新・ことば事情
3949「核サミットの呼称」
アメリカのオバマ大統領の呼びかけで世界47か国がワシントンに集まった「核サミット」。メディアによって呼称が違いました。
日本テレビ・読売テレビ系列では、
「核セキュリティーサミット」
と呼びましたが、新聞各社は本文では、
(読売)核安全サミット
(朝日)核保安サミット
(毎日)核安全保障サミット
(産経)核安全保障サミット
(日経)核安全保障サミット
と綯っていました。(見出しでは「核サミット」「保安サミット」などもありました)
主流は「核安全保障サミット」ですが、つまり原語(英語)で、
「security(セキュリティー)」
にあたる部分を、どう日本語に置き換えているか、というのが違ったのです。
日本テレビ系列は、そのまま外来語で「セキュリティー」、読売新聞は「安全」、朝日は「保安」、毎日・産経・日経は「安全保障」でした。
新聞は「字数制限」が厳しいので、出来るだけ字数を減らそうとして「安全」(読売)、「保安」(朝日)という言葉になったと思いますが、「略しすぎでは?」というところは「安全保障」にしたのでは?テレビは新聞ほど文字数の制限が厳しくないことと、「安全保障」と言うと、国連の「安全保障理事会」と間違いやすいという配慮があって「セキュリティー」になったのではないかな、と推測しています。
テレビ各社の表現は、また聞いておきますね。
(2010、4、15)
(追記)
NHKは、
タイトル表記「核安全サミット」
コメント(読み)「核セキュリティーサミット」
だそうです。
TBS系列(JNN)は、「核安全保障サミット」。(共同通信によれば英文では、
『 the Nuclear Security Summit』)
とのことでした。