新・ことば事情
3900「ハの字」
3月初旬、北海道でスキーをしてきました。メインは子供たち。小6の息子はこれが3回目のスキーですが、これまで「そり遊び」しかしたことがなかった5歳の娘は、初めての「スキー」。私たち親は、教えられるほど上手ではないので、コーチに教えてもらうことになりました。最初が肝心ですからね。
とはいうものの、相手は5歳児。スキーを教えるというか、子守りを押し付けているような錯覚に陥ることも・・・。
指導はコーチに頼んだものの、結局そのそばで様子を見ている時間が多かったのですが、少し滑れるようになってきたときに、コーチが5歳の娘に言っていた言葉が、
「『ハ』の字にして」
というもの。うちの子、ようやく平仮名は読めて書けるようになってきましたが、まだカタカナはそれほど読めません。ここで言う「ハの字」とは、もちろん、
「カタカナの『ハ』の字」
つまり、
「ボーゲンの指導」
をしているのです。20年以上前に私も最初「板をハの字にして」と教わりましたが、その時の私は大学生、対する娘は5歳。5歳児に「ハの字」という指導は結構難しい。平仮名なら分かるのですが、スキーの板を、
「平仮名の『はの字』」
にするときっと転んでしまいます・・・っていうか無理でしょ、それ。
何気ない一言ですが、やはり相手のレベルに合わせた指導というのが必要なんだなあと痛感しました。