新・ことば事情
3859「重厚端厳」
2月12日の「ミヤネ屋」のオンエアー前に、Wディレクターから質問を受けました。
「与謝野・元文部科学大臣のことを『四字熟語』で表現したいんですが、『重厚謹厳』っていうのはどうでしょうか?」
「うーん、『謹厳』は、『重厚』とは別のような気がするなあ。『重厚』と聞いてすぐに出てくるのは『重厚長大』だけど、この場合は、全然違うしなあ」
と言いながら、手元の『類語大辞典』で「重厚」を引くと、同じような意味(類語)で載っていたのが、
「端厳(たんげん)」
という言葉。意味は、
「きちんとしていてすきがなく、威厳がある様子」
で、例文としては、
「端厳な老人」
これだ!と思いましたね。正確な意味では、こなれた(世の中でよく使われている)「四字熟語」ではないかもしれないけど、これなら収まりがいいねということで、
「重厚端厳」
という表現にしてオンエアーしました。
Googleで検索(2月16日)したところ、「重厚端厳」という四字熟語は1件も出てきませんでしたが、
「端厳で重厚感が街の誇りとなる秀麗な32邸」
という「マンションの広告」が出てきました。まあ、ゴテゴテしてるけど、重い感じはよく出ていますね。また、
「挙止端厳」
という言葉もありました。黒龍会編『西南記伝』からで、
「大四郎、人となり、眉目秀麗、挙止端厳」
という一文です。ウム、重々しいな。非常に「正しく厳かな感じ」です。