新・ことば事情 3822
3822「もーする、うーする」
去年の夏に行った桂小春団治さんの独演会で披露された新作落語の中に、
「もーする」「うーする」
という言葉が出てきました。もちろん「幼児語」です。
「もーする」
は、うーん説明が難しいですが、幼児がウンチをしたあとに、自分で拭けないので、お父さんやお母さんにお尻を拭いてもらう際に、お父さんやお母さんが、
「はい、モーして」
と言うと、子供は四つん這いになって、お尻を持ち上げる。そのポーズになることを、
「もーする」
と言うんですね。たしかに言います。でもこれ、関西弁やろか?普通の国語辞典引いても載っていません。牧村史陽さんの『大阪ことば事典』で引いてみると・・・・オ、ありました!
「モォスル」=「四つ這いになる。牛のような格好をする意。(小児語)」
これこれ!これでんがな!やっぱり関西弁かあ。女房詞の系統かもしれませんね、語のニュアンスから言うと。Google検索では(1月22日)、
「モォする」= 4件
「モォーする」= 1件
「もーする」=12万2000件
わっ、多い!トップに出てきたのは「出雲弁」。島根でも言うんですね!同じ西日本だなあ。
「もうする」=3万6400件
もう一つは、
「うーする」
これは、そうですねえ、お風呂から上がった子供ののどに、あせもが出来ないように天花粉(ベビーパウダー)を塗る時に、子供に上を向かせて、のどを真っ直ぐに伸ばさせる際に、
「はい、ウーして!」
というふうに使います。これも『大阪ことば事典』を引くと・・・これは載っていないなあ。首を伸ばして上を向くときに、
「ウー」
って声に出して言ったりした覚えがあります、小さいとき。『大阪ことば事典』には載っていなかったけど「関西の幼児語」だと思います。Google検索(1月22日)
「うーする」=1080件
「ウーする」= 393件
でした。