新・ことば事情
3847「残念な感じ」
最近「ミヤネ屋」の「ミヤネ芸能~ランキング」のコーナーを見ていたら、街頭インタビューでタレントなどの印象について答える一般の女性が、
「(顔つきが)うーん、残念な感じ」
と答えるのが耳に止まりました。この
「残念な感じ」
というのは、
「『不細工』ということの婉曲表現」
なのでしょうね。そう言われた人に対して、
「本来悪い人じゃなく、本人もいろいろ努力されていることも重々承知しているけど、いかんせん基準に届いていない、私はあなたを支持したいと思っているのよ、でも客観的な判断で答えると、ごめんね・・・・」
というニュアンスを感じさせますが、表現の形としては、きっぱりと
「アウト!」
と告げています。就職試験で、
「今回はご縁がなかったということで・・・」
というのと、ちょっと似ている気がしました。
また、「・・・」のあとに何かが続くようで、実は何もない間(ま)、という意味では、お葬式やお通夜のときにご遺族の方に告げる、
「このたびはご愁傷さまで・・・」
にも似ています。
その昔、『ねるとん紅鯨団』という他局の番組で、男の子の「付き合ってください!」という申し出を断るときの女の子の言葉、
「ごめんなさい・・・」
は、先方の女の子が謝った体(てい)でしたが、
「きわめてはっきりとした拒絶」
でしたね。それにくらべると、
「お友達でいましょうね」
は「婉曲な断り方」になるのでしょうか・・・。婉曲表現って・・・相手を傷つけないように気を使ったのだろうけど、やはり言われたほうは、結構傷つくのですねえ・・。
ヘンな、話の着地点となりました。