新・ことば事情
3902「崖っぷち」
よく目にする・耳にする言葉に、
「がけっぷち」
があります。これを常用漢字を交えて書くなら、
「がけっ縁」
です。しかしこの表記は、あまり目にしない気がします。どちらかと言うと、
「崖っぷち」
の方が目にする気がします。でも「崖」は「常用漢字ではない=表外字」なので、新聞やテレビでは出さないはず、なのですが・・・例の『崖の下のポニョ』以来、表外字でも「子供でも読める漢字」になった気がします。「気がして」ばかりですが・・・これ、書きましたよね?(確認したら、平成ことば事情3407「崖」で書いてました。)
「がけっ縁」よりは、まだカタカナを使った、
「ガケっぷち」
の方が多い気もします。なぜなんだろうか?と考えたら、おそらく、
「『っぷち』が『接尾語』的なイメージがあるので、漢字がなじまない」
からではないでしょうか?それに対して、
「『がけ』は一語としての一体感があるので、漢字で『崖』と書くか、カタカナで『ガケ』と書きたがる」
のではないでしょうか?もとは、
「がけのふち」→「がけふち」→「がけっぷち」
と変化したと思われますが、その過程で「ふち」が接尾語に感じられるようになったのではないかなと思いました。
Google検索(3月23日)で、使用頻度順位に並べると、
「崖っぷち」 =709万0000件
「がけっぷち」= 57万2000件
「がけっ縁」 = 22万7000件
「ガケップチ」= 14万3000件
「ガケっぷち」= 7万6600件
「崖っ縁」 = 4万5600件
「がけップチ」= 44件
でした。「崖っぷち」が圧倒的にネット上では使われているようです。
コメント
道浦 様
「シンカ」のアクセントの件で丁寧に教えていただきありがとうございました。
やはり専門家のお答えは凄いです!!とても勉強になりました。
また気になる事があれば質問させてください。ありがとうございました。
投稿者: KAGURA 日時:2010年03月24日(水) at 19:55