新・ことば事情
3874「たくさんなお小遣い」
『大阪づくし私の産声~山崎豊子自作を語る2』(山崎豊子、新潮社:2009、11、25)という本を読んでいたら、こんな文章が出てきました。
「京都女子大へ進学するようになった時、はじめて自由に、それも割にたくさんなお小遣いを持たせて貰った嬉しさは忘れることが出来ない。」(101~102ページ)
この中の、
「たくさんなお小遣い」
という表現が気になりました。普通は、
「たくさんのお小遣い」
とするところではないでしょうか?そのあとにも、
「赤い財布や四角な皮の定期入れを持っているのを、さんざん羨ましげに眺めていた」(102ページ)
というふうに、
「四角な皮の定期入れ」
という表現も。これも普通は、
「四角の皮の定期入れ」
とするのではないでしょうか?また「皮」ではなく「革」を使う気もします。
「平成ことば事情2598ライブな社会」「平成ことば事情3787長身な彼」も、あわせてお読み下さい。