新・ことば事情
3890「ケーキ1台」
3月11日放送の日本テレビ『スッキリ!!』で、3月14日のホワイトデーを控えて、最近流行の「弁当男子」や「草食系男子」の間で、ホワイトデーのお返しに「手作りスイーツ」を贈ろうとして料理(菓子)学校に通う人が増えているという話題を放送していました。
その料理教室の、女性の若めの先生が、こう言いました。
「バニラとホワイトチョコレートを使ったケーキを1台作ってもらいます。」
ケーキを数えるのに出てきた助数詞が、
「1台」
ふーん、丸ごとの丸いケーキは「1台」か。以前たしか、
「ワンホール」
という数え方も聞いたことがあります。これは書いたな、たぶん・・・検索したら出てきました、「平成ことば事情1265 1ホール」。書いたのは、2003年7月、7年前でした。喫茶店で見つけた表示、
「ケーキ、1ホールご予約されると、1カット分ブレゼント」
を取り上げていました。「ホール」もそうだけど、今見ると、
「1カット」
というのも「一切れ」「1ピース」の意味なんでしょうね。どのぐらいに「カット」されているかは分かりませんが。
新聞用語懇談会放送分科会で2008年9月に作成した『放送で使用する助数詞』には、「ケーキ」の数え方は載っていませんでした。飯田朝子さんの『数え方の辞典』(小学館)には、
「個、台、切れ、ピース」
とイラスト付きで載っていました。わかりやすい!また、ケーキの中でも細長い「焼き菓子」だと、
「1本」
と数えることもあると。さらに説明を読むと、
「バースデーケーキなどの丸ごとのケーキは『台』で数えます。(家庭でケーキを焼く際、レシピに材料は『ケーキ1台分』と記されます。)」
とありました。また、ケーキはケーキでも「ウエディングケーキ」のように「重ねられているもの」は、その段数を、
「段」
で数えるとなっています。ただ、「1ホール」というのは載っていませんでした。