新・ことば事情
3899「弱冠29歳」
3月6日、大阪市内のホテルで開かれた大阪高砂部屋後援会のパーティーで、騒動で引退表明後、初めて公の席に登場した元横綱・朝青龍が、コメントの中でこうしゃべっていました。
「まだ弱冠29歳、今年30歳になりますけど」
ご存じのように、「弱冠」は、
「男子20歳の異称」
です。しかし、「若いことを強調する場合には、20歳でなくても使われているのが現状」ではあるのですが。モンゴルでは「29歳」でも「弱冠」なのでしょうか?
「それにしても、よく『弱冠』なんて言葉知ってるなあ」
と感心しつつも、
「ちょっと、使い方が違うなあ」
と思いました。
日本新聞協会・新聞用語懇談会・放送分科会編集の『放送で気になる言葉・改訂新版』でも、「弱冠」に関しては、
「年齢が若いことを指す言葉として使われているが、もともとは20歳をいうので、あまり範囲を広げたくない。『弱冠12歳で優勝』『弱冠35歳で大臣に』などは広げすぎた感じだ。」
とあります。
朝青龍のコメントは「ミヤネ屋」でもお伝えしましたが、朝青龍の発言のその部分についてのコメントフォローの字幕スーパーは、「弱冠」を抜いて、
「まだ29歳、今年30歳になりますけど」
として放送しました。「弱冠」を抜いても、意味は十分に伝わりますね。
コメント
道浦さん、ちょっと教えてください。
日米同盟の「シンカ」と言う言葉が気になっています。テレビで見る限り、殆どの方が
「頭高アクセント」で読んでいても、日米同盟の「進化」と聞こえてしまい違和感がありました。
そう思っていたとき、羽鳥アナが「平板アクセント」で読んでいらしたので「深化」と理解できました。(テロップも出てたと思います)素人としてはコチラのほうが分かりやすいのですが
どうなんでしょうか?
投稿者: KAGURA 日時:2010年03月22日(月) at 21:56