新・ことば事情 3815
3815「陸山会」
小沢一郎・民主党幹事長をめぐる政治資金規正法違反事件のニュースの中で、小沢氏のこれまでの政治家人生を振り返るVTRのナレーションを読みました。その中に、去年12月、故・田中角栄下総理の十七回忌に墓参する小沢氏の姿があり、いかに彼が田中角栄・元総理を「師」と仰いでいるかということが印象付けられました。
そう言えば、小沢氏は昨年末、国会議員160人以上の「大訪中団」を率いて中国を訪問しましたが、中国と言えば、田中元総理が日中国交正常化を果たし、歴史に名前を残した国。そして、田中元総理こそ、自民党の中で「数は力なり」という「数の論理」を確立した人。
田中角栄=「日本列島改造論」
小沢一郎=「日本改造計画」
何から何まで小沢氏は、田中元総理の後を追いかけているようではありませんか!
それで、ハッと気付いたことがあります。
事件の中でよく出てくる名前に、小沢氏の政治資金団体である、
「陸山会」
があります。最初、「陸」ではなくて「睦」かと思って見間違えたことがありましたが、その「陸山会」、よく考えたら、田中角栄・元総理の有名な後援会である、
「越山会」
と「一字違い」ではないですか!
それも、田中角栄元総理は地元が、
「新潟=越後」だから「越山会」
で、小沢一郎氏は地元が、
「岩手=陸奥(陸前・陸中)」だから「陸山会」
なのですね!
それに気付いたら(みんな気付いているのでしょうか?「当たり前じゃん」ということだったのでしょうか?気付かなかったのは私だけ?)、いかに小沢氏が、検察と闘う気持ちを持っているか、師・田中角栄がロッキード事件で逮捕されたとき以来の"怨念"というか"検察に対する怒り"を持っていると感じずには、いられません。
「歴史は繰り返す」と言いますが、なんだか三十数年前の出来事がまた繰り返されているかのような錯覚に陥るのは、わたしだけでしょうか。