新・ことば事情
3942「アーメーマー」
4月15日、地球一周の「アースマラソン」に挑戦中の間寛平さんが、サンフランシスコで前立腺がんの放射線治療するため、「アースマラソン」を2か月中断することを発表しました。
寛平さんと言えば、さまざまなギャグの持ち主。このニュースを伝える映像でも、海外で(たぶんイランで)、
「アーメーマー!」
と言っている姿が流されていました。
で、詩人の谷川俊太郎さんと、同じく詩人・和合亮一さんの対談集、『にほんごの話』を読んでいたら、「オノマトペ」について話題にしていました。「オノマトペ」というのは「擬態語・擬音語」のことですね。そこに、「アー」「マー」「パー」というような言葉は、赤ちゃんが一番発声しやすい言葉で、
「喃語(なんご)」
というんですね。これが、間寛平さんの「アーメーマー」に似ている。つまり「アメマ」は、「幼児の喃語(なんご)と同じだ」ということに改めて気付きました。
寛平さんのギャグも、そういう意味では「意味がない音」が結構あるので、それはある意味では、大変高尚なのかもしれません。もしかしたら、草野心平の詩集『蛙』の位置まで行ってる?あの詩は「蛙語」で書かれていますからね、人間には意味が分からない。
寛平さんは「おバカ」に見えて「おバカ」でない。だから「おバカ」に見せるのが下手で、「バカ」に見えてしまうところが、ちょっとイヤな部分でもあるのですが。
元気に「アースマラソン」に復帰されることを、お祈りしています!