新・ことば事情
3921「何年経ったら老舗?」
「昭和初期から続く老舗の和菓子屋さん」
という表現が、先日「ミヤネ屋」で出てきて、ちょっと「?」と。
「昭和初期から」で「老舗」なのか?と。以前、
「戦後すぐから営業している老舗」
という表現があって、このときは「ちょっと待った!」とストップをかけたことがあります。今回のポイントは2つ。
(1) 何年以上営業したら「老舗」か?
(2) 業種によって、その年月は長かったり短かったりするのか?
(1) は単純に、そのお店が何年続いているかということですが、(2)はたとえば新し
い業態のお店(たとえばケータイショップ)だと、他の業種の店よりも短くても「老舗」と呼んでもいいのか?ということです。つまり、
「創業15年のケータイショップの老舗」
はOKか?ということです。"比ゆ的"には「OK」なんでしょうか?
辞書を引くと、「老舗」の説明に使われている言葉で共通しているのは、
「代々続く」
「先祖代々」
「何代も同じ商売を」
というような感じで、
「一代じゃ、ダメ」
ということは分かりました。
「終戦後すぐに、現社長が裸一貫で作り上げた業界の老舗」
は成り立たないということですね。「最低でも三代」ぐらい続いていないと「老舗」とは言えないのではないでしょうか?そうすると親子でなくて、前のオーナーから権利を譲ってもらって同じ店名で続けて3代目、というケースはどうするのか?「老舗」でいいのか?
うーん、なかなか難しくなってきました。
そうだ、来週、甲南大学の授業で、学生さんに考えてもらおう!