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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_065

『女子と鉄道』(酒井順子、光文社文庫:2009、7、20)単行本は2006年11月刊)

去年出た文庫本ですが、新古書店で見つけて購入。お、おもしろい!大変楽しく読ませていただきました。表紙の絵のペンギンは、あの「スイカ」のペンギンを描いたのと同じデザイナーさんによるイラストだそうです。なかなか、かわいい!

また、「言葉」ウオッチングでも大量の収穫が!それぞれ「平成ことば事情」でも取り上げるつもりですが、一応、こちらにもメモしておきます。

*「発売直後は、各キオスクで売り切れになる品が続出するほどの人気っぷりで」(129ページ)=「人気っぷり」・・・「人気ぶり」ではなくて。

*「甘味のある八丁味噌の後には絶対にブラックのコーヒーが合うのです。コメダ珈琲等、中京圏では喫茶店文化が発達していますが、それは八丁味噌のせいではあるまいか、と思ってみた次第。」(117ページ)=「喫茶店文化」というくくりでの認識に共感。

*「あぶくま号が再びいわき駅を発車するまで、お昼を食べたりレンタカーを借りたりして、準備は万端。」=「準備は万端」という体言止めの実例。

*「店というのはメディアの一種であると、私は思っています。ある雑誌の編集方針に共感する不特定多数の人がその雑誌を購入するように、ある店の料理なり雰囲気に共感する不特定多数の人が、その店を訪れる。」=「店」が「メディア」であるという捉え方は斬新。「切手はメディアである」とする郵便学者・内藤陽介さんにも通じるところが。

*「『えーっとタンゴ鉄道ってのに乗ってみたくってぇ、えへへ』と、明らかにキョドりつつ、言い訳をします。」=「キョドる」は若者言葉でしょうね。

*「願わくばもう少し缶が長いと、さらに電車感が強まるのではないかと思っておりますが」=「願わくは」ではなく「願わくば」。最後、濁ってます。

*「『カシテツ』こと鹿島鉄道」=「カシマ・テツドウ」の略し方が「カシ・テツ」。うーん、なるほど。

*「足元でうなりをあげるエンジンが、相当量の熱を発している。『床暖、ですな』『いやー、久しぶりに暑い電車に乗った』」=これは「ディーゼル機関車」だから、「電車」じゃないんじゃないの?と思いましたが。それと「床暖房」の略語としての「床暖」の使用例。

*「ド暑い平日の昼下がり」=「暑い」の強調形で、「ド」が付きますか。

*「乗車時に磁石で方位を確認しつつ、軌道のカーブっぷりなどを確認し『曲がってる!』などと思ったりするのがまた楽しいらしい。」=「カーブっぷり」という「っぷり」の付き方!

ね、収穫があったでしょう?

え?「そんなところにひっかかるのは、おまえだけ」?・・・かも知れません。

 


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(2010、4、11読了)

2010年4月12日 19:28 | コメント (0)