新・読書日記 2010_075
『マスコミはもはや政治を語れない~徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」』(佐々木俊尚、講談社;2010、2、25)
勉強になりました。レベルが高い。
でも緊急出版だったのか、表紙カバーの著者略歴に「早稲田大学政治学部卒」とあるが、「政治学部」はない。「政治経済学部政治学科」ならある。奥付は「政経学部」とちゃんと書いてある。著者の責任ではないが。
著者はこれまでも「ネット」とメディアに関する本をたくさん書いて、その後も取材を精力的に行っている。先鋭的な意見をバンバン表していて、読むたびに勉強になる。
でも私が「ネット論壇」に関する知識がないからかもしれないが、「ネット論壇」については少し過大評価しているような気もする。いや、もちろん全面否定する気は、全くなく、
「たぶん世の中の流れはそうなのだな」
とは思うのだけど、結局は「変化のスピード」の話になりますか。
この本を読んだすぐ後に、上杉隆さんの『記者クラブ崩壊』(小学館101新書)を読んだので、もう世界はすべてツイッター&ネットで変わってしまったかのように感じたが、リアル社会すべてが、そういうわけではないと。
ただ、ツイッターはかなり変化をもたらす道具のようだということは、十二分に分かった。
4月13日の夕刊に、独自の紙面を持たずにインターネットなどで記事を発表している非営利報道機関「プロパブリカ」のシュエリ・フィント記者が、ネットメディアとしては始めて「ピュリツァー賞」を受賞したという記事が出ていたが、そういう意味では2009年ー2010年は、ネットメディアにとって、記念すべき年になるのかもしれない。
star4