新・読書日記 2010_070
『日本語は亡びない』(金谷武洋、ちくま新書:2010、3、10)
もう当然、本が好きな方ならわかると思いますが、昨年評判になった水村美苗さんの『日本語が亡びるとき』に対するアンチテーゼとして書かれています。私も『日本語が亡びるとき』に対しては「そうかあ?」と疑問を抱いていたので、共感して購入。
著者の名前、特に意識せずに購入、読み始めて「ああ、この金谷という人は『日本語に主語はいらない』の人なのだ」とわかりました。カナダ・モントリオール大学で日本語教師をしている人だそうです。(『日本語に主語はいらない』は、2冊も買ってしまったのに、まだ読んでいないのですが・・・)
前半の『日本語が亡びるとき』に対する反論の部分も、まあおもしろいのですが、私が注目したのは後半。「二人のみゆき」。いえ、鳩山幸さんではありません。日本語をいきいきと、生かし続ける活動を続けている二人の「みゆき」、つまり「作家の宮部みゆき」と、「シンガーソングライターの中島みゆき」の作品の分析を通じて、日本語がいかに素晴しく、滅びるはずがないのかを解いていく。これ、面白くないはずが、ないじゃあ、あーりませんか!やっぱり、中島みゆきはスゴイと思いました。
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