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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_063

『廃墟に乞う』(佐々木譲、文藝春秋、2009、7、15第1刷・2010、1、20第2刷)

 

佐々木譲の直木賞受賞作。連作短編6編。主人公は、北海道警察の休職中の警察官。休職中をいいことに(?)「個人的に」いろんな事件の「捜査」「解決」を頼まれ、見事にそれを解いていく。最初は「短編」の"短さ"に物足りなさを感じたが、「連作」を読み進むうちに、段段となじんでくる感じがした。最後の「復帰する朝」で、

「翌朝も、帯広は快晴だった。ただし気温は低い。プラス七度か八度というところだろ」(312ページ)

というふうに「プラス七度か八度」と、気温表記に「プラス」が出てきたのが「北海道らしいなあ」と思った。

 

 


star4

(2010、3、15読了)

2010年3月30日 11:55 | コメント (1)

コメント

これは小説だからわかりやすく表現したのではないでしょうか。私の知る限り、北海道現地の会話では「プラス」どころか「マイナス」すらも省くことが多い気がします。「今日は2度だから暖かい」「明日は10度だから寒い」など。これはどちらも氷点下の数値です。冬は0度以下になるのが当たり前なので省略してしまうようです。

投稿者: かくた 日時:2010年04月01日(木) at 01:42