新・ことば事情
3934「准教授と助教」
2007年4月から、大学の「助教授」が、
「准教授」
に変わりました。これを2007年4月6日の『ズームイン!!SUPER』で、読売テレビの辛坊治郎解説委員は、アクセントが、
「ジュ\ン・キ/ョージュ」
と2語で読んだと、当時、NHKの原田さんから報告がありました。原田さんは、
「1語なら『ジ/ュンキョ\ージュ』になるのではないか?」
というご意見でした。(その後3年が経過して、原田さんの仰るとおりのアクセントで定着していると思います。)
その年の9月に、名古屋で開かれた「新聞用語懇談会・放送分科会」でも、「日々の事例」として、共同通信の委員から、以下のような質問が出ました。
「春の学校教育法改正に伴って
『助教授→准教授』
『助手→助教』
また、地方自治法改正に伴って、
『助役→副市長村長』
『出納長、収入役→会計管理者』
というような新しい呼称は、各社どうしているか?」
これに対して各社の意見をまとめると、
「『准教授』は使っているが『助教』はまだ出てきたことがないという社が大半。『准教授』は肩書きとして『山田准教授』のように苗字の後につけて使えるが、『助教』は肩書きとしては使いにくく、『○○大学助教の山田さん』のようになるだろう」
とのこと。
読売テレビの『ニューススクランブル』(当時)で、私がナレーションを担当したものでは、既に「助教」が出てきましたが、その時は、
「○○大学助教の山田さん」
のパターンで読みました。なお、まだ本人が、
「『助教授』という呼び名にしてくれ」
というケースもあり、その場合はご本人の意向に従っているというのが各社の現状でした。
また「助教」ではなく「助手」が残っている大学もあるので、その確認をしっかりしなくてはいけないということでした。
一方、市町村の場合、「副市長」は逮捕される「副市長」が出たりして結構、頻繁に出てきているので、各社使っているようでした。ただそれ以前のことも出てくるとちょっとややこしいですが、
「副市長が助役の時」
のような表現にしているということでした。
その後見かけた表現では、
「副教授」「副校長」
という言葉も!さらにその1年後の2008年7月11日の毎日新聞には、
「阪大助教を逮捕」
の見出しが。刃渡り18センチの包丁を所持していたということで「銃刀法違反容疑」だそうです。あまりいい表現ではなく「助教」が出てきちゃいました・・・。
この原稿、3年ほどほったらかしにしていたので、ここで、一応まとめておきます。