新・ことば事情
3858「ファーストネーションズとネイティーズ」
いよいよ開幕した「バンクーバー冬季オリンピック」。
開会式の生放送を見ていたら、
「『インディアン』のことを『ファーストネーションズ』と言う」
と、実況の男性アナウンサーが説明していました。また、
「ネイティーズ」
というのは、
「先住民と欧米人との間の子の子孫」
のことなんだそうです。いずれも初めて聞きました。そのほかに「イヌイット」もいるし、カナダには200もの先住民族がいるそうです。つまり、それだけたくさん先住の人たちがいるところに、ヨーロッパの人たちが後から入ってきたということですね、「新」大陸に。
それはさておき、入場行進を見ていたら、結構「初出場」の国がありました。ガーナ、パキスタン、コロンビア、ケイマン諸島、セルビア(として初出場)など。
そのほか「1人のみ出場」の国は、アルジェリア、エチオピア、香港チャイナ、モンテネグロ、モロッコ、メキシコ、ポルトガル、セネガルなど。エチオピアは2回目参加で1人だけ参加。この選手はなんと、
「北海道でスキーのインストラクター」
していて「日本語堪能」だとか。
「参加人数がひとけた」の国も多かったです。南アフリカ2人、ネパール2人、キルギス(と実況。キルギスタンでは?)2人、ジャマイカ2人、サンマリノ2人、チャイニーズ・タイペイ2人。モナコ3人、インド3人、イスラエルは3人、アイスランド4人、トルコ5人、レ\バノン5人、北朝鮮6人、イラン7人で女性選手1人が初参加。ブラジルとブルガリア8人。
「アフリカ」から「冬季」オリンピックに選手が参加していること自体「オドロキ」ですよね。多くの選手は「カナダ」や「スイス」などといった「雪のある国」に「留学」しているようですが。そう言えば、「冬季五輪」と縁がなさそうな「ジャマイカ」のボブスレー選手の奮闘が描かれた映画『クール・ランニング』では、選手たちの様子が面白おかしく感動的に描かれましたが、そのジャマイカからは、今回2人が参加です。
意外に少ないのは、北欧のデンマーク。18人しか参加していません。また、これまでにとったメダルは長野五輪のカーリングの「銀」のみというのも意外です。
2ケタの選手参加は、ハンガリー16人、ニュージーランド16人、スペイン18人、ルーマニア29人、オランダ34人、カザフスタン38人、韓国46人、ウクライナ47人、ポーランド50人、スロベニア50人、イギリス52人、ラトビア60人、スロバキア79人。
わが日本は94人。これは前回トリノ五輪より18人減っているそうですが、それでも100人近い選手団というのは多いですよね。
ほかにたくさん選手を送っているのは、中国92人、フィンランド100人、ノルウェー100人(=冬季五輪でメダル最も多い)、フランスは108人、イタリア109人、スウエーデン118人、スイス154人、ドイツ165人(ボブスレーやリュージュはメダル独占。メダル獲得数が前回トリノ五輪は第1位)、ロシア186人の大選手団(次回の開催地「ソチ」はロシア。ドラケンスバーグ山脈にスキーリゾートあり)、アメリカ220人。開催地カナダは206人参加。
はあ、疲れた。
こう見てくると、やはり夏のオリンピックに比べて、参加地域。人数に偏りがあるような気がします。大選手団を送り込めるのは「雪国」か「先進国」「経済大国」ということが伺えますね。
そのほか国旗を見ていて気付いた事は、
「マケドニア」の旗=黄色い太陽の日章旗。赤地面。
「スウエーデン」の旗=黄色は(やはり)太陽のイメージなのでしょう。日本だと「太陽」は「赤」ですが。
「グルジア」=国旗に喪章が結び付けられていた。リュージュの練習中に投げ出された選手が死亡。
また、先日「ミヤネ屋」では、前回のトリノ五輪の実況を聞いて、
「リンジー・ボン」
と紹介した選手を、NHKの開会式の実況男性アナウンサーは、
「リンゼイ・ボン」
と言っていました。どうやら、そちらが正しいようです。