新・ことば事情 3812
3812「剛腕か?豪腕か?」
去年12月17日の「ミヤネ屋」で、民主党の小沢幹事長ニュースを放送しました。その原稿のした読みをしているとき、原稿に、
「かつてから剛腕と恐れられる」
という文章が出てきて、「かつてから」は日本語としておかしいので削除して、
「剛腕と恐れられる」
としました。ところでこの「ごうわん」ですが、
「豪腕」か?「剛腕」か?
という問題があります。Google検索(2009年12月17日)では、
「豪腕小沢」= 5万1700件
「剛腕小沢」=15万0000件
で「剛腕小沢」の方が3倍多かったです。
辞書を引いても、特に使い分けは書いてありませんが「剛腕・豪腕」の意味は、去年11月に出たばかりの『岩波国語辞典・第7版』によると、
「野球で、剛球や速球を投げることが出来る投手の腕力。比ゆ的に、力ずくでことを行うこと。その能力。(例)「―――政治家」
とありました。
「ミヤネ屋」では「剛腕」でいくことにしました。
(2010、1、15)
(追記)
2010年1月21日の日刊スポーツには、「今年注目の世界の指導者」で小沢一郎氏が3位にランクインしたという記事で、
「豪腕」
と出ていました。思うにこれって、
「『剛速球』か?『豪速球』か?」
も同じ悩みですよね。これも検索してみましょう。(1月21日)
「剛速球」=10万1000件
「豪速球」= 3万5600件
これは「剛速球」の勝ち!ですね。
私は、「豪」には「豪快」「豪傑」のイメージがあって「プラスイメージ」がありますが、「剛」は「とにかく強い」「融通が利かない」「一本気」というような、「プラスの中にもマイナスイメージ」があるように感じました。
コメント
小沢氏の著書に「剛腕維新」というのがありますよ。
投稿者: かくた 日時:2010年01月21日(木) at 13:32