新・ことば事情
3943「痛烈なダメージを及ぼす可能性」
4月20日の「ミヤネ屋」の原稿で、
「不況に苦しむ日本経済に、痛烈なダメージを及ぼす可能性」
という一文が出てきました。これを見て何かひっかかった。
これは「可能性」ではなく「おそれ」ではないか?つまり、
「痛烈なダメージを及ぼすおそれ」
ではないかと思って、そのように変えて読みました。
放送後、もう一度原稿を見直していたら・・・あれ?やっぱりまだおかしい。「なんか読みにくいな」と思っていたら、これ、
「ダメージを・・・」
のあとは
「与える」「受ける」
が来ますよね。「及ぼす」は来ません。それに、
「痛烈なダメージ」
もなんかおかしい。「痛烈な」の後に続く言葉で一番ピッタリ来るのは、
「(痛烈な)批判」
でしょう。この場合は、
「強烈なダメージ」
の方がいいな。「強烈なダメージを受けること」が「痛烈」ですから、正しくは、
「不況に苦しむ日本経済に、強烈なダメージを与えるおそれ」
でした。たった1行の、しかも単語が助詞を含め「5つ」しかない文節で、「3つ」間違ってました・・・・。まいった!