ・アナウンサーの先輩(今は解説委員長)辛坊治郎の著作。たぶん5冊目かな。幻冬舎からは3冊目(共著はまだあるかも)。実のお兄さんとの共著だそうです。
シンボウさんからありがたく1冊、サイン入りで頂きました。ありがとうございます。
パラパラッと読むと、文章のところどころが赤い(桃色)字になっていて、「参考書」のような感じ。チャート式か?
50ページぐらいまで読んでの感想は・・・そこ、ここに疑問が生じてなかなか先に読み進めない。たとえば「10万本のジーンズを1000円で売ってもうかったから設備投資して30万本のジーンズを作ったら、3倍売れる」でしょうか?単価が下がって1000円では売れなくなるのが現実ではないでしょうか?過剰生産の行く末は価格競争で共倒れになっているのでは?結局、拡大再生産の行き着く先は、破綻なのでは?技術のブレークスルーがあれば、どこまでも拡大を繰り返せるということでしょうか?56ページの「預金」には「当座預金」は含まれないんですよね?国が破綻、という目安は国債の金利何パーセント?60ページ経過。郵貯の運用で国債を買っているというのを示すのには、1行だけそう書いてくれればわかるのに、なにをぐだぐだ寄り道を・・・。
それにしても、「アホ」とか「バカ」とか「ドロボー」とかいう言葉が一杯出てきて、品位に欠けます。ちゃんと冷静に読もうとしている人は、読む意欲を失ってしまう、というのがここまでの感想。と思って、ここまでの感想をシンボウさんにメールで送ったら、
「そのへんは読み飛ばせ!早く肝心のところまで進め!」
との指示。著者が言うのだから、ここから飛ばし読みします!なんだ肝心な部分は、もっと先か。
73ページの表で言うと、国債残高が一層急激に伸びているのは、平成13年以降、つまり小泉内閣からですよね。79ページ、ハイパー・インフレと、インフレ・ターゲット論との関連は?ハイパー・インフレはだめだけと、インフレ・ターゲットはOKなの?ターゲットでインフレが止まるという保証は?石油ショックの時のインフレは?
80ページ、悪性インフレは抑制できないのですね。やっぱりインフレ・ターゲットはだめだな。アルゼンチンが世界の檜舞台に立っていたかどうかは疑問ですが、ワールドカップの檜舞台には立っています。110ページ、なるほど政府の借金を減らすためのインフレ・ターゲット論なのか。やけくそやなあ。あ、下品。
と、日曜日の昼にここまで読んでいたら『たかじんのそこまで言って委員会』が始まりました。しばらく、そっちを見よう!
「委員会」終了。いやあ、盛り上がってましたなあ、原口大臣対「みんなの党」の2人。さて、本。大きな話は読ませるけど、小さな例え話になると、どうも細かい疑問が次々出てくるのは、「たとえ」が良くないのでは?石油ショック後のスタグフレーションの実体も、具体的に紹介してほしい。そうでないと言葉だけで"最悪の事態"と言われても、ピンと来ない感じ。112ページ。全体で210ページあまりの本で、第5章まであるのに、第1章が122ページも占めるのは、バランスが悪くないですか?第1章も二つか三つに分けた方が良くない?118ページの数字がたくさん出てくる辺りから、わからなくなってきました。図示してほしい。法人税は4割とわかるけど、利息が3万の根拠は?配当が利息と同じなのはなぜ?手取り分を確保するために配当を減らせばいいのでは?設定の根拠がわかりません。
第2章突入!戦時中は、国民の物欲を押さえたからハイパー・インフレにならなかった?戦時中はそもそも「自由主義経済」ではなく「統制経済」だったので、比較にならないのでは?
145ページあたり。たとえ話がありえないシチュエーションなので、頭に入って来にくい。データを読み取る力と、データを疑う力が必要ですね。小泉が政権取る前、小渕政権でミニITバブルで上がった株価は、森そして小泉政権でも2年間下がり続け、2年後にようやく底を打って上がり始め、2006年にようやく小泉首相就任時の株価に戻したにすぎないと見ていたのですが。162ページのGDP成長率のグラフが2001年からになっていますが、橋本のあとの小渕内閣の時の数字はどうなんですか?下がってたんですか?結局、そこだけカンフル剤のように景気を数年間、良くできたとしとも、そのあと何十年も苦しむ種(禍根)を残したとしたら、そのやり方はまずいのではないでしょうか?何十年かどうかはまだ経ってないからしらんけど、少なくともすでに4年近くはそうなってる。(その意味では民主党の子ども手当は、やはり財政に禍根を残しますね)ここに挙げられたデータの、前のデータも調べて検証しないと、一概には断定できないなと感じます。ジニ係数の左の目盛りも、「0、38~0、41」の部分しかないし、他国との比較も見ないと。小泉改革に反対するのはすべて守旧派、というわけではありません。郵政改革も、ひっくるめ方が悪い面があったけど、ポリシーは正しいのでしょう。
フー、読み終えた。
読後感、第1章がかったるい。小泉改革を評価する章がキモですね。後半の方の章の主張は概ね納得です。ところで、けさの放送でもシンボウさん、ギリシャ経済破綻を紹介するときに「コラ!」と言ってましたが、大変下品です。せっかく良いことを言っていても、ああいう一言でぶちこわしになってしまうと感じました。視聴者が恐がって引いてしまうと思います。血圧の上がらない表現法の方が、健康のためにも良いのではないでしょうか?きのうの日経朝刊に大きな広告、出てましたな。15、5万部と。ベストセラーだなあ。まだ「紙の本」をちゃんと買う人たちがいるんだなと感じました。
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(2010、5、9読了)
2010年5月14日 18:17
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新・ことば事情
3985「竹下景子さんと片岡仁左衛門さんのナレーション」
5月4日の午前10時から11時20分までNHK総合テレビで放送していた、
「二本の木」
という朗読とドキュメンタリーをあわせた番組。たまたま途中から見て、感動しました。
小沢爽さんと千緒さん夫婦。2人とも病魔に冒され、ふたり支えあいながら、「死」に向かって一歩ずつ近づきながらも「生きていく」様子が、二人の手書きのノート=日記の朗読と、実際の映像を交えながら紹介されていくという構成です。つまり「がんの夫婦の闘病日記の朗読劇」ですね。「二本の木」というのは、ギリシャ神話の中の、二本の木になった夫婦の話なんだそうです。
ナレーターは竹下景子さんと片岡仁左衛門さん。2人とも「俳優」が本業。「女優」と「歌舞伎役者」ですね。でもこの朗読は、演じることなく、すんなりと日記の世界に入っているように見えました。それは小沢さん夫妻を「演じている」ということなのでしょうか?その意味で言うと、「演じる」とは、
「登場人物の気持ちになりきってふるまうこと」
なのかなあとも思います。
「演じる」と言っても動作で演じるのではない、「朗読」を通じて演じていたお二人ですが、そのナレーションで耳に留まった点をメモします。
(片岡仁左衛門さん)
*「聖路加病院」を「せいろか」。(「せいるか」ではなく)
*「14日」のアクセントが平板で「ジュ/ーヨッカ」、「19日」が「ジュ/ークニチ」。
*「咳が続いている」の「咳」が「頭高アクセント」で、「席(セ\キ)」に聞こえた。
(竹下景子さん)
* 「聖路加病院」を「せいろか」。(「せいるか」ではなく)
* 「14日」を「ジュ\ー・ヨッ/カ」と「ジュー\ヨッカ」の間ぐらい発音。
再放送してくれないかなあ。もう1度、今度は最初から見たいです。
(2010、5、13)
2010年5月14日 14:25
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新・読書日記
2010_094
『表現の自由と第三者機関~透明性と説明責任のために』(清水英夫、小学館101新書:2009、8、8)
読みやすい。勉強になる。
BPOの前身、BRO・BRC時代から、放送と表現の自由に関して「第三者の立場」から関わってきた第一人者である清水英夫氏。本書の冒頭「序に代えて~表現の自由の落とし穴」で、「メディアはなぜ間違いを犯すのか」という原因をまとめている。それによると、
(1) 傲慢さ(謙虚さの欠如)
(2) ジャーナリストとしての不勉強、経験不足
(3) 予断・思い込み
(4) 過剰な視聴者サービス
(5) 過剰な自己防衛
の5つを挙げている。そのとおりだと思う。そして、
「本来メディアは権力の乱用や横暴から国民を守るという責務を負っている。しかし、その基本姿勢が曖昧になっているところに、国民は気付いている。」
「どうしたらメディアやジャーナリストは、信頼を得ることができるのだろうか。それは、メディアやジャーナリストが、真に市民の立場に立つこと以外考えられない。そのためには、閉鎖性を破って開かれたものにすること、自らの権力性(社会的影響力)を自覚するとともに、反権力・非権力に徹すること、そして驕りを捨てて謙虚な態度で取材や報道に臨むことであると思われる」(162ページ)
ということを肝に銘じる必要があると思う。
メディア関係者には☆4つ半。
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(2010、4、15読了)
2010年5月13日 20:54
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新・読書日記
2010_093
『考えよ!~なぜ日本人はリスクを冒さないのか?~』(イビチャ・オシム、角川Oneテーマ21:2010、4、10)
もし、オシムが病気で倒れないで、そのまま日本代表の監督を続けていたら・・・南アフリカワールドカップまであと1か月。23人の日本代表選手が、今日(5月10日)、「岡田」監督の口から発表された。サプライズは、特になかった。GKに川口が入ったこと、小笠原が外れたことぐらいか。「ぐらい」と言うと小笠原ファンに怒られるが、小笠原は、なぜか岡田監督の構想からは外れていた。トルシエの構想から外れた中村俊輔のように。
まだワールドカップが始まっていないのに、「オシムが監督だったら・・・」などというのはためらわれるが、うーん、どうなんだろうか。ちょっとおもしろい想像になりませんか?
「日本人は、なぜリスクを冒さないのか?」ということを再三、この本の中でもオシムは繰り返す。今日発表になった代表メンバー表を見ながら、もう一度この本を読んでみようかなと思う。
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(2010、4、27読了)
2010年5月11日 13:40
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新・読書日記
2010_092
『記者クラブ崩壊~新聞・テレビとの200日戦争』(上杉隆、小学館101新書:2010、4、6)
ずっと「記者クラブ」と戦ってきた上杉さん。民主党政権が出来て、「記者クラブ制度」に穴があいて、ついに!・・・と思ったら、実は全然そんなことはなくて、小さな穴が開いただけだった・・・ということを実話として、民主党政権が出来てからの200日の闘いについて詳細に書かれている。
私は東京では取材活動をしていないので、その感じは肌では分からないのだが、「おそらく、そういうことなんだろうな」というのは、同じ仕事をしている者として(しかもクラブ員側として)分かる。
4月13日の朝日新聞夕刊に「初めてネット報道記者にピュリッツアー賞」が贈られたという記事が出ていたが、「マスコミ」「報道」という形が、音を立てて変化して来ているのが、ここ数年の動きである。そのなかにあって、どう動くべきか、考えさせられる本だった。
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(2010、4、7読了)
2010年5月11日 12:31
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新・読書日記
2010_091
『残念な人の思考法』(山崎将志、日経プレミアムシリーズ:2010、4、8第1刷・2010、4、20第2刷)
タイトルの「残念な人」という表現につられて購入。帯には「頭は悪くない、でも仕事ができない」と書かれていた。確かにそういう人、いるよなあ・・・。思うに「仕事の優先順位を付けることが出来ない」「締め切り設定が出来ない」というのが大きなポイントのように思う。これはもしかしたら第二章の「二流は掛け算で考え、一流は割り算で考える」ということか?いや、私が一流と言っているわけではないですよ、もちろん。
本書の中には「ゴールの見えない話し方をすると残念なヤツだと思われる」という項目も。なるほど、昨日(5月9日)の母の日に、75歳の母が話しているのを聞いていたら、たしかにその「ゴールの見えない話し方」だったな、そう言えば。でも「ビジネス」で話をするのと、そうでないのとでは、「ゴールが違う」からな。まあ、かったるいけど。
この本はもちろん「ビジネス書」ですので、そういった方面に役立てたい方は、どうぞ。
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(2010、4、26読了)
2010年5月11日 10:00
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新・読書日記
2010_090
『JAL崩壊~ある客室乗務員の告白』(日本航空・グループ2010)
内部告発モノなので、週刊誌を読むように大変おもしろいが、だんだん、いやーな感じがにじみ出てくる。だって同じ会社の仲間を売ってるような感じで、客観的に本当にそうなのか?と疑問を覚えざるをえない。「私情を交えず」には書かれては、いない。なぜならば、利益関係の一方の当事者だから。
飛行機の利用者の立場から言わせてもらえば、「客室乗務員の勝手な言い分」としか思えない部分も・・・。(お互い様?)他人の愚痴って、「なんだかなあ」と思ってしまう部分がありませんか?
でも、おもしろいことはおもしろい。内情はよくわかるし、「たぶん、そうなんだろうなあ」という部分も多い。こういう本って、どう扱ったらいいんだろうか?
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(2010、5、8読了)
2010年5月10日 23:16
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新・読書日記
2010_089
『サッカー見るプロになれる!50問50答~選手、監督、戦術ー"これだけは知っておきたい"話』(杉山茂樹、王様文庫:2010、5、20)
サッカーというスポーツは「やる」だけでなく「見る」、そして「語る」ことで楽しめるスポーツだという著者の主張には、まったく同意。20年前、初めてワールドカップ観戦に行ったイタリアのツアーで初めて一緒になった人と、バスの中で3時間サッカーの話をできてとても楽しかったことを思い出した。そうした「サッカー話」をするためには「見るプロ」にならなくてはならない。そのために必要な事項が50、詰まった文庫本。こりゃあ、読むしかないでしょ!
著者の杉山さんはいつも「フォーメーション」がいかに大切かを説くが、それはつまり、「チームの戦術=どうやってせめてどうやって守るか、どういうサッカーをやりたいか」の意思表示が「フォーメーション」なのだということを言っているように思った。
奇しくもきょう(5月10日)、南アフリカ・ワールドカップの日本代表23人が発表されたが、今のままでは目標の「ベスト4」は厳しい。巷では「下からベスト4」と皮肉られているようだが、皮肉でも何でもなく"実力"だと思う。でも、潜在能力はある。それをどう引き出すかは、監督にかかってくるという話ですね。
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(2010、5、6読了)
2010年5月10日 16:34
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新・読書日記
2010_088
『下流の宴』(林真理子、毎日新聞社:2010、3、25)
林真理子はこの小説で一体何をいいたかったのだろうか?いまどきの草食系男子の頼りなさ?昭和の価値観の崩壊?沖縄の人はいい加減な人もいるけど根性が座ってる?林真理子に一番近いのは、心情的には主人公の48歳の女性か?つまり昭和の価値観を持ちつつ、平成の今を認識しつつ、とてもそれには同意できない心情か。母子三代の女の流れもおもしろい。あ、こうやってみると、☆2つは少ないか。3つにします。
気になった表現を、以下に。
*「幼稚園のお受験塾」「小学校のお塾だったら、もうすごいわよー」=「お」の付け方。
*「なんだよ、トッピング女じゃん」「"トッピング女"というのは、地方出身だったり、公立の学校に通っていたくせに、最後の大学だけ"男受け"のする、東京の名門女子大に通うことを意味する言葉だ」=「トッピング女」
*「あのさ、東大の大学院出てるからって、東大出てることにはならないよ。あいつはさ、確か大学は早稲田だったんじゃないの」「日本はさ、最終学歴しか問われないなら、最近そういうのって多いんだよね」
*「このところ大学院だけ高め狙う学歴ロンダリングも増えてるしさァ」=「学歴ロンダリング。
*「だけどさ、お母さんはさー、本島とシマのハーフじゃん」
「二番目の、ハーフの美しい妻と共に女性誌のグラビアにでることもある」=「ハーフ」の使い方
*「朝の早い時間や土曜日でも、ジャージーやフリースを着ている者を見たことはなかった。」=「ジャージー」と語尾伸びる。
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(2010、5、2読了)
2010年5月 6日 23:45
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新・読書日記
2010_087
『日本辺境論』内田樹、新潮新書:2009、11、20第1刷・2009、12、5第4刷)
この本は2009年の「日本新書大賞」(だっけか?)を受賞されたそうで、おめでとうございます。「新書大賞」って、聞いたことなかったなあ、「本屋大賞」は聞いたことがあるけど。新しい賞でしょうか?
全体を通して読むと、日本は辺境の地にいたことによって培われた「中華」的ではない性質を、プラスに転じて生かして、生きていけ!そのためには「辺境人」という自覚を持てと、まあそんな感じに読んだんですが、もしかしたら違うかも知れません。というのも、文章が難しくて、私、よく理解できなかったんです・・・。
「はじめに」のところで、結構いろいろと予防線を張って「防御」してはったけど、そういう防御線が、論理構成の中にもあるような感じがして、内容がなかなかスッと頭に入ってこなかったんです・・・。人によって文体の合う・合わないがあるんじゃないかなあと実感。残念。
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(2010、4、20読了)
2010年5月 6日 22:44
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